Samsung Galaxy Z Flip
Galaxy Z Flipは、Samsung Electronicsが設計、製造、開発、発表、発売した折りたたみ式スマートフォンである[1]。その存在は2020年2月9日に開催された第92回アカデミー賞の広告で初めて正式に明らかにされ、2020年2月11日(現地時間)にアメリカ・サンフランシスコで開催された「Galaxy UNPACKED 2020」にて、Galaxy S20|S20+|S20 Ultraなどとともに正式発表された[2][3][4][5]。グローバル発売は2020年2月14日[6]。Galaxy Z Flip 5Gは2020年8月5日に開催されたGalaxy UNPACKEDの14日前である2020年7月22日(日本時間)にGalaxy Z Flipの5Gに対応したバージョンとして発表された。
Galaxy Z Flip | |
コードネーム | Bloom |
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ブランド | Galaxy |
製造者 | Samsung Electronics |
キャッチコピー |
Unveilingムービー: 〈グローバル〉 Break all the rules — starting with physics 〈アメリカ〉 Rewrite all the rules—starting with physics 〈日本〉 全てのルールを覆す、まずはカタチから [注 1] |
シリーズ | Galaxy Z |
モデル | SM-F700x (最終的なモデルナンバーは、国とキャリアによって異なる) |
販売開始日 |
グローバル: 2020年2月14日 日本(Galaxy Z Flip、au): 2020年2月28日 日本(Galaxy Z Flip Thom Browne Edition): 2020年5月15日 *グローバル発売日に発売するのは一部の国と地域のみ。発売日は国と地域、携帯電話キャリアによって異なる。 |
関連機種 |
Galaxy S20|S20+|S20 Ultra Galaxy Fold Samsung Galaxy Flip 5 |
形状 | 折りたたみスマートフォン |
サイズ |
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重量 | 183 g (6.5 oz) |
OS | Android 10、One UI 2.1 |
SoC |
Z Flip: Qualcomm Snapdragon 855+ Z Flip 5G: Qualcomm Snapdragon 865+ |
CPU | オクタコア (1x2.95 GHz, 3x2.41 GHz and 4x1.78 GHz) Kryo 485 |
GPU | Adreno 640 |
メインメモリ | 8 GB LPDDR4X |
ストレージ | 256 GB UFS 3.0 |
メモリーカード | 非対応 |
バッテリー | 3300 mAh |
入力方式 |
センサー: |
ディスプレイ |
Dynamic AMOLED, HDR10+
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背面カメラ |
12 MP、f/1.8、27mm、1/2.55"、1.4µm (広角) 12 MP、f/2.2、12mm、1.12µm (超広角) デュアルピクセルPDAF、OIS、LEDフラッシュ、HDR10+、パノラマ、4K画質30/60fps、1080p画質60/240fps、720p画質960fps |
前面カメラ | 10 MP, f値2.4, 26mm, 1.22µm, PDAF, HDR, 4K画質30fps |
サウンド | Dolby Atmos対応モノラルスピーカー |
接続 |
Bluetooth 5.0 Wi-Fi b/g/n/ac/ax 2G/3G/4G/4G LTE |
その他 |
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補聴器との両立 | M3/T3 |
ウェブサイト | Galaxy Z Flip - Galaxy Mobile Japan |
仕様
[編集]ハードウェア
[編集]ディスプレイ
[編集]開いたときに使用するメインディスプレイと閉じている状態で使用するサブディスプレイがある。メインディスプレイは、6.7インチでHDR10+に対応した有機EL「Dynamic AMOLED」、サブディスプレイは1.1インチの有機EL「Super AMOLED」。メインディスプレイは、パンチホールカメラを画面上部中央に配置した「Infinity-O Display」となっている。また、メインディスプレイには折りたたみスマートフォンとしては初めてガラスが使われている[7][8][9]。折れ曲がるガラスには、極薄の「Ultra Thin Glass」(UTG)を採用。直接手が触れる面にはプラスチック保護層があり、その下にUTGが配置されている[10][11]。
チップセット
[編集]チップセットは、Qualcomm Snapdragon 855+。(Galaxy Z Flip 5Gは、Qualcomm Snapdragon 865+。)今回Exynos搭載モデルは発表されていない。
メモリとストレージ
[編集]8GBのRAM、256GBのROMを搭載。microSDカードには非対応。
バッテリーと充電・給電
[編集]3300mAhのデュアルバッテリーを搭載する。ケーブル充電とワイヤレス充電の両方でFast Chargingに対応する。また、ワイヤレス充電対応のスマートフォン、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンに給電を行える「ワイヤレスパワーシェア」機能も搭載している。
カメラ
