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E.D.F.

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
E.D.F.
ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 ジャレコ
発売元 ジャレコ
プロデューサー 荒井正広[1]
音楽 多和田吏
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
(基板販売のみ[2][注 1]
発売日 日本 1991年3月[5]
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE(6歳以上)
ヨーロッパ PEGI7
コンテンツアイコン アメリカ合衆国 Mild Fantasy Violence
ヨーロッパ Violence
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU MC68000(@12MHz)
サウンド MC68000(@7MHz)
YM2151(@3.5MHz)
OKI6295(@4MHz)×2
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
256×224ピクセル
60.00Hz
パレット1024色
テンプレートを表示

E.D.F.』(イーディーエフ)は、1991年3月にジャレコが発売した業務用ビデオゲーム[5]。謎の組織「アギーマ帝国」から地球を防衛するために戦う横スクロールシューティングゲームである[5]

タイトルの「E.D.F.」は「EARTH DEFENSE FORCE」(地球防衛軍)の略称である[5]

1991年スーパーファミコンへの移植版として『スーパーE.D.F.』が発売された。スーパーファミコン版は2011年Wii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて、2015年Wii U用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信されたほか、2019年に配信されたNintendo Switchのオンラインサービスの特典ソフト『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』にも収録されている。

アーケード版の移植については、2011年にiOS版が、2020年にNintendo Switch版とPlayStation 4版がアーケードアーカイブスの1作品として発売された。

概要

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自機「XA-1」を操作し[6]、謎の組織「アギーマ帝国[注 2]」による地球壊滅計画を阻止するのを目的とする横スクロールシューティングゲーム[5]

1レバー+2ボタンで自機「XA-1」を操作。全6ステージ。基本的にはベーシックな横スクロールシューティングで、シューティングゲームとしては珍しく残機の概念が無く、ライフ制を採用している。また、得点を稼ぐ事で経験値が溜まり、それにより自機がレベルアップする。レベルアップすると自機の攻撃が強くなったり、ライフであるシールドが強化されたりする。

ゲーム内容

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武器

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後述するオプションから発射される。使用する武器は、各ステージ開始前の武器選択画面で選択する。なお、自機とオプションが接続されていない状態では、選択した武器に加えて自機本体から低威力の通常弾が発射される。通常のシューティングゲームの様なアイテムは存在せず、経験値獲得によって武器のレベルは最大で5まで上昇する。なお、レベル5到達後にさらに経験値を稼ぐと、シールドが強化されていく。

  • バルカン
広範囲に弾を発射するバルカン砲。発射速度が速く、一度に多数の敵を攻撃可能。一発あたりの威力は低い。
  • レーザー
小型の敵を貫通するレーザー兵器。発射速度や威力などは平均以下であり、使用しにくい。
  • アトミック
前方に弾を発射し、威力の高い大きな爆発と共に小さな弾を消滅させる、一般的なシューティングゲームでのボムに近い武装。
  • ホーミング
敵を追尾する弾を発射する。連射速度、個々の威力が共に低い。『スーパー』では速度の問題が解消された。
  • エクスプロード
『スーパー』で追加された武器。敵などに当たると炸裂する弾を発射する。一発一発の威力は低いが、本体と拡散物を同時に命中させると高い威力を持つようになる。
  • S・レーザー
『スーパー』で追加された武器。敵追尾能力を持ったレーザー兵器。威力も高く、かなり使いやすい武装である。
  • フォトン
『スーパー』で追加された武器。エネルギーチャージの後、強力なショットを放つ。チャージ中の電撃にも当たり判定が存在する。
  • グレネード
『スーパー』で追加された武器。爆発する弾を発射する。威力が高いが射程が短い。

オプション

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自機に2機が随伴する補助兵装。各種攻撃はオプションから発射される。自機から分離した状態でも攻撃は行えるが、武器の威力が低下する。また、小型弾なら消すことも可能。オプションには複数のフォーメーションがあり、経験値のレベルが上がるごとに使用可能なフォーメーションが増えていく。フォーメーションはプレイ中に制限無く切り替えられる。

  • ユニオン
最初から使用可能なフォーメーション。オプションは自機に接続された状態であり、武器の威力が高い状態を維持できる。
  • ローリング
最初から使用可能なフォーメーション。オプションが自機の周りを周回する。武器の威力は低下するが、通常弾が発射される様になるので、より多くの攻撃を繰り出せる。
  • シャドー
レベル3から使用可能なフォーメーション。オプションがグラディウスシリーズの「オプション」の様に、自機の動きをトレースする。
  • ホーミング
レベル5から使用可能なフォーメーション。オプションが敵機を自動追尾して攻撃する。敵がいない場合は自機の後方で待機している。

その他

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全面クリア後のスタッフロール前に表示されるメッセージで誤字がある。5行目にAZYMA EMPIRE'Sと表記されている。正しくはAGIMA EMPIRE'Sである。

