クレイジー・ママ
「クレイジー・ママ」 | ||||||||||||||||
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スレイド の シングル | ||||||||||||||||
初出アルバム『スレイド?』 | ||||||||||||||||
B面 | スピークス・イヴィル | |||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||||||||||
ジャンル | ||||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||
レーベル | ポリドール | |||||||||||||||
作詞・作曲 | ||||||||||||||||
プロデュース | チャス・チャンドラー | |||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||
後述を参照 | ||||||||||||||||
スレイド シングル 年表 | ||||||||||||||||
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「クレイジー・ママ」(原題 : Mama Weer All Crazee Now)は、スレイドの楽曲である。1972年8月にアルバム『スレイド?』からの先行シングルとして発売された。作詞作曲はノディ・ホルダーとジム・リーで、プロデューサーはチャス・チャンドラー。
1975年にキッスが発売した「ロックンロール・オールナイト」は、本作にインスパイアされて制作された楽曲で、ジーン・シモンズは「『ロックンロール・オールナイト』は、スレイドの『クレイジー・ママ』の"私生児"なんだよ(“Rock and Roll all Nite‘ is a direct bastard child of Slade's ‘Mama Weer All Crazee Now’.”)」と語っている[3]。
なお、原題が「Mama Weer All Crazee Now」とスペルを間違っているが[注釈 1]、これは意図的なもの[4]。
背景
[編集]「クレイジー・ママ」は、リーが単独で完成させた初の楽曲だった。ホルダーはロンドンのウェンブリー・アリーナでのライブ終了後に、壊された観客席を見て「今夜は誰もが狂っていたに違いない」と感じたことを思い出し、そこから歌詞の着想を得た[5][6]。なお、本作の当初のタイトルは「My My We're All Crazy Now」であったが、プロデューサーのチャス・チャンドラーの前で演奏した際に、チャンドラーが「Mama Weer All Crazee Now」と聞き違え[5]、ホルダーとリーがこちらの方がタイトルに相応しいと考えたことから変更された[7]。
1984年の『レコード・ミラー』誌のインタビューで、リーは本作と「カモン!!」について、「1972年にチャック・ベリーのライブを見に行ったら、観客全員が彼の歌を歌っていて、それがとても素晴らしく思えたんだ。それで「観客のことを歌にするのはどうだろうか」と思って、僕らは『カモン!!』と『クレイジー・ママ』を書いた。」と語っている。1986年のファンクラブのインタビューで、デイヴ・ヒルは「この曲は観客とバンドの間で起こったことに基づいている。」と語っている[8]。
本作は、1972年8月にアルバム『スレイド?』からの先行シングルとして発売され、アイルランドシングルチャート[9]と全英シングルチャート[10]で最高位1位を獲得した。バンドとチャンドラーはビートルズの『ゲット・バック』(1969年)以来となる初登場1位を狙っていたが、レーベル側は実現できるはずがないと考えていた。その後、シングルがチャートで初登場2位を獲得したことにより、レーベル側は考えを改め、1973年に発売された『カモン!!』においては発売前よりラジオ番組などで放送し、購入を促すという戦略がとられた[11]。
リリース
[編集]本作は、イギリス、アイルランド、ヨーロッパ全土、スカンディナヴィア、ユーゴスラビア、イスラエル、カナダ、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、ブラジル、日本などの国でポリドール・レコードから7インチシングルとして発売された。
B面には「スピークス・イヴィル」が収録され、2007年に発売されたコンピレーション・アルバム『B-Sides』にも収録された。なお、アルゼンチンで発売されたシングルのB面には「恋のバック・ホーム」が収録された。
プロモーション
[編集]本作のミュージック・ビデオは制作されていない[12][13]。
イギリスでは音楽番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』、ドイツでは『Disco』や『Musikladen』、オランダでは『TopPop』で披露された[14]。その後1977年にシングル『ジプシー・ロードホッグ』のプロモーションで出演した『Supersonic』、1981年にシングル『ウィール・ブリング・ザ・ハウス・ダウン』のプロモーションで出演した『Moondogs』でも披露された[15]。
シングル収録曲
[編集]# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「クレイジー・ママ」(Mama Weer All Crazee Now) | ||
2. | 「スピークス・イヴィル」(Man Who Speeks Evil) |
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合計時間: |
全作詞・作曲: ノディ・ホルダー、ジム・リー。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「クレイジー・ママ」(Mama Weer All Crazee Now) | |
2. | 「恋のバック・ホーム」(Take me Bak 'Ome) | |
合計時間: |
全作詞・作曲: ノディ・ホルダー、ジム・リー。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「クレイジー・ママ」(Mama Weer All Crazee Now) | |
2. | 「クレイジー・ママ」(Mama Weer All Crazee Now) | |
合計時間: |
クレジット
[編集]チャート成績
[編集]チャート (1972年) | 最高位 |
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オーストラリア (ARIA)[16] | 3 |
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[17] | 6 |
ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[18] | 5 |
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[19] | 11 |
オランダ (Single Top 100)[20] | 7 |
フランス (SNEP)[21] | 30 |
ドイツ (GfK Entertainment charts)[22] | 6 |
アイルランド (IRMA)[9] | 1
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スイス (Schweizer Hitparade)[23] | 5 |
UK シングルス (OCC)[10] | 1 |
US Billboard Hot 100[24] | 76 |
カバー・バージョン
[編集]- レス・ハンフリーズ・シンガーズ&オーケストラ - アルバム『Sound '73』(1973年)に収録[25]。
- ジェームス・ラスト - アルバム『Non Stop Dancing』(1973年)に収録。オーケストラのインストゥルメンタルとしてカバー[26]。
- ザ・ランナウェイズ - アルバム『And Now... The Runaways』(1978年)に収録[27]。
- クワイエット・ライオット - アルバム『Condition Critical』(1984年)に収録[28]。シングル盤としても発売され、Billboard Hot 100で最高位51位を獲得[29]。
- ママズ・ボーイズ - アルバム『Mama's Boys』(1984年)に収録され、シングル盤としても発売された[30][31]。
- アンヘレス・デル・インフィエルノ - アルバム『666』(1988年)に収録[32]。
- ザ・メタル・グルズ - シングル盤『メリー・クリスマス・エヴリバディ[注釈 2]』(1990年)のB面に収録。このシングルはホルダーとリーのプロデュース作品で、全英シングルチャートで最高位55位を獲得[33]。
- ジョン・スプリンゲート - トリビュート・アルバム『Wham Bam Thank You Glam』(1996年)に収録[34]。
- Big 6 - アルバム『Ready to Rock』(1996年)に収録[35]。
