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グランプリ・ワールド・チャンピオンシップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
GPWCから転送)
Grand Prix World Championship
略称 GPWC
後継 GPMA
設立 2001年
解散 2005年
会長 パオロ・カンタレラ(初代)
ルカ・ディ・モンテゼモーロ(2代目)
ユルゲン・フバート(3代目)
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グランプリ・ワールド・チャンピオンシップ (Grand Prix World Championship, GPWC) は、2001年から2005年まで存在したモータースポーツ関連団体。F1に参戦する大手自動車メーカー5社によって結成され、F1世界選手権に対抗する新シリーズ設立を目指して活動した。

創設メンバー

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沿革

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F1のテレビ放映権料や開催権料といった興行収益は、国際自動車連盟 (FIA) との契約により、バーニー・エクレストンが設立した「SLEC」のグループ企業によって管理されている(2001年から100年間のリース契約)。

2000年5月、ドイツの放送会社EM.TV (en) がSLECの株式50%を取得。2001年3月には、経営難のEM.TVが同じドイツのキルヒ・グループ (en) によって買収され、キルヒはSLECの株式75%を取得した。これらのメディア企業がF1中継の有料放送(ペイ・パー・ビュー)化を示唆したことに対し、F1に参戦する自動車メーカーは視聴者数の減少(広告効果の低下)を招くとして反発した。

2001年4月、フィアットグループ会長のパオロ・カンタレラが音頭をとり、欧州自動車工業会 (ACEA) に加盟する自動車メーカー5社によりGPWCが発足した[1]。GPWCは1997年発効の現行コンコルド協定が期限切れとなる2008年より、独自の世界選手権を設立すると発表[2]。投資銀行ゴールドマン・サックスと提携し、新シリーズの実現可能性調査を委託した。

ただし、北米のインディカーがCARTIRLに分裂してファン離れを招いた事例もあるため、GPWCは新シリーズ構想を最後の切り札として残しつつ、メーカー側の発言権を強化するための交渉を続けた。

キルヒはF1やサッカー・ワールドカップの放映権を獲得するための過剰投資がたたり、2002年4月に経営破綻した。その結果、キルヒの債権を持つ投資銀行団(バイエルンLBJPモルガンリーマン・ブラザーズ)によってSLECの株式が管理される事態となる。GPWCは銀行団と接触したが[3]、買収交渉は不成立に終わった。2003年12月にはSLECとGPWCが今後のF1運営に関して合意したと発表したが、2004年4月にGPWC側が合意案を破棄した[4]

また、FIAのマックス・モズレー会長(当時)はコスト削減と競争力の均等化を名目として、2003年以降エンジンの使用寿命を段階的に延長し、タイヤセット数を制限するなどの新レギュレーションを導入した[5][6]。GPWCはこれらの規制案を巡ってFIAとも対立することになる。

2004年9月にフォード(ジャガー)が当シーズンを最後にF1から撤退すると発表し、GPWC加盟メーカーは4社に減った。GPWCはゴールドマン・サックスとの関係を解消し、2004年10月にインターナショナル・スポーツ・アンド・エンターテインメント (iSe) [7]をパートナーとして、各国のプロモーターやテレビ局との個別交渉に入った。

2005年1月、フェラーリがコンコルド協定の延長に同意して、2008年から2012年までF1世界選手権に参戦すると表明[8]。親会社のフィアットもGPWCから離脱し、政争はメーカー側の敗北に終わったかに見えた。しかし、GPWCに残った3社(BMW、ダイムラー・クライスラー、ルノー)に、それまで政治から距離を置いていた日系2メーカー(ホンダトヨタ)が合流。新団体としてグランプリ・マニュファクチャラーズ・アソシエーション (GPMA) を設立し、新シリーズ構想を継続することになる。

脚注

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  1. ^ "F1が分裂? メーカーが決起してエクレストンに反旗". レスポンス.(2001年4月5日)2013年2月17日閲覧。
  2. ^ "【F1分裂騒動…Part 6】広告媒体とTV……解決へ?". レスポンス.(2001年6月27日)2013年1月17日閲覧。
  3. ^ "旧来通りのF1開催に進展か? ---銀行とメーカーが交渉のテーブルに". レスポンス.(2002年4月17日)2013年2月17日閲覧。
  4. ^ "F1分裂の危機、再び!?". web CG.(2004年4月27日)2013年2月17日閲覧。
  5. ^ "FIAが経費削減へのF1改革案を発表". レスポンス.(2003年1月17日)2013年2月17日閲覧。
  6. ^ "モズレー「新ルールはF1に活力を与える」". レスポンス.(2004年11月2日)2013年2月17日閲覧。
  7. ^ 日本の電通とフランスのピュブリシス・グループが2003年3月に共同設立したスポーツマーケティング企業。
  8. ^ "フェラーリがコンコルド協定延長にサイン". レスポンス.(2005年1月21日)2013年2月17日閲覧。

関連項目

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