e-ビジネス
e-ビジネス(いーびじねす、英: e-business)は、インターネットの技術を企業の業務処理全般に活用したコンピュータの利用形態のこと。
用語・表記
[編集]e-ビジネスのeは、e-mail(電子メール)、e-money(電子マネー)など同様に、電子(エレクトロニック、electronic)を表す。IBMは「e-ビジネス」または「e-business」、オラクルは「E-Business」[1]と表記した。
IBMはe-businessの公式ロゴでインターネットを連想させるよう、先頭の「e」をアットマーク(@)と似た文字を使用し、この文字は「e-businessロゴ」、「e-ロゴ」、「サークルe」、「e-in-a-circle」 などと呼ばれた[2]。またサーバーのブランド名も eServer に統一され、先頭の「e」は同様の字体となった[3]が、専用フォントが使用できない環境では「IBM e(e-businessロゴ)server」などの表記も併用された[4]。
概要
[編集]e-ビジネス(e-business)は、1997年にIBM会長のルイス・ガースナーによる提唱で広まった用語であり、考え方、更にはキャンペーン用語である[5]。
従来から提唱していたネットワーク・コンピューティングを更に発展させたものとして、インターネットの技術を、基幹業務を含めた企業の業務処理全般に適用したもので、企業のインターネット利用段階としては以下の3段階目に相当するとされる。
- まず、インターネット用のサイトを立ち上げてユーザー向けのコンテンツ作成競争をする(e-mailやWebなど情報発信中心)
- 次に、消費者との間や企業間で電子商取引をする(B2C、B2Bなど外部との双方向のe-Commerce)
- 更には、各企業の基幹業務もインターネット技術を導入してプロセスの再構築が行われる(e-businessの段階)
- 最終的には、経済界・政府・教育などを含めた社会全体の変革が行われる(e-society、e-community、e-government)
e-ビジネス(e-business)は、単なる電子商取引ではないとされる。電子商取引も含むが、従来からの企業内・企業間の基幹業務自体のプロセスも見直し、再構築(ビジネスプロセス・リエンジニアリング、BPR)し、変化への対応を迅速化し、効率を高める事(改善という部分最適ではなく、関連会社を巻き込んだ全体最適)が求められる。
背景として、インターネット自体の発展だけでなく、インターネット技術の企業内への適用であるイントラネット、更に企業間への適用であるエクストラネット、またグループウェア、ポータルサイト、検索エンジン、Java、Webサービス、携帯情報端末などの普及が挙げられる。
また、e-ビジネスを実現するためのシステム基盤(インフラ)として、アクセス数・データ量などの変動を吸収できるオートノミックコンピューティング、ユーティリティコンピューティングや仮想化、更にはコンサルティングを含め、コンピュータ・システム以外の再構築(コールセンターの集約化、業務や組織自体の企業間連携やアウトソーシングを含む統廃合など)が提案された。
2010年、IBMはクラウドコンピューティングを「ポストe-business」と言えると述べた。
脚注
[編集]関連項目
[編集]- オンライン・ツー・オフライン
- 電子データ交換(Electronic Data Interchange)
- 電子入札
- オンラインモール検索エンジン最適化(SEO:Search Engine Optimization)
- ロングテール
- エスクローサービス
外部リンク
[編集]- Gerstner Lou, 「IBMガースナー会長が語る次世代e-business」『コンピュ-トピア』 35(414), 62-69, 2001-03