Miss International Queen
Miss International Queen(ミス・インターナショナル・クイーン、略称MIQ[1])は、タイ王国パタヤ市にあるニューハーフ・シアター、Tiffany's Show Pattaya Co.,Ltd.が主催する、世界のニューハーフに参加を募って開催される、ニューハーフのビューティーコンテストの世界大会である。
概要
[編集]2004年に第1回大会が開催され、例年10月の最終金曜日または11月の第1金曜日に本選が開催される(2008年大会はタイの政情不安のために中止)。2009年大会は日本人出場者のはるな愛が優勝者となる[2]。2012年大会は10月28日-11月2日の期間で開催された。2016年大会はラーマ9世崩御の影響で2017年の3月に延期された。
参加基準は、トランスジェンダーであること。18歳以上36歳以下で遺伝子学上は男性であること。性別適合手術の有無は問わない[3]。外国人はオープン参加が可能であるが、タイ人の出場者は同じくTiffany's Show Pattaya Co.,Ltd.が主催するタイ人ニューハーフのためのビューティーコンテスト“Miss Tiffany's Universe”(毎年5月に開催) の優勝者が参加することになっている。また、外国人の参加については、同一人物の連続出場は2大会連続までという内規もある。
開催の経緯
[編集]“Miss Tiffany's Universe”は1998年から毎年行われるようになったが、2000年大会に初めて日本人ニューハーフが1名参加した。その後2002年大会に1名の日本人、2003年大会に3名の日本人と2名の韓国人が出場し、タイ人ニューハーフのためのコンテストであった“Miss Tiffany's Universe”が少しずつ国際化し始めた。また、Tiffany's Showは先行してアメリカで行われていた世界のニューハーフを集めてのビューティーコンテスト“Miss Queen of Universe”に2002年大会の優勝者を送り込み、優勝を果たした。こうした経緯からTiffany's Showとしては、自らこうした世界大会が開けないかと模索し始めるようになった。そこで、2004年からTiffany's Showはタイ人ニューハーフのビューティーコンテストとして“Miss Tiffany's Universe”を、世界のニューハーフを集めてのビューティーコンテストとして“Miss International Queen”を開催するようになった。“Miss International Queen”の開催に至っては、日本人ニューハーフが“Miss Tiffany's Universe”に参加してきたことによって先駆的な役割を果たしたと言えるだろう。なお、“Miss International Queen”の開催当初は在タイ日本人フォトグラファーの朝井秀郎が協力者として関わっていたということが、本人によるエッセーで綴られている。[4]
開催目的
[編集]公式ホームページによると、開催目的は以下の通り。
- 世界中のトランスジェンダーに国際的な競争の機会を与えるため。
- 世界中のトランスジェンダーに今日の世界でより受け入れられる機会を提供するため。
- 国際社会の間で人権認識を創造するため。
- タイ王立エイズ基金への寄付活動を行うため。
- レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーのコミュニティの間の国際的な友好関係を築くため。
- タイ政府観光庁に協力し、パタヤの観光客増加に寄与するため。
- パタヤを世界で最もエンターテイメント性のある都市の一つとして発展させ続けていくため。
- ティファニー・ショーが世界のレスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーのコミュニティの間の橋渡しをしていくため。
歴代優勝者
[編集]- 2004年大会(第1回大会) Treechada Phetcharat(タイ)
- 2005年大会(第2回大会) Mimi Marks(アメリカ)
- 2006年大会(第3回大会) Erica Andrews(メキシコ)
- 2007年大会(第4回大会) Tanyarat Jirapatpakon(タイ)
- 2009年大会(第5回大会) はるな愛(日本)[2]
- 2010年大会(第6回大会) Mini Han(韓国)
- 2011年大会(第7回大会) Sirappasorn Auttayakorn(タイ)
- 2012年大会(第8回大会) Kevin Balot(フィリピン)
- 2013年大会(第9回大会) Marcela Ohio(ブラジル)[5]
- 2014年大会(第10回大会) Isabella Santiago(ベネズエラ)[6]
- 2015年大会(第11回大会) Trixie Maristela(フィリピン)[7]
- 2016年大会(第12回大会) Jiratchaya Sirimongkolnawin(タイ)[8]
- 2018年大会(第13回大会) Nguyen Huong Giang(ベトナム)[9]
- 2019年大会(第14回大会) Jazell Barbie Royale(アメリカ)[10]
- 2020年大会(第15回大会) Valentina Fluchaire(メキシコ)[11]
- 2022年大会(第16回大会)Fuschia Anne Ravena(フィリピン)
- 2023年大会(第17回大会)Solange Dekker(オランダ)
日本人出場者とその戦績
[編集]2004年の第1回大会から、2023年の第17回大会までのすべての大会に日本人出場者がいる。
- 2004年大会(第1回大会) 榊不二子、不動美樹、山崎つかさ、Tomo
- 2005年大会(第2回大会) 丸山かのん、山崎つかさ
- 2006年大会(第3回大会) 朝川ひかる
- 2007年大会(第4回大会) 月島紅、はるな愛、Shima Shyna(日本国籍を持つフィリピン人と日本人のハーフ)
- ※月島紅 Miss National Costume受賞、タレント・コンペティション3位、本選上位10名入賞。
- ※はるな愛 本選上位10名入賞
- 2009年大会(第5回大会) 冴島柚姫、月島紅、はるな愛
- ※月島紅 Angel of Talent contest2位、本選上位10名入賞。
