ASOII
ジャンル | 縦スクロールシューティング |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | SNK |
発売元 | SNK |
プロデューサー | 川崎英吉 |
デザイナー | 河野和人 |
音楽 |
おさかようこ 北村芳彦 西田和弘 田中敬一 |
美術 |
田辺豊寿 前田義久 山口景泉 とくすえまさみ |
シリーズ | ASOシリーズ |
人数 | 1 - 2人(同時プレイ) |
メディア |
業務用基板 (7.19メガバイト) |
稼働時期 |
1991年3月25日 発売日一覧
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対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
デバイス |
8方向レバー 3ボタン |
システム基板 | Multi Video System |
CPU | MC68000 (@ 12 MHz) |
サウンド |
Z80 (@ 4 MHz) YM2610 (@ 8 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 320×224ピクセル 59.19Hz パレット4096色 |
『ASOII -LAST GUARDIAN-』(エー・エス・オーツー ラストガーディアン)は、1991年にSNK(初代)から稼働されたアーケード用縦スクロールシューティングゲーム。日本国外では『Alpha Mission II』のタイトルで稼働された。
同社のアーケードゲーム『ASO』(1985年)の続編。自機「SYD」を操作し、地球侵略を目論む恐怖の破壊神「フルヴァレンス・グローマ」を倒す事を目的としている。
同年に家庭用ゲーム機としてのネオジオにて発売され、1994年にネオジオCDに移植された。2010年にはPlayStation 3およびPlayStation Portable用ソフトとしてネオジオステーションにて配信された他、2011年にはWii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信、さらに2016年にはPlayStation 4用ソフトとして、2017年にはNintendo SwitchおよびXbox One用ソフトとしてそれぞれアケアカNEOGEOにて配信された。また、NEOGEO Xやネオジオ ミニなどの復刻版ハードにも収録された。
ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第5回ゲーメスト大賞」(1991年度)にてベストシューティング賞9位を獲得した。
概要
[編集]対地/対空を撃ち分ける『ゼビウス』(1983年)タイプの縦スクロールシューティングゲームである。全6エリア(エリア2は2部構成)で、特定の条件を満たした場合のみ、2周目に挑戦出来る。
本作は、ゲーム開始前に2つの操作パターンを選択することになる。1つは前作と同じ操作方法で、もう1つは1つのボタンでレーザーとミサイルを同時に発射出来る初心者向けの操作パターンになる。
前作同様、「キープ」をはじめとする多彩なアイテム・アーマー、誘導弾などがある。
難易度選択も可能(EASY、NORMAL、HARD、MVSの順)。また、プレイヤーの状況によっても展開が変化し、後半のエリアではEASYであってもノーミスで進めば敵の攻撃はそれなりに激しくなる。
後にSNK作品のイメージイラストを多数担当した森気楼のデビュー作でもある。
ゲーム内容
[編集]前作からの主な変更点
[編集]- 所持金の概念が導入され、エリアをクリアするごとに各種アーマーを購入することができるようになった。所持金は道中のGポイントを取ることで増やせるほか、エリアクリア時にもボーナスとしてもらえる。
- 元々MVS向けに作られたため、横画面の縦スクロールシューティングになった。エリア3と6は左右にもスクロールする。
- 2人同時プレイが可能となり、ミスするとその場から再開される。
- アーマーの数が増えたが、今作ではプレイヤー1人につき最大5種までしかストックできない。
- アーマーの色分けによる火力の変化廃止。
- 常時表示していたエネルギーポイントは、アーマー装着時のみ表示に変更。上限は24ポイントに固定。
- 前作ではS/L/Mのポイントは3つ揃えないと効果が発動されなかったが、今作では1つで効果が発動される。
アーマー
[編集]前作同様にヘッド、左ウイング、右ウイングを同種のパーツを揃えて初めて完成する。当然、揃える途中で別のアーマーパーツを取ってしまうと全てリセットされてしまう。またパーツは出現直後にアーマーの名前が表示されるので、視覚的にどのアーマーのパーツかがわかりやすくなっている。 取ったパーツは、画面上部にアーマーの名前つきで表示される。2人同時プレイ時はアーマーを完成させた方のプレイヤーにアーマーが追加される。 道中でCボタンを押すと画面上方に現在所持しているアーマーの一覧が表示され、レバー左右で使うアーマーを選んでもう一度Cボタンを押すとアーマーが装着される。
アーマーの種類
[編集]- レーザー(LASER)アーマー
- 前方に通常より高威力のレーザーを放つ。プレイヤー1でプレイした場合、初めから所持している。ボタン長押しで自機の左右に2つずつ分身が現れ、広範囲にレーザーを放つことが可能。
- サイド(SIDE)アーマー
- 自機の両脇に砲台が装着され、より多彩な方向にショットを放つことができる。エリア1で最初に出てくるアーマーでもある。
- シールド(SHIELD)アーマー
- バリアーを張って敵の攻撃を防ぐ。被弾するごとにエネルギーを2ポイント消耗。当たり判定は大きくなるが、敵の発射する弾ならエネルギーのある限り完全防御するので、最も使い勝手のいいアーマーと言える。
- 前作では綴りが「SEALD」だったが、本作では正しい綴りに修正された。
