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Pine

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Pine
開発元 ワシントン大学
最新版
4.64 / 2005年9月28日 (19年前) (2005-09-28)
対応OS Unix系Windows
種別 電子メールクライアント
公式サイト http://www.washington.edu/pine/
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Pineワシントン大学が開発したフリーウェアのテキストベース電子メールクライアント。最初のバージョンは1989年に書かれた[1]。ソースコードはUNIX版のみ、ワシントン大学の独自ライセンスで提供されている。既に開発は終了しており、フリーソフトウェアAlpineへとプロジェクトが移行している。

対応プラットフォーム

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PineにはUNIX版とWindows版がある。UNIX版はテキストユーザインタフェースベースで、メッセージエディタはPicoに似ている。(かつてはDOS版だった)Windows版は PC-Pine と呼ばれている。ワシントン大学内では、ウェブアプリケーションとして実装された WebPine が利用されている。

名称の由来

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Pine は "Pine Is Not Elm" という再帰的頭字語だと言われているが、オリジナルの作者の1人 Laurence Lundblade によればそうではなく単に単語(「松」の意)として選んだだけで、後にバクロニムとして "Pine Is Nearly Elm" の意とされたという。その後大学側は説明を変え、Program for Internet News and E-mail の略だとした[2]

ライセンスとクローン

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バージョン3.9.1まで、PineのライセンスはBSDによく似たもので、次のように書かれていた。

Permission to use, copy, modify, and distribute this software and its documentation for any purpose and without fee to the University of Washington is hereby granted …
(和訳)「本ソフトウェアとその文書の使用、複製、改変、配布は、用途に因らずワシントン大学に料金を支払うことなくここに許諾し…」

しかし、大学側はPineという名称を商標として登録しなかった。

バージョン3.9.2から、著作権者であるワシントン大学はライセンスを変更し、ソースコードそのものは配布するものの、それを他者が改変して配布することを禁止した。また、従来のライセンスでも改変版の配布は許諾していないと主張した[3]

Pineという名称の商標権についても大学は同様の立場をとった[4]

この事態への反応として、一部の開発者がバージョン3.9.1からのフォークを開始し、商標問題を回避するために MANA (Mail And News Agent) という名称にした。これがGNUプロジェクトに採用され GNU Mana となった。リチャード・ストールマンによれば、ワシントン大学がPineの修正版を配布したらフリーソフトウェア財団を提訴すると脅したため[5]、MANAの開発は中止され、リリースは行われなかったという[6]

ワシントン大学はその後、フリーソフトウェアのコレクションの一部としてPineを修正せずに再配布することは許すようライセンスを変更したが、オープンソースとフリーソフトウェアの基準を満たすライセンスにはなっていない。

Alpine

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2006年、ワシントン大学はPineの開発をバージョン4.64で終了し、保守だけを継続すると発表した[7]

その代わりとして、Pineをベースとして新たな電子メールクライアントAlpineApache License, version 2 でライセンスされるようになった。2006年11月29日には最初のアルファ版が公開された[8][9]。Pineではアルファ版が公開されたことはなかった。

2007年12月20日、Alpine 1.0 がリリースされた。

脚注・出典

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  1. ^ Pine Project History”. 2009年3月31日閲覧。
  2. ^ Laurence's home page: Naming Pine”. 2006年8月12日閲覧。
  3. ^ Branden Robinson remembers UW's unique interpretation of the BSD license”. 2006年12月14日閲覧。
  4. ^ What's wrong with Pine”. 2006年7月17日閲覧。
  5. ^ RMS said that UW threatened to sue the FSF”. 2006年12月14日閲覧。
  6. ^ The Golden Rule as Applied to Intellectual Property” (2002年12月12日). 2006年7月17日閲覧。
  7. ^ Steve Hubert answers that Pine development is frozen in favour of Alpine”. 2006年12月14日閲覧。
  8. ^ Announce of Alpine 0.8”. 2006年12月14日閲覧。
  9. ^ Alpine FTP download directory”. 2006年12月19日閲覧。

外部リンク

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