[編集]リアカメラは超広角と広角のデュアル構成。超広角カメラは約123°の視野角での撮影が可能。また、4K UHD、HDR10+の動画撮影、スーパー手ブレ補正、写真/動画の背景ぼかし(ライブフォーカス)、ナイトモードに対応する。Flexモードでは、折り曲げ角度をつけテーブルなどに置いて、写真撮影することが可能[12]。セルフィーやナイトハイパーラプスを撮影する際に机などに置くとブレが少なくなるほか、UIも自動で変更される。
デザイン
[編集]デザインテーマは、「A Brand New Vide」[13][14]。デザインは、化粧品メーカーのランコムとの共同開発[15]。ディスプレイ面は、フレームを削ぎ落とした「Infinity-O Display」となっている。指紋認証センサーは側面に配置されている。カラーはミラーパープル、ミラーブラック、ミラーゴールド。「ミラー」の名称の通り、鏡面仕上げとなっている。また、ニューヨークのファッションデザイナーのThom Browneとのコラボレーションモデル「Galaxy Z Flip Thom Browne Edition」も発売する[16]。新たな機構のヒンジ「Hideaway Hinge」は、ホコリやチリなどへの対策を一層強化している[17]。なお、カラーについては#カラーバリエーションも参照。
音響
[編集]Dolby Atmosに対応したモノラルスピーカーを搭載する。3.5mmイヤホンジャックは搭載されていない。
セキュリティ
[編集]指紋認証と顔認証に対応する。また、端末はKnoxシステムによって保護される。
ソフトウェア
[編集]Android 10、One UI 2を搭載する。Googleとのパートナーシップによって、折りたたみスマートフォンとしての展開時ユーザーインターフェイス(UI)は最適化されている。その他、GoogleとのパートナーシップによってGoogle Duoで角度をつけて机などに置いて通話する機能や折りたたんだ状態でYouTubeの視聴がしやすくなるなどの機能が利用できる。
カラーバリエーション
[編集]- グローバルカラー
グローバル発表時に発表された、全世界市場向けカラー。 - 販売国限定カラー
グローバル発表時に発表された、一部の国と地域向けカラー。 - グローバル追加カラー
多くの市場向けに、追加で発表されたカラー。 - 地域限定追加カラー
一部の国と地域向けに追加が発表されたカラー。
カラー | カラー名 | 販売状況 | 販売地域 | 日本発売 |
ミラーパープル | グローバルカラー | 全世界 | ○ au | |
ミラーブラック | グローバルカラー | 全世界 | ○ au | |
ミラーゴールド | 販売国限定カラー | 一部国と地域 | ☓ |
カラー | カラー名 | 販売状況 | 販売地域 | 日本発売 | ||||
- | 販売国限定カラー | 一部国と地域 | ○ オリジナルブランドでのSIMフリー |
カラー | カラー名 | 材質 | 販売状況 | 販売地域 | 日本発売 |
ミスティックブロンズ | つや消しガラス | グローバルカラー | 全世界 | ○ au | |
ミスティックグレー | つや消しガラス | グローバルカラー | 全世界 | ☓ | |
ミスティックホワイト | ガラス | 地域限定追加カラー | 中国など | ☓ |
グローバル展開
[編集]展開状況
[編集]Galaxy Z Flipのミラーパープルとミラーブラックはほとんどの国で展開されている。また、ミラーゴールドと、ニューヨークのファッションデザイナー「Thom Browne」とのコラボレーションモデル「Galaxy Z Flip Thom Browne Edition」は一部の国と地域で展開されている。
コラボレーションやイベント
[編集]ファッションウィークでの登場
[編集]グローバル展開においては、2月12日にニューヨークファッションウィーク、2月14日にロンドンファッションウィーク、2月20日にミラノファッションウィーク、最後にパリファッションウィークにGalaxy Z Flipが登場し、ファッション性をアピールしている[18]。
Galaxy Z Flip Thom Browne Edition
[編集]ニューヨークのファッションデザイナー「Thom Browne」とコラボレーションしたモデル。シルバーの下地に、紺、白、赤のライン(トリコロールの装飾)が並んでいる。限定デザインのGalaxy Watch Active2やGalaxy Buds+、ケースなども付属する。また、搭載されているテーマや壁紙、着信音などもThom Browne限定仕様となっている[19][20]。
Ashley Williams × Galaxy Z Flip
[編集]イギリスのファッションデザイナー「Ashley Williams」がデザインしたGalaxy Z Flip向けマイクロバッグがイギリスなど一部国と地域で発売されている[21]。
Lancôme × Galaxy Z Flip
[編集]Galaxy Z Flipのデザイン、設計には化粧品ブランドのランコムが参加している。折りたたんだ形のデザインは、ファンデーションや財布の形状にインスパイヤされている[22]。
その他
[編集]国によって、Ling WuやVogueとのコラボケース、コラボバッグなども発売している。
日本での展開
[編集]Galaxy Z FlipはKDDI(au、沖縄セルラー電話連合)が、SCV47として独占的に展開する[23]。日本では異例であるが、グローバル発表の直後に日本での発売が発表された[24]。2020年2月18日から予約開始、2020年2月28日から発売。au、沖縄セルラー電話(各au)全店、au Online Shop、au取り扱い店、Galaxyのショールーム「Galaxy Harajuku」で販売。
Galaxy Z Flip Thom Browne Editionは2020年5月12日に日本での発売が発表され、5月13日に予約開始。5月15日に販売開始。国内初となるオリジナルブランドでのSIMフリーで展開される。予約は、Galaxyのホームページと「Thom Browne」青山店への電話で受け付ける。台数限定で仕様は外観デザイン等もグローバル版と同じ。予約が開始された5月13日に初回納入分、翌日5月14日に追加納入分の受付が好評により終了した。5月15日の発売日には、店頭販売分を含む全販売分が完売した。
