Bonobo (映像配信サービス)
Bonobo(ボノボ)は、2015年9月30日に開始した、パケットビデオ・ジャパン株式会社が運営管理を行った動画・映像配信サービスである[1]。パケットビデオ・ジャパンは配信の仕組みだけを提供し、映画会社、アニメ会社、テレビ局などのコンテンツホルダー(コンテンツの権利者)が自ら作品とその販売形式、価格を設定し、そのコンテンツをさまざまな端末で閲覧することができた[2][3]。このようなしくみは「直営型」とも呼ばれ、日本ではbonoboが業界初であった[4]。
コンテンツホルダーには、東宝、東映、松竹などの大手映画会社のほか、ウォルト・ディズニー、20世紀FOXなど外資系企業、放送局や制作会社も参加し、話題を呼んだ[3]。トレーラー視聴には会員登録は不要であったが、会員登録をすることで全てのサービスを利用することができた[5]。bonobo会員はdアカウントと連携しており、それを通じたケータイ払いも可能であった[6]。一部のコンテンツや各コンテンツのトレーラーは無料で視聴できた[7]。2017年6月30日に終了[8]。
名前の由来
[編集]bonobo(ボノボ)という名前は、ボノボというサルの一種に由来する。ボノボ同士の争いはほとんど観察されず、とても平和的な集団行動をとる。"「①人間に一番近い霊長類と言われることから、映画に一番近いポータルを目指す」「②ボノボは知識が高く平和的な動物とされており、コンテンツホルダーが創意工夫によって消費者の利益と事業者の発展を図っていくシンボルとして」"[9]という二つの理由から、「bonobo」と命名された[9]。
サービス
[編集]視聴
[編集]コンテンツの視聴には、Windows、MacではプラグインAdobe Flash Player(10.0以降)、AppleやAndroid系の端末では専用のアプリが必要であった[10]。画質の選択、字幕や吹き替えの切り替え、3D映像や4K映像、録画、ダウンロード、多端末同時視聴には対応していなかった[11][12][13][14][15][16][17]。
bonoboコネクト
[編集]bonoboコネクトは、ブルーレイディスクやDVDなどのパッケージ商品へのバンドル、各種イベントでの配布などで入手できる専用のシリアルコードを登録することで、コンテンツを視聴できるサービスである[18]。
2016年6月15日からbonoboコネクトを利用して、ソーシャルギフトサービス「giftee(ギフティ)」と連携し、特定の作品を対象に72時間オンライン視聴できるレンタル利用権を友人などにプレゼントできるサービスを開始した。価格は作品ごとに異なり、「フォースの覚醒」が500円、「アベンジャーズ」が400円、「アントマン」が500円、ディズニー/ピクサー作品が400〜500円などであった[19]。
サービス提供の終了
[編集]サービス開始当初は話題を呼んでいたが、2015年以降の国内配信ビジネスで月額定額課金サービスが注目され、作品ごとに販売していたbonoboは認知度があまり上がらなかった。そして開始から1年半あまりである2017年5月8日、パケットビデオ・ジャパンがbonoboを終了すると発表した[3]。その時アカウントを登録していたユーザー数は約9万人であった[20]。5月19日に作品の購入、レンタルを終了し、6月30日をもって全てのサービスを終了した。bonobo契約時に購入したコンテンツなどは、NTTぷらら運営の「ひかりTV」に引き継がれた[8][3]。
bonoboに続く直営型配信サービスが登場したのは2019年4月16日、ビデオマーケットの「MIRAIL(ミレール)」であった[21]。
脚注
[編集]- ^ “bonobo 利用規約”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ bonobo(ボノボ)とは何ですか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ a b c d “映像配信の「bonobo」 17年6月末でサービス終了へ 権利者の直営販売ビジネスが挫折”. animationbusiness.info. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “業界初の直営型サービス!?9月スタートの新映像配信サービス「bonobo」とは?”. マイナビニュース (2015年10月30日). 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ bonobo(ボノボ)を利用するにはどのようにすればいいですか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “映像配信サービスbonoboが本格スタート 映画情報ポータルサイトやケータイ払いも導入”. アニメ!アニメ! (2015年12月1日). 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 無料で視聴できるコンテンツはありますか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ a b “【延期】動画配信サービス「bonobo」ご利用のお客さま対象、ご契約プラン自動移行のお知らせ | 2022年 | ひかりTV”. www.hikaritv.net. 2024年10月3日閲覧。
- ^ a b “bonobo ヘルプ bonobo(ボノボ)とはどういう意味ですか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ コンテンツを視聴するためには何が必要ですか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 画質は選ぶことができるのでしょうか。”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 字幕と吹替えを切り替えることができますか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 3D映像は見ることができますか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 4K映像は見れますか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 録画をすることはできますか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ ダウンロードして視聴する事は可能ですか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ 複数端末で同時に視聴する事はできますか?”. web.archive.org. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “bonobo ヘルプ bonoboコネクトとは?”. web.archive.org (2016年5月8日). 2024年10月3日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2016年6月15日). “映像配信「bonobo」の72時間視聴権を、友人に贈れるサービス”. AV Watch. 2024年10月3日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2017年5月8日). ““直営型”映像配信「bonobo」が約1年9カ月で終了。ひかりTVで継続視聴も”. AV Watch. 2024年10月3日閲覧。
- ^ 日経クロステック(xTECH) (2019年4月17日). “ボノボ終了から約2年、新たな直営型映像配信プラットフォーム始動”. 日経クロステック(xTECH). 2024年10月3日閲覧。
外部リンク
[編集]- “bonobo(ボノボ)|映画のすべてを、あなたに直接お届けします!”. パケットビデオ・ジャパン. 2016年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月12日閲覧。