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取得原価主義(しゅとくげんかしゅぎ、acquisition cost basis, historical cost convention)とは、資産の評価基準として、資産を取得した原価を基準として採用する会計手法である。 資産の評価基準として、資産の取得原価を採用する会計手法を取得原価主義会計といい、時価主義と対極の会計手法とされる。
国際会計基準であるIFRSでは分別が義務化されている。最近ではデリバティブなどの金融商品の活用が普及してきているが、これらの商品は取得原価主義においては「 0 」(ゼロ)と記載される。このため取得原価主義下の会計では膨大な含み益・損の存在が隠匿される可能性が拡大している。実際に悪化した財務内容を公開したくない企業側が取得原価主義を擁護することが多いのもこのためである。 取得原価主義では資産に含み益が含まれるため、会社の正確な財政状態が財務諸表に反映出来なくなる。含み損が出た場合は3つのケースが考えられる。有価証券と棚卸資産の評価に原価法を採用していれば、基本的には取得した原価で評価できる。原価法ではなく低価法を採用していれば帳簿価額と時価のいずれか低い価額で評価する。ただ、原価法でも、「資産価値の低下が著しく、回復の可能性がない」場合は「強制評価減」を行ないなければならない。ただ、回復の可能性があるとすれば強制評価減を回避できるという問題がある。