ストーリー

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西暦20**年、世界は国家や人種の壁を越え、地球統合の実現を目前に控えていた。統合条約締結の為、ワシントンD.C.にて最終会合を開いていた各国の首脳陣に対し、「アギーマ帝国」を名乗る謎の組織から、一つの声明文が届けられる。その声明には「24時間後に全世界の原子力発電所に衛星軌道上からビーム攻撃を実行する」という地球壊滅計画が予告されていた。これを受け、会合の目的は条約締結から、アギーマ帝国を迎え撃つための対策本部へと移り変わる。

時を同じくとして、地球統合準備部隊の手によって、統合後の主力戦闘兵器となる特殊機動戦闘機XA-1の開発が完了。オービットブースターを使用する事によって、単独での大気圏離脱をも可能であり、各種武装の他、最新鋭の非接触型攻撃オプションを装備したXA-1の戦闘力に着目した対策本部は、地球防衛軍(EARTH DEFENSE FORCE)としてXA-1の出動を要請した。XA-1の出撃準備が急がれる中、衛星からの攻撃に先立ち、アギーマ帝国の飛行型機動兵器による攻撃が開始される…。

移植版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 スーパーE.D.F. 日本 199110251991年10月25日
アメリカ合衆国 1992011992年1月
ヨーロッパ 1992年
スーパーファミコン ジャレコ ジャレコ 8メガビットロムカセット[8] 日本 SHVC-ED
アメリカ合衆国 SNS-ED-USA
ヨーロッパ SNSP-ED-EUR
2 スーパーE.D.F. ヨーロッパ 201010292010年10月29日
日本 2011年1月11日[9][10][11]
アメリカ合衆国 201107142011年7月14日
Wii ジャレコ ジャレコ ダウンロード
バーチャルコンソール
- スーパーファミコン版の移植
3 E.D.F. INT 201101142011年1月14日
iPhone
iOS
DotEmu DotEmu ダウンロード -
4 スーパーE.D.F. アメリカ合衆国 201505222015年5月22日
日本 201508262015年8月26日
Wii U ジャレコ ハムスター ダウンロード
(バーチャルコンソール)
- スーパーファミコン版の移植
5 16ビットコレクション
ジャレコ Vol.1
日本 201709302017年9月30日
レトロデュオ英語版
SFC互換機
ジャレコ JNNEX ロムカセット - スーパーファミコン版の移植
6 スーパーファミコン
Nintendo Switch Online
アメリカ合衆国 201909062019年9月6日
日本 201909062019年9月6日
Nintendo Switch 任天堂 任天堂 ダウンロード - スーパーファミコン版の移植
7 E.D.F. 日本 2020年9月17日[12][13][14]
PlayStation 4
Nintendo Switch
ジャレコ ハムスター ダウンロード
(アーケードアーカイブス)
- アーケード版の移植

音楽

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このゲームの作曲は多和田吏が担当しており、多和田のジャレコ在籍時代の最後の作品となっている[15]。また、『スーパー〜』のオリジナル曲、及び移植に際してのAC版の曲の編曲は高芝泰彦が担当している。

スタッフ

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アーケード版
  • プロデュース:あらいゆき
  • プログラマー:S A S、AZVEAR-S
  • メイン・グラフィック:WAN DA YOU、CA-SAI、NEKOMASA
  • サブ・グラフィック:CRAYON GEAR、SHIMIZU
  • 音楽:多和田吏
スーパーファミコン版
  • ディレクター:あらいゆき、S.Ō.H.
  • プログラマー:PAPA.SEKIYA(せきやひとし)、DRAGONS V SHIRATO(しらとまなぶ)、PANIC YUMA♥、OH! HARA(大原健志)
  • グラフィック:CATTY.N♥兄、BG.TADAHIKO(渡辺忠彦)
  • サウンド:高芝"ZEP"泰彦
  • スペシャル・サンクス:KAZAANA(風穴尚紀)、MYAU-KUN、AZVEAR-S with SMDE

評価

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評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム3/5stars (SFC)[16]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー25/40点 (SFC)[17]
ファミ通22/40点(SFC)[18]
NintendoLife6/10stars (Wii)[19]
ファミリーコンピュータMagazine22.12/30点 (SFC)[8]
(総合73位)
ACE850/1000点 (SFC)[17]
Aktueller Software Markt8/12点 (SFC)[17]

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計22点(満40点)[18][出典無効]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.12点(満30点)となっている[8]。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で73位(323本中、1993年時点)となっている[8]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.62 3.93 3.77 3.76 3.45 3.60 22.12

関連作品

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  • P-47II FREEDOM STAR - 1990年ごろにジャレコが『P-47』を元に開発していた未発売のメガドライブ用ソフト[20][注 3]。企画は本作と同じ荒井正広で、本作の業務用版と並行して開発された[21]。なお、『P-47 II』の開発チームはその後、本作のSFC移植版である『スーパーE.D.F.』を開発している[21]

