IEEEアレクサンダー・グラハム・ベル・メダル
表示
IEEEアレクサンダー・グラハム・ベル・メダル(アイトリプルイー アレクサンダー・グラハム・ベル・メダルIEEE Alexander Graham Bell Medal)は、電気通信の分野で「通信科学および工学の発展への並外れた貢献」に対して贈られる賞である[1]。通信科学および通信工学の分野でIEEEが授与する最高のメダルである[2]。
なお、単にベルメダルとも呼ばれるが、ナショナルジオグラフィック協会が授与するアレクサンダー・グラハム・ベル・メダルもあるため、注意が必要である。
概要
[編集]1976年、世界最大の工学系学会である Institute of Electrical and Electronic Engineers (IEEE) がアレクサンダー・グラハム・ベルの電話発明100周年を記念して創設した。個人または2名か3名のチームに対して贈られる[1]。
IEEEはこの賞について次のように説明している。
受賞者には、金メダル、ブロンズ製レプリカ、賞状、賞金が贈られる[1]。ノキアとベル研究所がスポンサーとなっている[1]。
受賞者
[編集]IEEEによる受賞者のリストがある[3]。
- 1976年 - Amos E. Joel, Jr.、William Keister、Raymond W. Ketchledge(電話交換機)
- 1977年 - Eberhardt Rechtin(宇宙開発での通信技術)
- 1978年 - M. Robert Aaron、John S. Mayo、Eric E. Sumner(高速デジタル通信)
- 1979年 - A. Christian Jacobaeus(交換網)
- 1980年 - Richard R. Hough(電子交換機)
- 1981年 - David Slepian(通信理論)
- 1982年 - Harold A. Rosen(静止通信衛星)
- 1983年 - Stephen O. Rice(通信理論)
- 1984年 - アンドリュー・ビタビ(通信理論)
- 1985年 - チャールズ・カオ(光ファイバー通信)
- 1986年 - Bernard Widrow(適応フィルタ、エコー除去、ノイズキャンセラなど)
- 1987年 - Joel S. Engel、Richard H. Frenkiel、William C. Jakes, Jr.(携帯電話システム)
- 1988年 - ロバート・メトカーフ(イーサネット)
- 1989年 - Gerald R. Ash、Billy B. Oliver(動的非階層的ルーティング、DNHR)
- 1990年 - ポール・バラン(パケット交換)
- 1991年 - C. Chapin Cutler、John O. Limb、Arun N. Netravali(画像および動画のための予測符号)
- 1992年 - James L. Massey(FEC、マルチユーザー通信、暗号システム)
- 1993年 - Donald C. Cox(個人用移動体通信)
- 1994年 - 猪瀬博(デジタル通信)
- 1995年 - アーウィン・M・ジェイコブス(電気通信への事業的貢献、元クアルコム会長)
- 1996年 - 関本忠弘(デジタル通信衛星、電気通信への事業的貢献、元日本電気会長)
- 1997年 - ヴィントン・サーフ、ロバート・カーン(インターネット、TCP/IP)
- 1998年 - Richard E. Blahut(代数的符号理論とデジタル信号処理の融合による誤り検出訂正)
- 1999年 - David G. Messerschmitt(デジタル通信のVLSI化)
- 2000年 - ウラジーミル・コテルニコフ(情報理論)
- 2001年 - 受賞者なし
- 2002年 - 中原恒雄(光ファイバー製造技術)[4]
- 2003年 - Joachim Hagenauer(符号理論)[4]
- 2004年 - 受賞者なし
- 2005年 - Jim K. Omura(スペクトラム拡散、公開鍵暗号)[4]
- 2006年 - John Wozencraft(畳み込み符号の逐次復号)[4]
- 2007年 - ノーマン・エイブラムソン(ランダム多元接続通信)[4]
- 2008年 - Gerard J. Foschini(MIMO)[4]
- 2009年 - Robert McEliece(誤り訂正符号、深宇宙通信)[4]
- 2010年 - John Cioffi(ADSLの基盤となったDTM (Discrete Multi-Tone))[4]
- 2011年 - Arogyaswami Paulraj(MIMO)[5]
- 2012年 - レナード・クラインロック(パケット交換)
- 2013年 - Andrew Chraplyvy, Robert Tkach
- 2014年 - Dariush Divsalar
- 2015年 - Frank Kelly
- 2016年 - Roberto Padovani
- 2017年 - H. Vincent Poor
- 2018年 - Nambirajan Seshadri
- 2019年 - Teresa Huai-Ying Meng
- 2020年 - Rajiv Laroia
- 2021年 - Nick W. McKeown
- 2022年 - P. R. Kumar
- 2023年 - インゲボルグ・ホフマイヤー, Erwin Hochmair
- 2024年 - Jennifer Rexford
- 2025年 - Richard D. Gitlin
脚注
[編集]- ^ a b c d e IEEE webpage: IEEE Alexander Graham Bell Medal, IEEE, Piscataway, N.J. Retrieved June 18, 2010.
- ^ “Alcatel-Lucent's Bell Labs Researcher Gerard J. Foschini Awarded 2008 IEEE Alexander Graham Bell Medal”. News Blaze (2008年9月22日). 2012年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月26日閲覧。
- ^ “IEEE Alexander Graham Bell Medal Recipients (list)” (PDF). 2010年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Current IEEE Corporate Award Recipients” (英語). IEEE Awards. 2022年3月26日閲覧。
- ^ “Broadcom Engineer Receives Prestigious IEEE Alexander Graham Bell Medal”. Broadcom Corporation. (2010年12月1日). オリジナルの2010年12月16日時点におけるアーカイブ。 2011年2月25日閲覧。