BSI (ドイツ)
BSI(Bundesamt für Sicherheit in der Informationstechnik)は、ドイツ連邦政府においてコンピュータと通信のセキュリティ担当部門である。 英語では Federal Office for Information Security と呼ばれており、これはドイツ語名の直訳である。 日本語では情報セキュリティ庁[1](室[2]), 連邦電子情報保安局[3][4], 連邦情報技術安全局[5](庁[6])等々、様々に呼ばれている。
コンピュータアプリケーションのセキュリティ、重要インフラ(critical-infrastructure)の保護対策、インターネットセキュリティ、暗号、盗聴対策、セキュリティ製品の認証、およびセキュリティ評価機関(test lab)の認定を、専門分野および責任範囲としている。 ボンに本拠を置き、職員数は600名を超える[7]。2009年10月16日よりMichael Hangeが長官を務めている[8]。
BSIの起源は連邦情報局(BND)の暗号部門であった。 BSIはLibelle暗号などの暗号アルゴリズム開発を引き継いでいる。
歴史
[編集]様々な報道によれば、ドイツのシギント活動において、スイスの暗号装置(スイス Crypto AG 社製)を弱体化すべくNSAとの共謀があったという。
これによりリビアやイランといった国々の極秘通信を、西側諸国の諜報活動が解読できたと言われている。
他国の類似組織
[編集]BSIに似た役割を持つ他国の組織としては、アメリカ国家安全保障局(NSA)やイギリスのCESG(政府通信本部(GCHQ)の情報通信セキュリティ部門)を挙げることができる。
ただし、 NSAやGCHQと異なりBSIはシギント活動そのものには従事していない。
BSIとドイツでシギントを担当する連邦情報局(BND)との間に非公式の協力関係があるかどうかは定かでない。
脚注
[編集]- ^ 「ドイツ情報セキュリティ庁」と言及した報告書の例: IPAセキュリティセンター (2010年5月). “制御システムセキュリティの推進施策に関する調査報告書” (pdf). 2014年9月21日閲覧。
- ^ 「連邦情報セキュリティ室」と言及した報告書の例: 平成20年度 内閣官房 情報セキュリティセンター 委託調査 — 株式会社三菱総合研究所 (2009年3月). “各国における情報セキュリティに対する取り組みに関する調査” (pdf). 2014年9月21日閲覧。
- ^ 「ドイツ連邦電子情報保安局」と言及した和訳報道の例: “独仏の政府機関、「IE」の利用を控えるよう勧告”. CNET Japan. (2010年1月19日) 2014年9月21日閲覧。
- ^ 「ドイツ連邦電子情報保安局」と言及した和訳報道の例: “ネットユーザー1600万人分の情報窃盗発覚、独サイバー犯罪当局”. AFPBB News. AFP. (2014年1月22日) 2014年9月21日閲覧。
- ^ 「内務省連邦情報技術安全局」と言及したプレスリリースの例: 経済産業省 (2014年9月10日). “ITセキュリティ分野における国際相互承認アレンジメントが改正されました” (pdf). 2014年9月21日閲覧。
- ^ 「連邦情報技術安全庁」と言及した報告書の例: IPAセキュリティセンター (2000年3月). “平成11年度 ドイツにおけるコンピュータへの不正アクセス(クラッキング)と対策の実態調査” (pdf). 2014年9月21日閲覧。
- ^ 組織と任務 — “BSI: Organisationsübersicht des BSI” (ドイツ語). 2014年9月21日閲覧。
- ^ 長官の経歴 — “BSI: Lebenslauf Michael Hange” (ドイツ語). 2014年9月21日閲覧。