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INPADOC

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

INPADOC(インパドック)は、欧州特許庁(EPO)が作成している世界各国の特許の書誌事項のデータベースである。

概要

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由来

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INPADOCは、元々は国際的な特許文献サービスを目的に設立された国際機関である国際特許情報センター[1](独:Gesellschaft zur Errichtung und dem Betrieb des Internationalen Patentdokumentationszentrums mit beschrankter Haftung[2]、英:International Patent Documentation Center)の英語名の略称である。

世界知的所有権機関(WIPO)の前身である知的所有権保護合同国際事務局(BIRPI)は国際的な特許文献サービスを行う機関を設立する構想を長年温めていたが、1965年にその実現のためにワールド・パテント・インデックス計画を開始した。その後、入札に応じたオーストリア政府、国際特許協会(International Patent Institute)[3]、ダーウェント[4]の3者のうち、オーストリア政府が落札し、WIPOとオーストリア政府によって1972年にINPADOCが設立された。

データベースとしてのINPADOC

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国際機関としてのINPADOCは、種々のデータベースを構築した。中でも、INPADOC Patent Family System(PFS)と呼ばれるパテント・ファミリーのデータベースが有名である。パテント・ファミリーとは、複数の国に対して行われた同じ発明についての出願の群を指す[5]

国際機関としてのINPADOCは1990年にEPOに統合され[6]、INPADOCはEPOが提供するパテント・ファミリー等のデータベースの名称として名を残すことになった。

脚注

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  1. ^ 昭和52年版科学技術白書 第2部 第2章 1 (3)
  2. ^ 後述の通りWIPOとオーストリア政府によって設立されたため、正式名称はドイツ語であった。
  3. ^ 欧州特許庁の前身で、フランスベルギーオランダルクセンブルクによって設立された地域特許庁。通常は、フランス語名の頭文字をとってIIBと呼ばれる。
  4. ^ トムソントムソン・ロイターの前身。
  5. ^ パリ条約各国の特許独立の原則に基づき、特許出願は各国ごとに行わなければならない。
  6. ^ Patent Information News issue 3/2008 (PDF) EPO

外部リンク

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