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mRNA前駆体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

mRNA前駆体(エムアールエヌエーぜんくたい)は、スプライシングなどのさまざまな加工を受けて成熟した mRNA になる前の RNA 分子。

一般に真核生物では、タンパク質をコードする遺伝子の多くがイントロンを持つ。これらの遺伝子は細胞核内でRNAに転写され一次転写産物となる。これはヘテロ核 RNA (hnRNA) とも呼ばれる。その後5' 末端へメチル化されたグアノシンが付加する5'キャップ、RNAスプライシングによるイントロンの除去、3' 末端に多数が数珠状に連なったアデニル酸が付加するポリA尾部といった装飾を経て、成熟mRNAとなる。このようにして出来た mRNA は核外に輸送され翻訳される。

一方で酵母植物ミトコンドリア葉緑体ゲノムにも、タンパク質をコードする遺伝子に自己スプライシングイントロンを持つ物があり、これらの一次転写産物も mRNA 前駆体の一種である。

DNA
EEEEEEEEEEEiiiiiiiiiiiiEEEEEEEEEEEEE
EEEEEEEEEEEiiiiiiiiiiiiEEEEEEEEEEEEE


          転写  ↓

mRNA前駆体
EEEEEEEEEEEiiiiiiiiiiiiEEEEEEEEEEEEE

    プロセシング ↓

mRNA
 CEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEAAAAAAAAA

核外への輸送・翻訳  ↓

タンパク質
           XXXXXXXXXX

E:エクソン i:イントロン C:キャップ構造 AAAAA: ポリA尾部 X:アミノ酸