コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

M1タンパク質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Flu_M1
インフルエンザウイルスM1タンパク質
識別子
略号 Flu_M1
Pfam PF00598
InterPro IPR001561
SCOP 1aa7
SUPERFAMILY 1aa7
OPM superfamily 44
OPM protein 1aa7
利用可能な蛋白質構造:
Pfam structures
PDB RCSB PDB; PDBe; PDBj
PDBsum structure summary
テンプレートを表示

M1タンパク質(えむわんたんぱくしつ)はインフルエンザウイルス構造タンパク質の1つである。ウイルスエンベロープの内側を裏打ちする。このタンパク質は多機能タンパク質で、膜タンパク質でありながら、細胞膜でできたエンベロープの中にRNAと核タンパク質が結合したヌクレオカプシドを収める役割を持つ。つまり、M1タンパク質は膜にもRNAにも結合する[1]

M1タンパク質はウイルスの増殖の制御に関わる。細胞内に侵入したウイルスはエンドソーム内の酸性条件下にさらされるが、これはM1タンパク質の崩壊を起こし、ヌクレオカプシドの脱殻を可能にする。また、ウイルスの出芽時はM1タンパク質が宿主細胞の内側に張り付き、これに結合するヌクレオカプシドを包むことで出芽が開始する[2]

M1タンパク質はリンカーによってつながれた二つのドメインによって構成される。N末端のドメインは複数のへリックス構造を持ち、2つのサブドメインに分かれる[3]。C末端のドメインもαヘリックスを持つ。

脚注

[編集]
  1. ^ “Structure of a bifunctional membrane-RNA binding protein, influenza virus matrix protein M1”. Nat. Struct. Biol. 4 (3): 239–44. (March 1997). doi:10.1038/nsb0397-239. PMID 9164466. 
  2. ^ 平松啓一・中込治 編『標準微生物学』(第10版)医学書院、2009年、447-456頁。ISBN 978-4-260-00638-5 
  3. ^ “Combined results from solution studies on intact influenza virus M1 protein and from a new crystal form of its N-terminal domain show that M1 is an elongated monomer”. Virology 279 (2): 439–46. (January 2001). doi:10.1006/viro.2000.0727. PMID 11162800.