DJGPP
DJGPP環境上で動作するGCC | |
開発元 | DJ Delorie |
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最新版 |
2.05
/ 2015年11月3日[1] |
リポジトリ | |
対応OS | DOSおよび32-bit版Windows |
種別 | コンパイラ |
ライセンス | GNU GPL |
公式サイト |
www |
DJ's GNU Programming Platform (DJGPP)[2]はDOSが動作するIntel 80386以上相当のIBM PC/AT互換機用のソフトウェア開発スイートである。プロジェクトはDJ Delorieにより1989年に立ち上げられた。GNUコンパイラコレクション(GCC)や、Bash、find、tar、ls、GAWK、sed、およびldなどのユーティリティプログラム(多くはGNUプロジェクトのものである)をDOS Protected Mode Interface (DPMI)へ移植したものである。C言語、C++、Objective-C/C++、Ada、Fortran、およびPascalなどに対応している。
概要
[編集]コンパイラは32ビットのプロテクトモードでネイティブに動作し、32ビットのコードを生成する。ただし、OSの機能を利用する際に16ビットのDOS呼び出し命令を使用する。安定のためヌルポインタを保護するためzero-based flat model[訳語疑問点]ではない点でWatcom C/C++コンパイラと異なる。現在[いつ?]はCOFFの派生種を使用する。適切なDPMIホスト(例: CWSDPMI r7やHDPMI32)の下では純粋なDOSから最大4 GBのRAMを利用可能である。
2020年8月[update]、DJGPP 2は主要なコンポーネントとして以下を含む:
現在- GNUコンパイラコレクション 9.3.0 (10.2.0も利用可能)
- Autoconf 2.5.9
- Automake 1.9.4
- Binutils 2.34
- GNU Bash 4.1.17
- GNU Bison 2.4.1, Flex 2.5.4
- GNU Emacs 24.5
- GNU MPC 1.1.0, MPFR 4.1.0
DJGPPを使用して例えばUNIX/LinuxからDOSへクロスコンパイルすることも可能である。DJGPPライブラリとプログラムはともにDOSまたはDOSエミュレータを搭載したマシンへコンパイル・リンク・デプロイすることができる。
互換性
[編集]DJGPPはプログラマに対しANSI CとC99の規格、DOSのAPI、およびより古いPOSIXライクな環境と互換性を持つインターフェイスを提供する。コンパイルされたバイナリは長いファイル名(Long filename、LFN)に対応し、32ビットのWindowsのそのようなファイル名を扱うことができる。しかし、多くのGUIアプリケーションが必要とするWin16およびWin32 APIは利用できない。[3]DOSおよびWindows NT 4でLFN対応のTerminate and Stay Resident (TSR)プログラムが利用可能である。
DJGPPは32ビットのプロテクトモードで動作するが、そのスタブやライブラリは多くの16ビットでのDOSやBIOSへの呼び出しを必要とする。x86-64版のWindowsは16ビットのプログラムをサポートせず[4][5]、NTVDMも存在しないため、DJGPPによるアプリケーションを実行できない。x86-64システムではこれらはエミュレーション(DOSBoxなど)やx86仮想化(VirtualBoxなど)、もしくはそれに類似した方法(LinuxのDOSEMUなど)が必要となる。これはLongモードのx86-64プロセッサが、16ビットの命令を実行するためIA-32プロセッサが利用する仮想86モードをサポートしていないためである。VT-xを利用できるより新しいx86のCPUはページ化されたリアルモードと無制限のゲストモードでの実行をサポートしている。
関連項目
[編集]- FreeDOS
- Cygwin
- EMX (プログラミング環境)
- GnuWin32
- MinGW
- Open Watcom C/C++コンパイラ
- Allegro (ソフトウェアライブラリ)
- Windows Subsystem for Linux
脚注
[編集]- ^ "Announce: DJGPP V2.05 Released". Newsgroup: comp.os.msdos.djgpp. 3 November 2015.
- ^ Eli Zaretskii (Jul 1999). “The DJGPP Project”. 20 Jul 2009閲覧。
- ^ Wall, Kurt; Von Hagen, William (2004). The Definitive Guide to GCC. Apress. pp. 47–48. ISBN 9781590591093 . ""Another popular, though aging, GCC-based development system is DJGPP, D.J.[sic] Delorie's free 32-bit development environment for DOS systems.""
- ^ “Guide: What is DJGPP?”. November 22, 2015閲覧。 “"The target hardware platform for DJGPP programs is a PC platform ... running DOS ... or a DOS-compatible operating system DJGPP programs run under Windows' "dos prompt" boxes."”
- ^ Microsoft (11 Oct 2007). “List of limitations in 64-Bit Windows”. 20 April 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。20 Apr 2010閲覧。 “"16-bit MS-DOS and Microsoft Windows 3.x utilities will not start. If you attempt to start such a program, you receive a "Program.exe is not a valid Win32 application" error message."”