- ホーミング(HOME)アーマー
- 地上の敵に目掛けて、6つのミサイルを放つ。プレイヤー2で始めた場合、最初から所持している。
- ファイヤー(FIRE)アーマー
- 前方に火炎放射。威力が高いが、このアーマーを装備した場合、通常のレーザーやミサイルは一切使用できなくなる。
- ショットガン(SHOT)アーマー
- 前方2列に、赤く纏ったショットガンを放つ。地上にいる敵のみダメージ。
- ニュークリア(NUKE)アーマー
- アーマー先頭に装備された核弾頭ミサイルを発射する。発射したミサイルは一定距離経過後落下し、大きい円形の爆発を引き起こす。命中時のダメージは大きいが、弾速が遅く連射もできないのでボス戦以外には向かない。
- バブル(BUB'L)アーマー
- バブル状の泡を放つ。通常では破壊出来ない敵にも効果がある。隠し要素として、スコアの100の位を9にして6面ボスをバブルアーマーで倒す(トドメを刺す)と7面ボスに変化が現れる。
- サンダー(THUNDER)アーマー
- 稲妻を画面全体に放ち、全ての敵と敵弾を破壊する。発動の際、自機は自動的に真ん中あたりに移動する。消費エネルギー・売値ともに最高クラス。
- ブラックホール(BLACK)アーマー
- 前方にブラックホールを発射して、周囲の敵(空中のみ)を吸い込む。地上にもダメージは与えられる。ニュークリアと同じく、一定距離経過して効果が発動する。
- フェニックス(PHNX)
- ボタン長押しで自機が火の鳥に変化する。そのまま、敵に体当たりして攻撃という変わったアーマー。
ポイントの種類
[編集]空中に浮遊している八面体形のカプセルを破壊するか、地上にあるパネルを破壊すると現れる。カプセルで出したポイントはレーザーで打つごとに、S→L→M→Gの順に変化する。
- S(SPEED)ポイント(青)
- 自機のスピードが3段階までアップする。
- L(LASER)ポイント(黄色)
- 自機の対空攻撃が3段階までパワーアップする。
- M(MISSILE)ポイント(赤)
- 自機の対地攻撃が3段階までパワーアップする。
- G(GOLD)ポイント
- 所持金が増える。黄色は1ゴールド、赤色は10ゴールド手に入る。所持金はドクロポイントを取ったり、コンティニューすると全て失われる。
- K(KEEP)ポイント
- 今作では独立して現れる。自機がミスしても初期状態に戻らなくなる。ただし何度同じパネルを取っても、効果は1回分しか発動しない(1度ミスし、Kポイントを取らずに再びミスすると初期状態に戻ってしまう)。
- E(ENERGY)ポイント
- 3種類あり、橙は1ポイント、青は5ポイント、赤だと全てのエネルギーがチャージされる。アーマーを装着している時のみ現れる。
- W(WARP)ポイント(黄色)
- 一定の区間をワープ移動する。ワープ中は自機のみ攻撃可能。またワープ中はパネルが露出してポイントを回収できる。
- 1UPポイント(黄色)
- 残機が1機増える。前作と違い、エクステンドのファンファーレも鳴る。出現確率は低い。
- R(REVERSE)ポイント(紫色)
- 一定の区間をリバースワープする。ワープと異なり、戻される途中にポイント回収はできない。敵やアイテムの出現数が有限のこのゲームでは、得点稼ぎの有効な手段となる。
- 裏S・L・Mポイント(紫色)
- それぞれスピード、レーザー、ミサイルを1ランクパワーダウンさせる。
- 裏Eポイント(紫色)
- エネルギーチャージが4ポイント失われる。アーマーを装着し、なおかつ5種類持っていると現れる。
- ドクロポイント(紫色)
- 全てのキープ、所持金が失われパワーダウンする、最悪の裏ポイント。
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | ASOII | 1991年7月1日 1991年 |
ネオジオ | SNK | SNK | 47メガビットロムカセット | NGH-007 | |
2 | ASOII | 1994年9月9日 |
ネオジオCD | SNK | SNK | CD-ROM | NGCD-007 | |
3 | ASOII | 2010年12月21日 2010年12月22日 |
PlayStation 3 PlayStation Portable |
M2 | SNKプレイモア | ダウンロード (ネオジオステーション) |
- | ネオジオ版の移植 |
4 | ASOII | 2011年12月6日 |
Wii | SNK | D4エンタープライズ | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | ネオジオ版の移植 |
5 | ASOII | 2012年12月18日 2012年12月18日 2012年12月28日 |
NEOGEO X | SNKプレイモア | SNKプレイモア | 内蔵ゲーム | - | ネオジオ版の移植 |
6 | ASOII | 2016年10月27日 2016年12月26日[1] |
PlayStation 4 | ハムスター | ハムスター | ダウンロード (アケアカNEOGEO) |
CUSA-06683 |
MVS版の移植 |
7 | ASOII | INT 2017年4月6日[2] |
Nintendo Switch | ハムスター | ハムスター | ダウンロード (アケアカNEOGEO) |
- | MVS版の移植 |
8 | ASOII | 2017年4月27日[3] |
Xbox One | ハムスター | ハムスター | ダウンロード (アケアカNEOGEO) |
- | MVS版の移植 |
9 | ASOII | 2018年7月24日 |
ネオジオ ミニ | SNK | SNK | 内蔵ゲーム | - | ネオジオ版の移植 |
10 | ASOII | 2021年11月30日[4][5] |
iOS Android |