- ジ・オプレスト - EP『The Noise』(1997年)に収録。同作には同じくスレイドのカバー曲である「カモン!!」と「グッバイ・ジェーン」も収録された。
- リール・ビッグ・フィッシュ - アルバム『Fame, Fortune and Fornication』(2009年)に収録。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Slade - Mama Weer All Crazee Now / Man Who Speeks Evil - Polydor - UK - 2058 274”. 45cat. 2020年6月20日閲覧。
- ^ Rivadavia, Eduardo (2013年3月17日). “Top 10 ‘70s Glam Rock Songs”. Ultimate Classic Rock. 2020年6月27日閲覧。
- ^ “Kiss Founder Gene Simmons Says Band’s ‘Heart and Soul Lies in England’”. ultimateclassicrock (2011年11月9日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ Du Noyer, Paul (2003). The Illustrated Encyclopaedia of Music (1st ed.). Fulham, London: Flame Tree Publishing. p. 84-85. ISBN 978-1-904041-96-2
- ^ a b Holder, Noddy (1999). Noddy Holder – Who's Crazee Now?. Ebury Press. ISBN 0-09-187503-X
- ^ Thompson, Dave. Mama Weer All Crazee Now - Slade | Song Info - オールミュージック. 2020年6月28日閲覧。
- ^ Powell, Don; Falkenberg, Lise Lyng (2013). Look Wot I Dun: Don Powell of Slade. Omnibus Press. p. 124. ISBN 1-7830-5040-3
- ^ Slade International Fan Club newsletter March - April - May 1986
- ^ a b “The Irish Charts - Search Results - Slade”. Irish Singles Chart. 2022年3月27日閲覧。
- ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年9月12日閲覧。
- ^ Charlesworth, Chris (1984). Slade, Feel the Noize!: an illustrated biography. London: Omnibus Press. p. 44. ISBN 0-7119-0538-X
- ^ “1986 - Slade Fan Club www.sladefanclub.com”. Sladefanclub.com. 2020年6月28日閲覧。
- ^ Slade International Fan Club newsletter June - July - August 1986
- ^ Slade (22 October 2015). Slade - Mama Weer All Crazee Now・TopPop. TopPop. 2020年6月28日閲覧。
- ^ “SLADE @ www.slayed.co.uk”. Crazeeworld.plus.com. 2011年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月28日閲覧。
- ^ “Go-Set Australian charts ~ 1972”. Poparchives.com.au. 2020年6月28日閲覧。
- ^ "Austriancharts.at – Slade – Mama Weer All Crazee Now" (in German). Ö3 Austria Top 40. 2020年9月12日閲覧。
- ^ "Ultratop.be – slade – Mama Weer All Crazee Now" (in French). Ultratop 50. 2020年9月13日閲覧。
- ^ "Ultratop.be – slade – Mama Weer All Crazee Now" (in Dutch). Ultratop 50. 2020年9月12日閲覧。
- ^ "Dutchcharts.nl – slade – Mama Weer All Crazee Now" (in Dutch). Single Top 100. 2020年9月12日閲覧。
- ^ “InfoDisc : Tout les Titres par Artiste”. Infodisc.fr. 2013年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月28日閲覧。
- ^ "Offiziellecharts.de – slade – Mama Weer All Crazee Now". GfK Entertainment Charts. 2020年9月12日閲覧。
- ^ "Swisscharts.com – slade – Mama Weer All Crazee Now". Swiss Singles Chart. 2020年9月12日閲覧。
- ^ “The Hot 100 Chart”. Billboard. Prometheus Global Media (1973年1月13日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ Steffen Hung (2012年3月17日). “The Les Humphries Singers & Orchestra - Sound '73”. hitparade.ch. 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Vinyl Album - James Last - Non Stop Dancing '73 - Polydor - Germany”. 45worlds.com. 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Vinyl Album - The Runaways - And Now... The Runaways - Cherry Red - UK”. 45worlds.com (2016年10月10日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. Condition Critical - Quiet Riot | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年6月28日閲覧。
- ^ “The Hot 100 Chart”. Billboard. Prometheus Global Media (1984年8月25日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Recording: Mama weer all crazee now - Mama's Boys”. Second Hand Songs (2009年1月20日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Mama's Boys - Mama Weer All Crazee Now / Face To Face - Jive - USA - JS 1-9213”. 45cat. 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Ángeles Del Infierno - Biography”. Metal Storm (2017年6月25日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Official Singles Chart Top 50 (02 December 1990 - 08 December 1990)”. Official Charts Company (1990年12月2日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Medium: Wham Bam Thank You Glam - (1996)”. Second Hand Songs (2008年2月10日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Big Six: Ready to Rock”. 2020年6月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- Mama Weer All Crazee Now - Geniusの歌詞ページ