AnTuTu
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種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | AnTuTu |
本社所在地 |
中国 北京市朝陽区 |
設立 | 2010年 |
業種 | 情報・通信業 |
代表者 | 邵英 |
関係する人物 | 梁斌, 佐野榮太郎 |
外部リンク | http://antutu.com |
AnTuTu(あんつつ、簡体字:安兔兔)は北京市の朝陽区に本部を置く中国のソフトウェア開発企業[1]であり、同社のブランド名。
AnTuTu Benchmarkほか、主にモバイル端末向けアプリケーションのベンダーとして知られる。
概要
[編集]起業家のShào Yīng (邵英)[2]とLiáng Bīn (梁斌)[3]が共同で創業した中国のソフトウェア開発企業である。
AnTuTu Benchmark(後述)を始めとしたベンチマークアプリケーションを中心に開発・提供しており、製品にはOSに根ざすシステム関連のソフトウェアが多い[4]。
製品
[編集]いくつかの製品はクロスプラットフォームで開発・提供されている。本項では特記なき限りAndroid端末向けの製品を中心に解説する。
AnTuTu Benchmark
[編集]開発元 | AnTuTu |
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初版 | 2011年0日 |
最新版 |
V10.3.1
/ 2024年8月7日 |
対応OS |
Android iOS Windows Windows Phone[5] |
対応言語 |
中国語、英語、日本語など iOS版は中国語のみ |
サポート状況 | 供用中 |
公式サイト | http://antutu.com |
- AnTuTu Benchmark(あんつつ ベンチマーク)は、PC、スマートフォン、タブレット、モバイルOS向けのベンチマークソフトウェアである[6]。とりわけモバイル端末向けのベンチマークソフトウェアとしてはデファクトスタンダードの地位を得ており、単に「AnTuTu」と称すればAnTuTu Benchmarkを指す場合もある[注 1]。Android版のAnTuTu Benchmarkは日本語化されているが、iOS版は英語と中国語のままであり、アプリケーション内の広告も中国向けになっているため、他国の端末で広告をタップするとApp Storeエラーが表示される。
提供
[編集]- 2020年3月上旬に突然Google PlayからAnTuTu Benchmarkが削除された。これについてAnTuTuは誤解によるものであると反論[8]し、公式サイトから最新のAnTuTu BenchmarkおよびAnTuTu 3DBench(後述)のApkファイルをダウンロード出来るよう配信方式を変更した[9]。
チート対策
[編集]- AnTuTu Benchmarkはモバイル端末における標準的なベンチマークソフトウェアであるがゆえ、ハードウェアメーカーからチートのターゲットにされる[10]ケースがあり、対策された端末の増加につれ、計測結果の信頼性が疑問視されるようになっていった[11][12]。チート行為への対抗策として、2013年にAnTuTuは、メーカーのチート行為をより困難にする新たなベンチマークソフトウェア「AnTuTu X Benchmark」を開発[13][14]。端末がroot化あるいは改造されていると警告を表示する仕組みが実装された[注 2]。
類似ソフトウェア
[編集]- AnTuTu Benchmarkに近いアルゴリズムで動作する計測ルーチンを実装したベンチマークアプリケーションもあり、その一例として総合情報通信技術研究機関 ADSが開発したReal-time benchmark[注 3][15]と称するWindows用の32ビットアプリケーションが挙げられる。当該アプリケーションにはAnTuTu Benchmarkに存在するメモリやGPUのベンチマーク機能は実装されておらず、表示もゲージのみであるが、連続的な計測を行う目的に特化しているため、タスク マネージャーよりもCPUパワーの占有率が低く、簡単な負荷試験に応用できる。同団体のウェブサイトでは、JavaScriptの実行速度や通信速度を簡易計測するベンチマークサービスも提供されている[16]。ウェブ上のベンチマークシステムは計測結果が数値で得られる上、OS、本体のアーキテクチャ、プラットフォームを問わず、ブラウザ上で計測できるため、OS毎に提供されるベンチマークソフトウェアよりも汎用性が高い。なお、同団体の理事長を務める佐野榮太郎は、機械語レベルでプログラミングが行えるウィザードの一人であり、AnTuTuのアプリケーション開発にも助力[17]した日本の技術者である。
AnTuTu Go
[編集]- AnTuTu Go(あんつつ ゴー)は、AnTuTu Benchmarkから複雑な演算処理を取り除き、軽量化を図ったベンチマークソフトウェアである[18]。動作が軽い一方、AnTuTu Benchmarkほど正確な計測結果は得られず、計測ルーチンの設計が異なるため、AnTuTu Goによって得られる数値は、AnTuTu Benchmarkによって得られる数値と単純比較できない。
AnTuTu 3DBench
[編集]- AnTuTu 3DBench(あんつつ スリー・ディー・ベンチ)は、3Dオブジェクトの描画速度を計測する、ベンチマークソフトウェアの一種である[19]。AnTuTu Benchmarkに搭載された、GPUの処理速度を計測する機能とは異なるため、AnTuTu 3DBenchによって得られる数値は、AnTuTu Benchmarkによって得られる数値と単純比較できない。
AnTuTu Tester
[編集]- AnTuTu Tester(あんつつ テスター)は、バッテリーの健全度や、タッチパネルの物理的なトラブルを試験・検証できるソフトウェアである[20]。ただし性能の経年劣化やトラブルを発見できるのみで、一部のバッテリーメンテナンス用アプリケーションに見られる修復機能は持たない。
AnTuTu Power Saver
[編集]- AnTuTu Power Saver(あんつつ パワー セーバー、日本語:AnTuTu 省電力)は、スマートフォンやタブレット端末に搭載された、バッテリーの消費を抑えるためのメモリ常駐型ソフトウェアである[17]。AnTuTuがリリースしたアプリケーションの中では、相対的に高度な技術が使われている。省電力ソフトウェアには通信量を制限したり、バックグラウンドで動作するアプリケーションのコントロールによってバッテリーの消費を抑えようと試みる製品が多い中、AnTuTu Power Saverには、それらに加え端末の管理者権限を駆使し、CPUの演算速度をコントロールする機能等も実装されている。ゆえに販売時点で管理者権限が付与されている端末か、何らかの手法でroot化された端末でなければ、本来の機能を活かせない[注 4]。
