Piet
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パラダイム | 構造化プログラミング |
---|---|
設計者 | David Morgan-Mar |
型付け | なし |
主な処理系 | PietDev, npiet, Piet::Interpreter |
ウェブサイト | DM's Esoteric Programming Languages - Piet |
Piet(ピエト)は、プログラミング言語であり、難解プログラミング言語のひとつである。
Ook! などのいくつかの難解プログラミング言語を開発したデヴィッド・モーガン=マー (David Morgan-Mar) がピエト・モンドリアンの作品に影響を受けて考案した言語で、文字ではなく色を組み合わせて記述する。 サンプルソースコード[1]を一見すると、モンドリアンの『赤・青・黄のコンポジション (1930)』のような抽象画のように見える。
言語仕様
[編集]Pietでは、有彩色18色(色相6段階×明度3段階)と無彩色2色(黒、白)の計20色が用いられる。画像上では、色相と明度の変化の度合いによって命令や定義が表され、同一色のかたまり(codel)の面積によって値(正の整数値)が表される。データの処理はスタックを用いて行う。
実行の際は、インタプリタがソースコードの画像上を移動しながら、画像上に表現された命令を解釈して実行する。インタプリタは、移動方向を示す "direction pointer" (DP) および次のcodelの探索方向を示す "codel chooser" (CC) をもつ。DPは4値(上下左右)、CCは2値(左右)をとる。
Pietの命令の一覧を下記に示す。
明度の変化 | |||
---|---|---|---|
色相の変化 | 変化無し | 1段階変化 | 2段階変化 |
変化無し | push | pop | |
1段階変化 | add | subtract | multiply |
2段階変化 | divide | mod | not |
3段階変化 | greater | pointer | switch |
4段階変化 | duplicate | roll | in (number) |
5段階変化 | in (char) | out (number) | out (char) |
- push
- 値をスタックに詰め込む。
- pop
- 値をスタックから取り出す。
- add
- 値を2つスタックから取り出し、加算した結果をスタックに詰める。
- subtract
- 値を2つスタックから取り出し、2番目の値から1番目の値を減算した結果をスタックに詰める。
- multiply
- 値を2つスタックから取り出し、乗算した結果をスタックに詰める。
- divide
- 値を2つスタックから取り出し、2番目の値を1番目の値で除算した結果をスタックに詰める。
- mod
- 値を2つスタックから取り出し、2番目の値を1番目の値で除算した際の余りをスタックに詰める。
- not
- スタックの一番上の値が0でなければ0に、0であれば1に変更する。
- greater
- 値を2つスタックから取り出し、2番目の値が1番目の値より大きければ1、そうでなければ0をスタックに詰める。
- pointer
- 値を1つスタックから取り出し、その値の回数だけDPを時計回りに回転させる。取り出した値が負の場合は反時計回りになる。
- switch
- 値を1つスタックから取り出し、その値の回数だけCCを反転させる。
- duplicate
- スタックの先頭の値をコピーして、スタックに詰める。
- roll
- 値を2つスタックから取り出し、1番目に取り出した値の「回数」だけ、2番目に取り出した値の「深さ」への "roll" 操作を、残ったスタックの要素に対して行う。ここで、深さ n への "roll" 操作とは、スタックの先頭の値を取り出して先頭から n 番目に挿入し、それより手前にある要素の順序を1ずつ繰り上げる操作である。「回数」が負の場合は逆向きの操作となる。「深さ」が負の場合はエラーとなり、この命令は無視される。
- in
- 標準入力から値を取得する。 数値の入力と文字の入力は命令語が異なる。
- out
- 標準出力へ値を出力する。 数値の出力と文字の出力は命令語が異なる。