脚注

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注釈

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  1. ^ 1990年10月に開催された第28回「AMショー」で、本作はジャレコのシステム基板メガシステム1」用ソフトとして展示されていたが[3][4]、最終的に基板販売のみで発売された[2]
  2. ^ 1990年10月に開催された第28回「AMショー」で展示されていたときの敵の組織の名称は「ネオ・ナチス」であった[7]
  3. ^ 2025年にシティコネクションによって商品化[20]

出典

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  1. ^ 馬波レイ (2017年9月11日). “『ゲーム天国 CruisinMix』メイン開発スタッフインタビューをたっぷりとお届け 当時の裏話をとことん訊いてみた!【第二部】”. ファミ通.com. Gzbrain. 2018年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ2024年12月9日閲覧。
  2. ^ a b 話題のマシン 総目録 (第397号〜第400号)」『ゲームマシン』第402号、アミューズメント通信社、1991年5月1日、24-25面。オリジナルの2020年1月31日時点におけるアーカイブ。2024年12月9日閲覧。
  3. ^ ジャレコ (28th Amusement Machine Show 出展内容50音順)」『ゲームマシン』第390号、アミューズメント通信社、1990年10月15日、12面。オリジナルの2020年1月31日時点におけるアーカイブ。2024年12月9日閲覧。
  4. ^ 「(株)ジャレコ (第28回アミューズメントマシンショー開幕 各社の出展機種情報)」『アミューズメント産業』1990年10月号、アミューズメント産業出版、1990年9月26日、90頁、doi:10.11501/2874203 
  5. ^ a b c d e ジャレコのTV空中戦「EDF」 特殊装備を選択 「シスコヒート」ポニータイプ、UPL製なども」『ゲームマシン』第399号、アミューズメント通信社、1991年3月15日、21面。オリジナルの2020年1月31日時点におけるアーカイブ。2024年12月9日閲覧。
  6. ^ シティコネクション(編)「E.D.F.」『ジャレコ・アーカイブズ』、実業之日本社、2016年12月1日、91頁、ISBN 9784408112039 
  7. ^ 「E・D・F (株)ジャレコ (第28回アミューズメントマシンショー開幕 出展各社の主力商品)」『アミューズメント産業』1990年11月号、アミューズメント産業出版、1990年10月26日、94頁、doi:10.11501/2874204 
  8. ^ a b c d 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、52頁。 
  9. ^ 『SUPER E.D.F. EARTH DEFENSE FORCE』がバーチャルコンソールで配信――ジャレコのシューティングゲーム” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2011年1月11日). 2019年5月15日閲覧。
  10. ^ ジャレコのSTG「SUPER E.D.F.」,バーチャルコンソールで本日配信” (日本語). 4Gamer.net. Aetas (2011年1月11日). 2019年5月15日閲覧。
  11. ^ D (2011年1月11日). “名作横スクロールSTG『SUPER E.D.F. EARTH DEFENSE FORCE』バーチャルコンソールで配信開始”. iNSIDE. イード. 2019年5月15日閲覧。
  12. ^ 『アケアカ E.D.F.』Switch、PS4向けに9月17日配信決定。特殊戦闘機を操縦し地球壊滅を防ぐシューティングゲーム”. ファミ通.com. KADOKAWA (2020年9月16日). 2020年9月17日閲覧。
  13. ^ 桜梅桃李 (2020年9月16日). “PS4/Switch用「アーケードアーカイブス E.D.F.」9月17日配信 特殊機動戦闘機を使いこなして、敵の地球壊滅計画を阻止せよ!” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2020年9月17日閲覧。
  14. ^ Gueed (2020年9月16日). “1991年にジャレコがリリースしたSTG「E.D.F.」がPS4とSwitchのアーケードアーカイブスで9月17日に登場”. 4Gamer.net. Aetas. 2020年9月17日閲覧。
  15. ^ 有田シュン、吉田明広、プログラマーA君、衛藤浩二、多和田吏、森谷忠明「元 ジャレコ開発者シューティング座談会」『シューティングゲームサイド』第8号、マイクロマガジン社、2013年9月27日、46-49頁、ISBN 9784896374391 
  16. ^ Weiss, Brett Alan. “allgame(((Super Earth Defense Force > Overview)))”. Allgame. 2012年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月28日閲覧。
  17. ^ a b c Earth Defense Force for SNES (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年9月10日閲覧。
  18. ^ a b スーパーE.D.F. まとめ [スーパーファミコン”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年9月10日閲覧。
  19. ^ Earth Defense Force for Wii (2010)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年9月10日閲覧。
  20. ^ a b 簗島 (2024年12月3日). “幻のMD用STGが35年の時を経て復活。MD/MD互換機用ソフト「P-47II MD」,2025年3月13日に発売。予約受付開始”. 4Gamer.net. Aetas, Inc.. 2024年12月9日閲覧。
  21. ^ a b イケダミノロック、吉川延宏、荒井正広、ちゃんたけ『シティコネクション presents『P-47Ⅱ MD』情報解禁 SPゲーセンミカドシティコネクション、2024年12月1日、該当時間: 10:42-14:18https://www.youtube.com/live/K_toKSam_ZY?t=6422024年12月9日閲覧 

外部リンク

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