ハムスター | SNK | ダウンロード (アケアカNEOGEO) |
- | MVS版の移植 |
- ネオジオ版
- アーケードと基板の仕様は全く一緒なので、クレジットのシステムなどの細かな違い以外はゲーム内容の違いは無い。ROMカートリッジを使用しており、読み込み時間などもない。
- ネオジオCD版
- 基本的にROMカートリッジ版とほとんど同じ内容だが、ソフトの定価がROM版に比べて非常に安い。その代わり読み込み時間が長い。
- PlayStation 3、PlayStation Portable版
- ネオジオ版の移植。ゲーム自体はネオジオ版と同じだが、自分のプレイ内容を記録したり、サウンドテストなど様々な機能が追加されている。
- Wii版
- ネオジオ版の移植。バーチャルコンソールは基本的にオリジナル版をほぼ忠実に移植するため、内容にネオジオ版との違いはない。
- NEOGEO X版
- ネオジオ版の移植。本体にプリインストールされているのが特徴。元は北米にあるTommo社によって開発され、1000台限定で日本向けに輸入された。そのためゲームも海外仕様となっている。
- PlayStation 4版
- MVS版の移植。海外版もプレイ出来たり、MVS用の筐体にあったブラウン管モニターを見ているような感覚でプレイする機能なども追加された。
- Nintendo Switch版
- MVS版の移植。
- Xbox One版
- MVS版の移植。
- ネオジオ ミニ版
- ネオジオ版の移植。本体はMVS筐体を模したものとなっているが、別売りのゲームパッドを接続してプレイすることも可能。
スタッフ
[編集]- プロデューサー:川崎英吉
- 企画:KOHYAN(河野和人)
- サブ企画:SHIBA(しばたかずひろ)
- プログラマー:DATA TADA、MUGE-SAN、MAGI2、SHO CHAN、NISHIDON
- デザイナー:TOYOCHAN(田辺豊寿)、前田義久、MIKI、Y.KAWASE、HIGA、山口景泉、とくすえまさみ、MANO.
- サウンド:おさかようこ、JOJOHA KITAPI(北村芳彦)、KONNY(西田和弘)、TARKUN(田中敬一)
- スペシャル・サンクス:えばらやすはる、H.TANAKA、横山雅人、TOMI-YAN(冨田聖司)、PREDETOR-HIDEKI、STRIKER-IWATA、TOMEKICHI、TARA、DOM、KIKU-BEE、KUBOYON
評価
[編集]評価 | ||||||||||||
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- ネオジオ版
- ゲーム誌『ネオジオフリーク』が1997年に行った「ネオジオゲームツインレビュー」では3、5の合計8点となった[9]。レビュアーは「前作よりずっと高難易度でアーマー数が増え収集する戦略性がありアーマー装備時の猛烈な攻撃力はいいが、横画面なため妙に広く感じる」、「通常攻撃が弱すぎて敵を倒しにくく爽快感があまりない」、「面によって特定の武器でないとクリア不可なのはかなり辛い」と、画面構成やゲームシステムに関して否定的な評価を下した[9]。
脚注
[編集]- ^ “PS4向け“アケアカNEOGEO”『ASO II ~ラストガーディアン~』の配信日が12月26日に決定” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2016年12月19日). 2022年4月16日閲覧。
- ^ “『アケアカNEOGEO ASOII ~ラストガーディアン~』4月6日にNintendo Switchで配信!” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2017年4月5日). 2022年4月16日閲覧。
- ^ “SNKのシューティングゲーム『アケアカNEOGEO ASOII~ラストガーディアン~』が4月27日よりXbox Oneで配信開始” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2017年4月26日). 2022年4月16日閲覧。
- ^ 緑里孝行 (2021年11月30日). “「サムライスピリッツ天草降臨」など「アケアカNEOGEO」Android/iOS版3タイトルが本日より配信開始 NEOGEOの名作・傑作タイトルが今後も順次配信予定” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2021年11月30日閲覧。
- ^ Chihiro (2021年11月30日). “スマホ版「アケアカNEOGEO」が配信開始。ラインナップはサムライスピリッツ天草降臨,メタルスラッグ5,ASO IIの3作品” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2021年11月30日閲覧。
- ^ “Alpha Mission II for Arcade (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年5月25日閲覧。
- ^ “Alpha Mission II for Neo Geo (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年5月25日閲覧。
- ^ “Alpha Mission II for Nintendo Switch (2017)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年5月25日閲覧。
- ^ a b c ネオジオフリーク1997年6月号 124ページ
- ^ a b 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、16 - 17頁、ISBN 9784881994290。