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C-101 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
C-101から転送)

C-101 アビオジェット

スペイン空軍のパトルーラ・アギラが使用するE.25 ミルロ

スペイン空軍のパトルーラ・アギラが使用するE.25 ミルロ

CASA C-101 アビオジェットAviojet)は、スペイン空軍のジェット練習機である。「C-101 アビオジェット」は、CASA社が付けた名称で、スペイン空軍ではE.25 ミルロ(E.25 Mirlo)の制式名称を付与している[1]

概要

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1975年9月、スペイン空軍のジェット練習機として開発が始まり、1976年にCASA社が公式に開発契約を結んだ。契約に「1978年末までに原型機4機の製造、1500時間の飛行試験を完了すること」などがあるため、CASA社はドイツのMBB社とアメリカのノースロップ社に機体の一部設計を委託した。

座席は後席が一段高い縦列複座、主翼はほぼ直線翼に近い低翼、ターボファンエンジン、胴体は両側面に空気取り入れ口、後部はエンジン上方でブーム状になり垂直尾翼へと続いている。また、整備を簡単にするために機体各部はモジュラー構造になっている。

原型機XE-25は1977年6月27日に初飛行し、1978年末には試作機4機がスペイン空軍に評価用に引き渡された[2]。1980年3月17日よりE.25ミルロの名称で、量産型C-101EBの引き渡しが開始された。

C-101BBは輸出用で、胴体下と主翼下に6か所のハードポイントを持ち、エンジンをギャレット社製TFE731-3-1Jに換装している[2]。C-101BBは、チリ空軍がT-36ハルコンの名称で採用し、後半納入分はチリのエナエル社で組み立てが行われた[3]

C-101CCはC-101BBの発展型で、エンジンをギャレット社製TFE731-5-1Jへ換装し、兵装搭載量と燃料搭載量が増加している。初号機が1983年11月16日に初飛行した。チリではA-36ハルコンの名称でライセンス生産された[2]

C-101DDはC-101CCの能力向上型で、新型の電子機器類(GECアビオニクス AD6601 ドップラー慣性プラットフォーム及び兵装照準コンピューター)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、AN/ALR-66レーダー警戒装置、ビンテン・チャフ/フレアディスペンサーを装備し、コクピットにはHOTAS概念を導入した。試作機は1985年5月25日に初飛行したが、発注がなく量産されなかった[2]

チリ空軍は、フランスのSAGEM社とA-36の能力向上改修契約を交わし、HUDの装備、HOTAS概念の導入、GPS/INS併用航法・攻撃システムなどの改修を行った。改修された12機は、A-36ハルコンIIと名称された[3]

2017年2月、スペイン政府は、空軍のC-101のスペアパッケージ契約を進め、有効期間をさらに4年間延長した。空軍のスポークスマンはジェーンの取材に対し8年前に初めて議題に上がった後継機について「現時点ではこれ以上の情報はない」とした[4]

採用国

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各型

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  • XE-25:原型機。エンジンはTFE731-2-2 ターボファンエンジン(推力1,588kg) 1基
  • C-101EB:複座練習機型。スペイン空軍呼称E.25。
  • C-101BB:輸出用武装練習機型。チリ空軍呼称T-36ハルコン。ホンジュラス軍も採用。
  • C-101CC:輸出用軽攻撃機型。チリ空軍呼称A-36ハルコン。ヨルダン空軍も採用。
  • C-101DD:CCの能力向上型。原型機1機。
  • A-36ハルコンII:A-36の能力向上改修型。
  • A-36トクィ:A-36へのシーイーグル空対艦ミサイル運用能力付与計画型。

主要諸元(C-101BB)

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  • 全長:12.50m[1]
  • 全幅:10.60m[1]
  • 全高:4.25m[1]
  • 自重:3,500kg[1]
  • 最大離陸重量:4,850kg(練習機型) 5,600kg(攻撃機型)
  • エンジン:ギャレット社製TFE731-3-1J ターボファンエンジン(推力1,678kg) 1基[1]
  • 最高速度:430kt (796km/h)[1] 最大マッハ数 M0.8
  • 巡航速度:330kt (611km/h)
  • 航続距離:フェリー時2,000nm (3,704km)[1]
  • 戦闘行動半径:280nm (519km) 
  • 乗員:2名[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i 『世界の戦闘機・攻撃機カタログ』アリアドネ企画、2002年8月20日、171頁。ISBN 4-384-02915-2 
  2. ^ a b c d 青木, 謙知 (2019-03-31). 戦闘機年鑑2019-2020. イカロス出版. p. 114 
  3. ^ a b La Fuerza Aérea de Chile da de baja sus CASA C-101” (スペイン語). Pucará Defensa. 2024年7月18日閲覧。
  4. ^ Spain to keep flying old C101 Aviojet trainers

関連項目

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