pedit5
『pedit5』は1975年にアメリカのコンピュータ支援教育システムPLATOでRusty Rutherfordによって製作された現存する最初期の[1] コンピュータRPG(en:dungeon crawl video game)である[2]。
他のPLATOソフトウェアと同様、ゲームはメインフレーム内で作動していたが、離れた場所に複数設置された端末で操作することができた。
ゲーム内容
[編集]1974年に誕生した最初のテーブルトークRPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の影響を多分に受けている。
プレイヤーは俯瞰視点でキャラクターを操作して財宝を貯めて怪物を倒しながら、40から50の部屋から成る単一階層のダンジョンを歩き回る。
怪物と遭遇したとき、キャラクターは攻撃をしたり、怪物から逃亡したり、あるいはいくつかの呪文のうち一つを使用することができる。
キャラクターのデータは最大20人分まで保存することができた。
製作背景
[編集]pedit5という名前は、PLATOシステム上のプログラムを行うワークスペースを指し、Rutherfordが当時所属していたイリノイ大学の研究グループ"Population and Energy"に由来する。
グループに割り当てられた"pedit1"から"pedit5"までの5つのワークスペースのうち1から3は実際の研究に用いられ、4をゲームのマニュアル、5をゲーム本体の格納スペースとしていたが、システム管理者によってPedit5は削除された。
バージョン
[編集]pedit5のオリジナル版はPLATO上から削除されたが、削除前にゲームのソースを確保していた3人のプログラマーPaul Reschと Larry Kemp、 Eric Hagstromによってゲーム内容を著しく改善した新しいバージョンが、「orthanc」として作られた(題名は小説『指輪物語』に登場する塔に由来する)。
一方、オリジナルのpedit5は「Orthanc1」として復活し、orthancとorthanc1の両方は削除されること無くPLATOシステムに残された。
これらのゲームは、2014年現在でもインターネットでPLATO(Cybis)システム、あるいはそのエミュレータ上でプレイできる。
脚注
[編集]- ^ Rusty Rutherford (31 August 2008). “The Creation of PEDIT5”. Armchair Arcade. 2010年2月23日閲覧。
- ^ なお、現存せず失われた最初のコンピュータRPG「m199h」は1974年とされる。
参考文献
[編集]- ロールプレイングゲームサイドVol.1 2014年8月 マイクロマガジン社 ISBN 978-4-89637-470-4
外部リンク
[編集]- cyber1.org, 様々なOS用エミュレータを備えた、PLATO専門サイト
- pedit5 日本語マニュアル上記サイトにアクセスしてpedit5をプレイするための手順が日本語で解説されている。