ドンク
ドンク三宮本店 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒658-0081 神戸市東灘区田中町三丁目19番14号[1] |
本店所在地 |
〒650-0021 神戸市中央区三宮町二丁目10番19号 [1] |
設立 |
1951年2月28日設立[1] (1905年8月8日創業[1][2]) |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 4140001009659 |
事業内容 |
パン・フランス菓子の製造販売[1] 喫茶室・レストランの営業[1] |
代表者 | 中土 忠(代表取締役社長)[1] |
資本金 | 2億1,053万円[1] |
売上高 | 337億円(連結) |
純利益 |
15億1500万円 (2024年2月期)[3] |
総資産 |
330億5500万円 (2024年2月期)[3] |
従業員数 | 887名(2021年2月28日現在)[1] |
支店舗数 | 176 |
決算期 | 2月末日 |
関係する人物 |
レイモン・カルベル[2] フィリップ・ビゴ[2] |
外部リンク | https://www.donq.co.jp/ |
株式会社ドンク(英文社名:DONQ Co.,LTD.)は、兵庫県神戸市東灘区に本社を置く日本の製パン企業である。「ドンク」は同社が展開するベーカリーの店舗ブランドである。パンのほかに洋菓子の製造と販売も手掛ける[1]。
1905年(明治38年)に神戸市兵庫区で創業[1][2]し、本店を神戸市中央区三宮町に置く[1]。
概要
[編集]製パンで各店舗で粉から生地を仕込み、成形して焼き上げるまでの全工程を一貫して行う方式を「スクラッチ方式」と称する。ドンクは「スクラッチベーカリー」であることを特徴とする[4]。日本の多くのベーカリーチェーンはパンメーカーが予め製造した冷凍パン生地を使用する「ベークオフ方式」を採用している。
店名は創業者の性格が猪突猛進するドン・キホーテ (Don Quixote) に似ていたことによる。[5]
沿革
[編集]- 1905年(明治38年)8月8日 - 創業者の藤井元治郎が、神戸市兵庫区柳原[2]のJR兵庫駅近傍の御旅筋商店街で、長崎から職人を招聘してドンク前身の「藤井パン」を開店し、三菱重工業神戸造船所で働く外国人技術者や工員にパンを販売して成功する。
- 1919年(大正8年) - 藤井元治郎が44歳で他界し、息子の藤井全蔵が2代目として藤井パンを継承する。[要出典]
- 1923年(大正12年)- 藤井パン2号店を、神戸市兵庫区湊川トンネル西口角[2]で開店する。
- 1947年(昭和22年)4月 - 藤井幸男[注釈 1]が3代目として事業を継承し、三宮町柳筋4丁目へ店舗を移転[2]する。この際に店名を「ドンク」とする[2]。
- 1949年(昭和24年)- 帝国ホテルの製菓チーフを務めた井上松蔵が製菓部門初代職長に就任する[2]。
- 1951年(昭和26年)
- 1954年(昭和29年) - レイモン・カルベルが初来日して神戸で国際パン技術講習会を開催[2]し、日本に初めて本格的なバゲット、クロワッサン、ブリオッシュなどを紹介する[2]。カルベルのパンに感動した藤井幸男は試作を繰り返す。
- 1964年(昭和39年) - カルベルが来日し、ドンクに可能性を見て弟子のフィリップ・ビゴを日本に招聘する。
- 1965年(昭和40年)4月 - ドンクが東京国際見本市でフランスパンの製造を担当し、フィリップ・ビゴが実演者として来日する。見本市で使用したフランス製機材をドンクが引き取り、三宮町2丁目にフランスパン専門工場を建設するとビゴはドンクに入社して技術指導[2]し、のちに芦屋でビゴの店を設立する。
- 1966年(昭和41年)8月 - 東京1号店として東京都港区に青山店を出店[2]する。周辺地域に在住する欧米人らの需要も高く、店外から職人の仕事が見える店舗設計もありフランスパンが人気を得る。
- 1970年(昭和45年)
- 1983年(昭和58年)5月 - 「ジョアン」ブランド第1号店、東京都中央区に銀座ジョアン店を開店[2]する。
- 1985年(昭和60年)
- 1991年(平成3年)- 台湾第1号店、台湾新光三越南京西路店を開店[2]する。
- 1995年(平成7年)1月17日 - 阪神・淡路大震災により被災し、本社屋が全壊する[2]。
- 1996年(平成8年)5月 - 本社屋を再建[2]する。
- 1998年(平成10年)10月10日 - 神戸市東灘区に岡本グルメ館を開店する。
- 2001年(平成13年)
- 2月 - 『フランスパン・世界のパン 本格製パン技術―ドンクが教える本格派フランスパンと世界のパン作り』を出版[2](旭屋出版、ISBN 978-4751102503)する。
