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京都大学iPS細胞研究所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
IPS細胞研究センターから転送)
京都大学iPS細胞研究所
正式名称 京都大学iPS細胞研究所
英語名称 Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University[1]
略称 CiRA(サイラ)[1]
所在地 日本の旗 日本
606-8507
京都市左京区聖護院川原町53番地 (京都大学吉田キャンパス
法人番号 2130005015689 ウィキデータを編集
予算 52億円(2020年度)[2]
人数 246人(2021年4月1日時点)[2]
所長 髙橋淳[2](2022年4月1日就任)[3]
設立年月日 2010年4月1日[1]
前身 物質-細胞統合システム拠点内に設置したiPS細胞研究センター(2007年11月〜)[4]
ウェブサイト 京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)
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公益財団法人
京都大学iPS細胞研究財団
CiRA Foundation
創立者 国立大学法人京都大学
団体種類 公益財団法人
設立 2019年9月6日(一般財団法人として)
2020年4月1日公益財団法人に移行
所在地 日本の旗 日本
京都市左京区聖護院川原町53(京都大学吉田キャンパス
法人番号 2130005015689
起源 京都大学iPS細胞研究所 (CiRA)
主要人物 山中伸弥(理事長)
主眼 一日も早く患者へiPS細胞による医療を届けるための、細胞の製造や品質評価などの技術についての産業界への「橋渡し」
収入 23億8885万9831円[5]
(経常収益・2021年3月期)
基本財産 京都大学iPS基金を含む特定資産との合算
109億6794万1287円
(2021年3月31日現在)
従業員数 構成員115人
(2022年4月1日現在)
ウェブサイト 京都大学iPS細胞研究財団 CiRA_F
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京都大学iPS細胞研究所(きょうとだいがくアイピーエスさいぼうけんきゅうじょ、英語: Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University)は、京都府京都市左京区にあるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究機関で、京都大学が擁する附置研究所の一つ。

2010年4月1日設立。略称はCiRA(サイラ)。

概要

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iPS細胞に関する基礎研究および応用研究を行い「再生医療の実現に貢献する」ことを設立理念に掲げ[4]「iPS細胞およびiPS細胞技術の医療応用」をミッションとする[1]。後述の財団設立に伴う2020年4月の組織改正以前は一時、大部分を占める非正規雇用の職員と大学院生を含め約200人が働いていた[6][7](2012年時点)。研究所は地上5階、地下1階の建物で、各研究室間の仕切りを取り払い、研究者同士で自由な議論をすることができる「オープンラボ形式」が特徴である[6][8]。iPS細胞に関する研究だけでなく、知的財産の管理や規制当局への対応、広報活動も業務のうちの一つとしている[7]

2012年には当時の所長の山中伸弥ノーベル生理学・医学賞受賞が決まったことを受け、文部科学省は以降10年間にわたって長期的に研究費を助成する方針を掲げた[9]。また、2019年9月6日に京都大学が一般財団法人京都大学iPS細胞研究財団を設立した(のちに2020年4月1日公益財団法人へ移行)。2020年4月1日に財団が活動開始するにあたりCiRAから約80名の職員が財団へ移籍するとともにiPS細胞研究基金の残高のうち100億円を財団へ移し替えた[10][11]。これによって、財団からiPS細胞を全国の医療現場に届ける体制へと移行した[12]

沿革

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歴代所長

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歴代所長は以下の通り。

氏名 在任時期 専門部門 備考
初代 山中伸弥 2010年04月01日 - 2022年03月31日 未来生命科学開拓部門 名誉所長
2012年ノーベル生理学・医学賞受賞者
第2代 髙橋淳 2022年04月01日 - 現職 臨床応用研究部門 [3]

組織

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研究部門

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https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/organization_division.html
  • 未来生命科学開拓部門
  • 増殖分化機構研究部門
  • 臨床応用研究部門
  • 基盤技術研究部門
  • 上廣倫理研究部門

研究支援組織

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https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/organization_research.html
  • 研究推進室
  • 医療応用推進室
  • 国際広報室
  • 基金室

刊行物

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https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/publication.html
  • CiRAニュースレター
  • アニュアルレポート
  • CiRAパンフレット
  • 幹細胞ハンドブック
  • CiRA設立10周年記念誌

京都大学基金「iPS細胞研究基金」

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アメリカ合衆国の研究所を手本として「iPS細胞研究基金」を募っている[7]

