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バスク自治州は、スペイン北部にある自治州。ピレネー山脈の西側に位置し、北側は大西洋のビスケー湾に面している。アラバ県、ビスカヤ県、ギプスコア県の3県で構成されている。バスク人が多く住むナバーラ県はバスク自治州から除外され、単独でナバーラ州となった。スペイン1978年憲法(現行憲法)によって、バスク自治州はスペインにおいて強力な自治権を得た。バスク自治州には公式な州都は存在しないが、バスク議会やバスク自治州政府の本部が置かれるアラバ県のビトリア=ガステイスが事実上の州都である。もっとも人口が多い自治体はビスカヤ県のビルバオである。……
ビルバオまたはビルボは、ビスカヤ県の県都。2010年の人口は353,187人で、バスク自治州内では第1位、スペイン全体では第10位である。ビルバオ都市圏は約100万人の人口を持ち、スペイン第5位の都市化地域であるとともに、スペイン北部でもっとも人口の多い都市圏のひとつを形成している。ビルバオはスペイン北部の中央部に位置しており、大西洋のビスケー湾からネルビオン川を19km遡った位置にある。市街地は平均標高400mの山地に囲まれている。都市の象徴としてビルバオ・グッゲンハイム美術館があり、世界各地の創造都市プロジェクトの中でもっとも成功した事例のひとつとされている。……
サン・セバスティアンは、ギプスコア県の県都。「ビスケー湾の真珠」「カンタブリア海の真珠」と称される。ビスケー湾に面しており、フランスとの国境からの距離は約20kmである。2011年の人口は186,409人であり、サン・セバスティアン都市圏の人口は436,500人である。その食文化やサン・セバスティアン国際映画祭などで世界的な知名度を得ており、ポーランドのヴロツワフとともに、2016年の欧州文化首都に選定されている。砂浜のビーチが広がるラ・コンチャ海岸などの観光スポットがあり、夏季には砂浜が多くの海水浴客で埋め尽くされる。市内には無数のバルがあり、ピンチョスと呼ばれるタパスが提供される。……
ビトリアまたはガステイスは、アラバ県の県都。2言語の名称をつなげたビトリア=ガステイスが正式名称である。バスク自治州は公式な州都を定めていないが、州議会や州政府が置かれるビトリア=ガステイスは事実上の州都である。2012年の人口は242,223人であり、バスク自治州内ではビスカヤ県・ビルバオに次いで人口が多い。公共空間における高い緑地比率、生物多様性や生態系への貢献、自治体の緑化政策などが評価され、2012年には欧州環境首都に選ばれた。ビトリア=ガステイスでは全市民が公園や緑地などの緑化地帯から300m以内に住んでおり、自転車道は総延長90kmに達している。……
バイヨンヌは、ピレネー=アトランティック県の郡庁所在地であり、フランス領バスクの中心都市である。バスク語名はバイオナ。ビスケー湾からアドゥール川を10kmほど遡り、ニーヴ川との合流地点に位置する。市街地中心部は河川によって大バイヨンヌ、小バイヨンヌ、サンテスプリの3区域に分けられ、それぞれの区域は橋で結ばれている。近隣のビアリッツ、アングレットとともに都市圏共同体を形成し、地域経済の活性化や環境保護などの分野で地域協力を行っている。大バイヨンヌにあるサント=マリー大聖堂はサンティアゴの巡礼路の一部としてUNESCOの世界文化遺産に登録されている。……
スールまたはスベロアは、ピレネー=アトランティック県にある地域。ラブール、バス=ナヴァールとともにフランス領バスクを構成している。中心都市はモレオン=リシャールである。人口・面積ともにバスク地方7領域で最少である。スールは西ピレネーの北部流域に位置し、西側はバス=ナヴァール、東側と北側はベアルン、南側はナバーラ州に囲まれている。北部の低地はペタラまたは低スール、中央部の森林地帯はアルバイラ、南部の高地はバサブルアとして知られている。スールにはパストラルと呼ばれる民俗音楽劇場の伝統があり、またマスカラダ(スールの謝肉祭)などの伝統行事もある。……
パンプローナは、ナバーラ州の州都である。バスク語名はイルーニャ。牛追い祭りとして知られるサン・フェルミン祭が毎年7月6日から7月14日まで開催される。アメリカの小説家、アーネスト・ヘミングウェイの長編小説『日はまた昇る』の主な舞台にもなっている。共和政ローマ時代にポンペイウスが駐屯地としてポンパエロを築き、属州ヒスパニア・タッラコネンシスに含まれた。824年にはイニーゴ・アリスタがパンプローナ王として即位し、この王国は独立を強化した。パンプローナはナバーラ王国の名目上の首都であり続けた。……
ビダソア川は、バスク地方を流れてビスケー湾に注ぐ河川である。ナバーラ州に端を発し、下流部では約10kmにわたってスペインとフランスの自然的国境を形成している。下流部にはフェザント島と呼ばれる中州があり、両国による共同統治の形をとっている。河口部のチングディ湾周辺にはイルン、オンダリビア、アンダイエなどの都市があり、国境を越えた都市圏を形成している。スペイン側にはサン・セバスティアン空港があり、滑走路末端部のすぐ先に国境線が引かれている。……
フランス領バスクまたは北バスクは、バスク地方のうちフランス領土を指す名称。ピレネー=アトランティック県に含まれ、多くの場合、ラブール、バス=ナヴァール、スールの3地方に分割される。自然区分の名称で、歴史的・文化的な地方名であるが、そのものが行政体とはなっていない。ビスカヤ県やギプスコア県のように産業化が進んでおらず、美しい砂浜や素朴な農村部が残り、人気のある観光地となっている。公用語であるフランス語が話されるが、地方言語であるバスク語も話されている。……