ICEYE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ICEYE
市場情報 非上場
設立 2014年
業種 航空宇宙産業
事業内容 人工衛星の製造
人工衛星の運用支援・受託
人工衛星が取得したデータに関する事業
代表者 ラファル・モドルゼフスキ(CEO
外部リンク https://www.iceye.com/
テンプレートを表示

ICEYE(アイサイ、アイスアイ)は小型衛星の製造を行うフィンランドの企業。合成開口レーダー(SAR)を搭載した地球観測衛星を運用している。2014年にアールト大学を拠点に設立され、本社はエスポーに置かれている[1]

概要[編集]

アールト大学で超小型衛星Aalto-1フィンランド語版の開発チームの一員だったペッカ・ラウリラとラファル・モドルゼフスキによって設立された[2]。2021年6月には日本に拠点を設けることが報じられた[3][4]

衛星[編集]

ICEYEは2024年3月現在までに計34機の衛星の打ち上げに成功している。同社によると、これはSAR衛星のコンステレーションとしては世界最大だという[5]

初期の衛星[編集]

2018年1月12日、初の実証衛星ICEYE-X1がサティシュ・ダワン宇宙センターからPSLVロケットによって極軌道に投入された。これは世界初の100kg以下のSAR衛星、そしてフィンランド初の商用衛星となった[6]

2018年12月3日にはスペースXファルコン9ロケットによってICEYE-X2が打ち上げられた。

ICEYEの3機目のSAR衛星はアメリカ空軍のHarbinger衛星の一部として打ち上げられた(ICEYE-X3)。この衛星は2019年5月5日にエレクトロンロケットによってニュージーランドから打ち上げられた。当初は衛星バスとペイロード間の通信に問題が生じていたが、後に解消されたとされる[7]

コンステレーション[編集]

2019年6月5日にソユーズ 2.1bロケットによってICEYE-X4とX5が打ち上がられた。2020年9月28日には同じくソユーズ 2.1bロケットでICEYE-X6とX7が打ち上げられた。

2021年1月24日にはファルコン9ロケットへの相乗りでICEYE-X8、X9、X10の3機が打ち上げられた[5]。2021年6月30日には4機の衛星(ICEYE-X11、X12、X13、X15)がファルコン9ロケットによって打ち上げられた。このうち3機は同社の衛星コンステレーションに組み込まれ、残りの1機は次世代衛星の実証に使用される[8]。2022年1月13日にファルコン9ロケットによってICEYE-X14とX16が打ち上げられた[9]。ICEYE-X14はICEYEの米国法人、ICEYE USが製造、ライセンス取得、運用する初の衛星となった[10][11]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ICEYE: ARCTIC PASSION”. Aker Arctic (2016年3月3日). 2021年12月13日閲覧。
  2. ^ 水害被害を“リモート”で推測 小型衛星で日本進出したフィンランド「ICEYE」の可能性”. ITmedia ビジネスオンライン (2021年8月30日). 2021年12月14日閲覧。
  3. ^ Iceye establishes office to serve Japanese market”. Space News (2021年6月23日). 2021年12月14日閲覧。
  4. ^ データ販売から「地球モニタリング」のプラットフォーマーへ:フィンランドの人工衛星企業が描く次世代の衛星ビジネス”. WIRED (2021年11月22日). 2021年12月14日閲覧。
  5. ^ a b ICEYE Establishes World's Top-Performing Persistent Monitoring Satellite Capabilities with Three New SAR Spacecraft Successfully Launched”. ICEYE (2021年1月25日). 2021年12月14日閲覧。
  6. ^ Finnish start-up ICEYE's radical space radar solution”. BBC (2018年1月12日). 2021年12月18日閲覧。
  7. ^ Harbinger (ICEYE X3)”. Gunter's Space Page. 2021年12月14日閲覧。
  8. ^ ICEYE Launches Four New Radar Imaging Satellites, Taking a Further Leap Forward in Persistent Monitoring Capabilities”. ICEYE (2021年7月1日). 2021年12月14日閲覧。
  9. ^ ICEYE X4, ..., X18”. Gunter's Space Page. 2022年2月9日閲覧。
  10. ^ ICEYE Raises USD 136M in Series D Funding Round”. ICEYE (2022年2月3日). 2022年2月9日閲覧。
  11. ^ Jonathan's Space Report No. 803”. Jonathan's Space Report (2022年2月21日). 2022年2月9日閲覧。

外部リンク[編集]