- 2月28日 - 法人設立50周年を迎える[2]。
- 2005年(平成17年)8月8日 - 創業100周年を迎える[2]。
- 2010年(平成22年)3月 - 六甲アイランド工場でISO 9001認証を取得[2]する。
- 2012年(平成24年)8月31日 - 東京1号店の青山店を閉店[6]する。
- 2015年(平成27年)2月28日 - 県民百貨店閉店に伴い出店していたドンクの店舗を閉店[7]する。
主要店舗
[編集]ドンクブランド
[編集]- 直営店
- 過去の店舗
ドンク以外のブランド
[編集]- Sanremo(サンレモ)- 主にイタリア発酵菓子のブランド。
- L'ami du Blé(ラミ・デュ・ブレ)- オリーブ・オイル、スープなどを販売するブランド。
- Mini One(ミニワン)- クロワッサンの計量販売。
- 松蔵ポテト - スイートポテトの製造販売。
- Johan(ジョアン)- パンの製造販売。
- Marie-Catherine(マリー・カトリーヌ)- パンの製造販売。
- Dominique Geulin(ドミニック・ジュラン)- パンの製造販売。
- MOISAN(モワザン)- パンの製造販売。
- JARDIN de F(ジャルダン・ド・フランス)- パンの製造販売。
- Art de Pain(アール・ドゥ・パン)- パンの製造販売。
- D donut(ディードーナツ)
小田急グループとの業務提携
[編集]株式会社ドンクは2021年12月21日、首都圏で「HOKUO」ブランドのベーカリーを運営する株式会社北欧トーキョー(小田急グループ)の親会社である小田急電鉄と業務提携に関する基本協定書を締結。2022年2月28日に北欧トーキョーの全店舗は営業を終了し、3月15日に小田急線沿線の10店舗をドンクへ譲渡して3月下旬からドンクの店舗として営業を開始する[8][9][10]。
2022年2月現在、ドンクも小田急グループのショッピングセンター内の新百合ヶ丘エルミロード店をはじめ、西武池袋店、立川ルミネ店、そごう横浜店、西武東戸塚店、川崎ラゾーナ店、ららぽーと海老名店、大船アトレ店など、北欧トーキョーの店舗と隣接する地域に出店している[11]。
不祥事
[編集]2013年12月、東京工場でパート従業員3人に対し最長で月139時間の時間外労働を行わせた上、残業代の支払いを一部にとどめていたことが明らかとなり、亀戸労働基準監督署は、ドンクおよび東京工場の元工場長を労働基準法違反の容疑で2015年3月に書類送検した[12]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l 会社概要 株式会社ドンク
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z ドンクのあゆみ 株式会社ドンク
- ^ a b 株式会社ドンク 第73期決算公告
- ^ ドンクについて - 私たちはスクラッチベーカリーです 株式会社ドンク
- ^ https://donq.co.jp/company/history/ 「夢と現実を混同して、やせ馬にまたがり、突進を繰り返すスペインの小説の主人公ドン・キホーテと、大きな夢を抱き、ややもすると猪突猛進しがちな藤井幸男の気質を重ね合わせ、また、これから新しいお店に来てくださるたくさんのお客様を不特定多数の「Q」と考えた二人は、「DONQ」を店名とし、読み方も、「ドン・キュー」では間延びした感じがすると、「ドンク」に決定しました。こうして、この頃としてはめずらしい響きの名前「ドンク」が誕生したのです。」
- ^ 【ドンク青山店閉店のごあいさつ】明日8月31日(金)、ドンク青山店が閉店いたします。 株式会社ドンク 公式Facebook、2012年8月30日、2022年3月18日閲覧。
- ^ オリジナルパンのコンテスト 今月末閉店、熊本・県民百貨店の「ドンク」1位 産経新聞、2015年2月26日、2022年3月18日閲覧。
- ^ (株)北欧トーキョーにおける(株)ドンクへの一部事業譲渡、小田急電鉄(株)と(株)ドンクの業務提携に関するお知らせ 小田急電鉄、2021年12月21日、2021年12月22日閲覧。
- ^ 事業譲渡ならびに今後の店舗営業について HOKUO、北欧トーキョー、2021年12月23日、2022年2月18日閲覧。
- ^ “「HOKUO」首都圏の全店舗、2月末に閉店…「ドンク」が一部店舗引き継ぎ”. 読売新聞 (2021年12月21日). 2021年12月22日閲覧。
- ^ ドンクのお店 関東 株式会社ドンク、2022年2月18日閲覧。
- ^ サンドイッチ工場でパートに時間外労働月139時間、残業代未払い 「ドンク」を書類送検 産経新聞、2015年3月26日