  • 募集期間 期間の定めなし
  • 目標額 各年度 10億円

助教による論文不正事件

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2018年1月22日2017年2月にアメリカの科学誌『ステム・セル・リポーツ』に掲載された、研究所に所属する36歳の特定拠点助教が発表した血液脳関門機能を持つ細胞を作ったとする論文の図に改竄があったことを記者会見で発表。同助教と山中所長に対する処分の意向を発表した[17]。京都大は同年3月28日付で、論文の11のデータを捏造・改竄したことで「大学の信用を傷付ける行為をした」として同助教を懲戒解雇処分とし、山中所長も監督責任があるとして処分した。ただし山中所長の処分は懲戒処分ではないため処分内容は公開しなかった[18]

脚注

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  1. ^ a b c d 設立趣旨・沿革”. 京都大学iPS細胞研究所. 2016年3月25日閲覧。
  2. ^ a b c 組織図”. 京都大学iPS細胞研究所. 2022年4月10日閲覧。
  3. ^ a b 次期iPS細胞研究所長に髙橋教授を選出しました”. 京都大学 (2021年12月8日). 2022年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ2022年4月10日閲覧。 “任期は令和4年4月1日から2年間です。”
  4. ^ a b 「iPS細胞研究所」設立決定”. 京都大学iPS細胞研究所 (2010年3月5日). 2022年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ2016年3月25日閲覧。
  5. ^ 令和2年度決算報告書” (PDF). 公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団. 2021年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ2022年4月10日閲覧。
  6. ^ a b "研究の原点 米の精神" 2012年10月11日付『朝日新聞』夕刊(大阪本社3版)1面
  7. ^ a b c d “山中・京大教授 iPS研究、カギは人材 資金確保も不可欠”. 日本経済新聞. (2012年6月8日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304095638/http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK30030_R30C12A5M12700/ 2012年10月12日閲覧。 
  8. ^ “京大、iPS細胞研究所を公開 研究員、喜びと戸惑い”. 信濃毎日新聞. (2012年10月9日). http://www.shinmai.co.jp/newspack3/?date=20121009&id=2012100901001583 2012年10月14日閲覧。 [リンク切れ]
  9. ^ “山中教授らに10年間助成 iPS細胞研究を支援 文科省、総額200〜300億円”. 『日本経済新聞』. (2012年10月10日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304232917/https://www.nikkei.com/article/DGXNASGG0903H_Z01C12A0MM8000/?dg=1 2012年10月14日閲覧。 
  10. ^ CiRA組織・人事・その他の変更について』(プレスリリース)京都大学iPS細胞研究所、2020年4月1日。オリジナルの2020年8月4日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200804142103/https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/200401-160000.html2022年4月10日閲覧 
  11. ^ a b iPS細胞ストックプロジェクトを公益財団に移管しました』(プレスリリース)京都大学iPS細胞研究所、2020年4月1日。オリジナルの2020年8月10日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200810114009/https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/200401-160001.html2022年4月10日閲覧 
  12. ^ 山中京大教授ら iPS細胞供給へ財団法人設立”. 日本経済新聞 電子版. 2022年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ2019年12月19日閲覧。
  13. ^ “京大iPS細胞研究所とは”. 『日本経済新聞』. (2012年10月13日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASFP1200C_S2A011C1EA2000/ 2012年10月14日閲覧。 
  14. ^ “田中文科相:京都大iPS細胞研究所を視察”. 毎日新聞. (2012年10月7日). http://mainichi.jp/select/news/20121008k0000m010033000c.html 2011年10月12日閲覧。 
  15. ^ JA全農が京大iPS細胞研究と業務提携JAの活動ニュース(2019年10月28日)2019年11月14日閲覧。
  16. ^ 「大阪府、京大iPS研究所と連携 新型コロナの検査強化」『日本経済新聞』2020年6月13日(2020年6月15日閲覧)
  17. ^ 「iPS論文で不正認定=助教が改ざん、処分へ-京大」[リンク切れ]時事通信(2018年1月22日配信)
  18. ^ 「京大 iPS論文不正 助教を懲戒解雇 山中教授も処分」[リンク切れ]NHKニュース(2018年3月28日配信)

関連項目

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外部リンク

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座標: 北緯35度1分11.7秒 東経135度46分27秒 / 北緯35.019917度 東経135.77417度 / 35.019917; 135.77417