- ※はるな愛 Miss International Queen 2009受賞、Angel of Talent contest優勝。
- 2010年大会(第6回大会) たけうち亜美、Baby Shima Shyna
- ※たけうち亜美 Miss International Queen 準ミス第1位受賞、Miss Photogenic受賞。
- 2011年大会(第7回大会) 藤川花梨
- ※藤川花梨 Miss Best Evening Gown受賞、本選上位10名入賞。
- 2012年大会(第8回大会) 月島紅、橘優希
- ※月島紅 Best Kiss Talent Contest優勝、本選上位10名入賞。
- ※橘優希 Miss Best National Costume受賞。
- ※藤ノ宮せり Miss Perfect Skin受賞、本選上位10名入賞。
- ※西原さつき 本選上位10名入賞。
- ※西原さつき Miss Photogenic受賞[15]、本選上位10名入賞。
- ※水野涼 本選上位10名入賞。
- 2016年大会(第12回大会) 國咲舞花、鈴木ゆま[16]
- ※國咲舞花 本選上位10名入賞。
- ※van 本選上位6名入賞。
- ※ゆしん ベストナショナルコスチューム賞受賞[20]。
- 2023年大会(第17回大会) とも[21]
出典
[編集]- ^ ミス・インターナショナルクイーンとはミス・インターナショナルクイーン日本大会公式サイト
- ^ a b “はるな愛 ニューハーフ世界一の称号にウルウル”. スポーツニッポン. (2009年11月2日) 2019年9月15日閲覧。
- ^ “MISS INTERNATIONAL QUEEN 参加条件”. MISS INTERNATIONAL QUEEN 公式サイト. 2022年3月18日閲覧。
- ^ 「ニューハーフ倶楽部 Vol.46」. 三和出版. (2004-11-10)
- ^ “Miss International Queen 2013: Miss Brazil Marcelo Ohio Wins Transvestite Beauty Pageant”. International Business Time. 2017年3月17日閲覧。
- ^ “Venezuelan crowned transgender beauty queen in Miss International Queen 2014”. 2017年3月17日閲覧。
- ^ “Filipino sex-swap stunner wins world's largest trans beauty contest”. dailystar. 2017年3月17日閲覧。
- ^ “ニューハーフ世界一はタイ代表モー・ジラッチャヤーに決定![ミス・インターナショナル・クイーン2016]”. タイランドハイパーリンクス. (2017年3月11日) 2017年3月17日閲覧。
- ^ “Transgender pageant crowns Miss Vietnam as the new Miss International Queen”. TRANSGENDERFEED. (2018年3月17日) 2020年9月14日閲覧。
- ^ “American wins Miss International Queen transgender pageant in Pattaya”. pattayamail. (2019年3月14日) 2020年9月14日閲覧。
- ^ “Transgender queen crowned in Pattaya”. bangkokpost. (2020年3月8日) 2020年9月14日閲覧。
- ^ “日本人3名出場!ニューハーフ世界一を決める「ミス・インターナショナル・クイーン2013」が2013年11月1日開催”. タイランドハイパーリンクス. (2013年10月10日) 2017年3月17日閲覧。
- ^ “日本人2名出場!ニューハーフ世界一コンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン2014」が2014年11月7日開催”. タイランドハイパーリンクス. (2014年10月21日) 2017年3月17日閲覧。
- ^ “日本人3名もニューハーフ世界一を目指す!「ミスインターナショナルクイーン2015」開催”. タイランドハイパーリンクス. (2015年10月19日) 2017年3月17日閲覧。
- ^ “西原さつき(さつきぽん) オフィシャルサイト official site”. 2017年4月2日閲覧。
- ^ “國咲舞花&鈴木ゆま出場!ニューハーフ世界一コンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン2016」開催”. タイランドハイパーリンクス. (2016年10月15日) 2017年3月17日閲覧。
- ^ a b “MISS INTERNATIONAL QUEEN”. 2020年9月14日閲覧。
- ^ “高橋りおミスインターナショナルクイーン日本でGP”. 日刊スポーツ. (2019年11月21日) 2020年9月14日閲覧。
- ^ "『ミスインターナショナルクイーン』日本代表はタレント・ゆしん「頑張ります!」". ORICON NEWS. 株式会社oricon ME. 2021年7月19日. 2022年11月27日閲覧。
- ^ "MISS INTERNATIONAL QUEEN 2022 日本代表ゆしんが「ベストナショナルコスチューム賞」を受賞". Miss International Queen Japan Official Site. 株式会社Vida La Vida. 2022年7月11日. 2022年11月27日閲覧。
- ^ "MISS INTERNATIONAL QUEEN 2023 日本代表に、大阪府のYouTuberともさん(27)が決定&世界大会へ!". Miss International Queen Japan Official Site. 株式会社Viva La Vida. 2022年11月18日. 2022年11月27日閲覧。
外部リンク
[編集]- Miss International Queen - Miss International Queen公式HP(英語版)
- Miss International Queen Japan Official - Miss International Queen Japan公式HP