Mk.68 砲射撃指揮装置
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種別 |
パルスレーダー (一部モデルでは連続波照射可能)[1] |
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目的 | 射撃指揮 (追尾) |
開発・運用史 | |
開発国 | アメリカ合衆国 |
送信機 | |
周波数 | Xバンド |
パルス幅 | 0.25マイクロ秒 |
パルス繰返数 | 1,000 pps |
送信尖頭電力 | 250 kW |
アンテナ | |
形式 | パラボラアンテナ |
直径・寸法 | 60 in (150 cm) |
アンテナ利得 | 39 dB |
ビーム幅 | 1.6度 |
探知性能 | |
探知距離 | 120,000 yd (110 km) |
精度 | 距離: 10 yd (9.1 m) |
分解能 |
距離: 80 yd (73 m) 方位: 1.3度 |
その他諸元 | |
重量 |
FCS全体: 26,600–28,000 lb (12,100–12,700 kg) 甲板上部分のみ: 15,300 lb (6,900 kg) アンテナ部: 163 lb (74 kg) |
Mk.68 砲射撃指揮装置(英語: Mark 68 Gun Fire Control System, Mk.68 GFCS)は、アメリカ海軍が開発した艦砲用の砲射撃指揮装置(GFCS)。
概要
[編集]第二次世界大戦中、アメリカ海軍では、両用砲用のGFCSとしてMk.37方位盤を用いたシステムを広く配備していた。射撃計算機としては、従来は機械式計算機である射撃盤が用いられていたのに対し、アナログコンピュータを使うように再設計したMk.1射撃指揮コンピュータを採用した。また追尾レーダーとして、当初はLバンドのMk.4、出力増強型のMk.12、ついでXバンドのMk.25(のちにAN/SPG-25と改称)が用いられていた。これをもとに、射撃指揮コンピュータをデジタルコンピュータのMk.47に、また火器管制レーダーをAN/SPG-53に更新した全面改良型として開発されたのが本機である[2][3]。
本機はMk.42 5インチ単装速射砲と組み合わされて、1970年代中盤までに建造されたアメリカ海軍の主力艦の多くに搭載されることとなった。Mk.42砲とMk.68 GFCSを組み合わせた場合、中高度・中速直進目標に対する対空有効射程が約5,000ヤード (4,600 m)、発射弾数20発時の有効弾確率が約5%とされていた[4]。
その後、捜索中追尾(TWS)能力と海軍戦術情報システム(NTDS)との連接に対応した新型機としてMk.86が開発され、1974年2月就役のカリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦以降では、こちらが採用されるようになっていった。
搭載艦
[編集]参考文献
[編集]- ^ Norman Friedman (1981). Naval Radar. Naval Institute Press. p. 179. ISBN 9780870219672
- ^ Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. pp. 379-380. ISBN 9781557502681
- ^ 多田智彦「射撃指揮システムとレーダー (特集・対空兵装の変遷)」『世界の艦船』第662号、海人社、2006年8月、92-97頁、NAID 40007357721。
- ^ 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み 第7回 1次防艦 その2“あまつかぜ”」『世界の艦船』第780号、海人社、2013年7月、104-111頁、NAID 40019692292。
関連項目
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、Mk.68 砲射撃指揮装置に関するカテゴリがあります。
- Mk.56 砲射撃指揮装置 - 同世代の中口径砲用GFCS。対空射撃を主眼としている。
- Mk.63 砲射撃指揮装置 - 同世代の機銃・小口径砲用FCS。