AnTuTu Lite
[編集]- AnTuTu Lite(あんつつ ライト)は、RAM容量やSoCの関係で標準のAnTuTu Benchmarkや3DBenchmarkが実行できない廉価版や低スペック端末でもベンチマークテストが行えるようAnTuTu GOよりも更に軽量化されているバージョンである。無論標準のAnTuTuのスコアとは単純比較出来ない。
AnTuTu 3DBench Lite
[編集]- AnTuTu 3DBench Lite(あんつつ スリー・ディー・ベンチ・ライト)は、上記のAnTuTu Lite同様廉価版や低スペック端末でも3Dベンチマークテストが行えるよう標準の3DBenchより軽量化されていて3Dテストの内容や絵画速度も標準の3DBenchから変更されている。
これら以外にもAnTuTuは、Smart Profiles[21]、3DRating[22]、AnTuTu Video Tester[23]といったアプリケーションをリリースしている。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “About Us” (Chinese). 20 February 2016閲覧。 “地址:北京朝陽区朝陽北路237号復星国際中心20層 (Address: 20th Floor, Fosun International Centre, No. 237 Chaoyang North Road, Chaoyang District, Beijing)”
- ^ “重新定义跑分意义 安兔兔6.0版本发布” (18 November 2015). 29 February 2016閲覧。 “安兔兔的创始人邵英介绍:在之前版本的积累中,这款软件已经在200多个国家使用,总用户超过2亿... (AnTuTu's founder Shao Ying said, through the previous versions of the software, it had been used in more than 200 countries, with the total user count over 200 million...)”
- ^ “从手机跑分到数据服务,专访安兔兔创始人梁斌 (From smartphone benchmarking to data services, an interview with AnTuTu founder Liang Bin)” (5 May 2014). 29 February 2016閲覧。
- ^ “All AnTuTu Free Android Apps & Games”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “Androidで定番のベンチマークアプリのWindows Phone版「AnTuTu Benchmark」”. 窓の杜. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “AnTuTu Benchmark”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “A16 BionicのAnTuTuスコア、GPUスコアがA15 Bionicを圧倒”. ライブドアニュース. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “「AnTuTu」がGoogle Playから削除。AnTuTuはGoogleの誤解と説明”. やじうまPC Watch. 2022年10月25日閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20200311143656/https://japanese.engadget.com/jp-2020-03-10-antutu-google-play-antutu.html
- ^ “Huaweiスマホがベンチマークのときだけ性能を爆アゲするチートモードを使っていると判明”. GIGAZINE. 2022年10月25日閲覧。
- ^ "Rampant cheating by Android knockoffs prompts AnTuTu to launch new benchmark". AppleInsider. 3 October 2013. 2022年10月23日閲覧。
- ^ "To Against Cheating Benchmark AnTuTu Release AnTuTu X Benchmark". 2022年10月23日閲覧。
- ^ “Archived copy”. 2014年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月22日閲覧。
- ^ Chris Chavez (7 October 2013). "AnTuTu X Benchmark prevents manufacturer cheating". Phandroid - Android News and Reviews. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “Download - 総合情報通信技術研究機関 ADS”. rtbで始まる名称のソフトウェアが当該ベンチマークアプリケーションである. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “Benchmark - 総合情報通信技術研究機関 ADS”. Startボタンを押下すると計測が開始される. 2022年10月23日閲覧。
- ^ a b “AnTuTu 省電力 - APKPure”. アプリケーションをインストールすると、クレジット表示に佐野の名が確認できる. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “AnTuTu Go”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “Antutu 3DBench”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “AnTuTu Tester”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “Smart Profiles (Free)”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “3DRating for OpenGL”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “AnTuTu Video Tester”. APKPure. 2022年10月25日閲覧。