TRFをはじめ、ZARD、MY LITTLE LOVER、DREAMS COME TRUE、B'z、globe等、他の人気アーティストの音楽性を敢えて遊びとして模倣して制作された観があった1stアルバム『HIMAX! GREATEST HITS AND MORE』とは違い、収録シングル含めた全オリジナル楽曲にわたり、HIMという一音楽ユニットとしてのオリジナリティを強く打ち出したアルバムに仕上がっている(リミックスを除く)。
7thシングル「HEAVEN」までコンスタントなリリースが続き、それに伴うプロモーション活動も順調に行ってきたが、1997年に入るとユニットの活動が突如失速、また情報自体も然るべき情報源からアナウンスされなくなるという状態に陥り、7thシングル「HEAVEN」のリリースから優に半年以上経過してからの本作のリリースを、後に「発売日よりずっと後になってレコード店店頭等で知った」というようなファンの声が相次いだ。HIMの突然の解散劇の直接的な契機となった事柄に、Sony Music Entertainment(Japan) Inc.サイドと伊秩弘将サイド(ケイダッシュ アワーソングスクリエイティブ)の双方が、ユニットの方向性やメンバーの所属に関してのいくつかの問題で争議し、それが決裂したことが挙げられるが、恐らく7thシングル「HEAVEN」のリリース時かその直後にその争議が起こり、それに伴い本作・2ndアルバムのリリースが完全にタイミングを逃し、また十分なプロモーションが全くなされなかった可能性が考えられる。それに付随してか、内部の分裂を象徴的に表すように、本アルバム収録曲の伊秩弘将とSHUNGOのクレジットの表記が全く統一されておらず、シングルとしてのリリース時期による表記の違いが顕著である(後にリリースされた作品ほど、個人が一目で特定できる表記に変更されている)。
「BECAUSE OF LOVE (SOUTHSIDE MIX)」冒頭の呪文のようにも聞こえるエフェクトのかかった合成ボイスは、オリジナル「BECAUSE OF LOVE」冒頭の♪I DO LOVE YOU♪のコーラスを逆走にしたものである。