- Galaxy Z Flip Thom Browne Edition販売店舗
- Galaxy Harajuku、Thom Browne青山、Thom Browne阪急メンズ東京店、Thom Browne伊勢丹新宿店メンズ館、Thom Browne渋谷パルコ、Thom Browne DOVER STREET MARKET 銀座、Thom Browne阪急メンズ大阪、Thom Browne阪急うめだ本店、Thom Browne大丸心斎橋、Thom Browne名古屋栄三越
画像
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ()内は日本の公式ウェブサイトでの表記。
出典
[編集]- ^ Galaxy Z Flip Galaxy Mobile Japan、2020年2月16日閲覧。
- ^ サムスンが縦型折りたたみ「Galaxy Z Flip」や5Gスマホ「Galaxy S20」シリーズを発表 日経クロステック、2020年2月17日閲覧。
- ^ Samsungが縦折りのスマートフォン「Galaxy Z Flip」発表 約15万円 ITmedia Mobile、2020年2月17日閲覧。
- ^ 「Galaxy Z Flip」の実機に触れる 縦長+小型だけがメリットじゃない ITmedia Mobile、2020年2月17日閲覧。
- ^ Galaxy Z Flip hands-on review: Samsung has outdone itself SamMobile、2020年2月17日閲覧。
- ^ Samsung's newest foldable phone, Galaxy Z Flip, is now available for $1,379.99 but stock is limited — here's everything you need to know Business Insider、2020年2月17日閲覧。
- ^ サムスンの新しいタテ型折りたたみスマホ、画面には「フィルムのように曲がるガラス」が使われてる Gizmodo Japan、2020年2月17日閲覧。
- ^ サムスンが「Galaxy Z Flip」を、あえて縦型の折りたたみにした理由とは?:ハンズオンレヴュー Wired Japan、2020年2月17日閲覧。
- ^ 縦折りスマホSamsung Galaxy Z Flipが示すフォルダブルの進むべき方向 Tech Crunch、2020年2月17日閲覧。
- ^ Galaxy Z Flip durability test calls Samsung’s Ultra Thin ‘Glass’ into question The Verge、2020年3月9日閲覧。
- ^ 「折り畳めるスマートフォン」の市場において、サムスンはここまで技術的に先行している Wired Japan、2020年3月9日閲覧。
- ^ Galaxy Z Flipは「折りたたみスマホ」の完成形か。Galaxy Foldとの違いを見る Engadget Japanese、2020年2月17日閲覧。
- ^ Design Story - The Story Behind the Galaxy Z Flip’s Fashion-Forward Design Samsung Global Newsroom、2020年2月17日閲覧。
- ^ A Brand New Vide - Galaxy Z Flip Design Story Samsung Design、2020年2月17日閲覧。
- ^ Samsung CEO reveals name of the next foldable, confirms S20 family in secret meeting GSMARENA、2020年3月8日閲覧。
- ^ サムスンの折りたたみスマホ新作、「トム ブラウン」との限定コレクションが登場 FashionSnap、2020年2月17日閲覧。
- ^ Galaxy Z Flip rumors: Hideaway hinge and $1,400 price takes aim at Motorola Razr CNET、2020年2月17日閲覧。
- ^ In Pictures: The Galaxy Z Flip Takes Center Stage at Fashion Weeks Around the World Samsung Global Nemsroom、2020年3月1日閲覧。
- ^ Thom Browne と Samsung が最新型の折りたたみ式スマホ Galaxy Z Flip の限定エディションを制作 HYPEBEAST、2020年3月1日閲覧。
- ^ サムスンの折りたたみスマホ新作、「トム ブラウン」との限定コレクションが登場 FashionSnap、2020年3月1日閲覧。
- ^ Galaxy Z Flip made waves at the fashion week trifecta after launch SamMobile、2020年3月1日閲覧。
- ^ Futuristic Galaxy Z Flip lands to give the Razr a run for its price... and specs PhoneArena、2020年3月1日閲覧。
- ^ auが独占販売! 折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip」を触ってみた! GoodPress、2020年2月17日閲覧。
- ^ 縦折り「Galaxy Z Flip」auで発売決定! 実機写真&KDDI雨宮氏インタビュー ケータイWatch、2020年2月17日閲覧。