Portal:会計/特集記事/埋没費用
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埋没費用(まいぼつひよう)ないしサンク・コスト(sunk cost)とは、事業に投下した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用をいう。
初期投資が大きく、他に転用ができない事業ほど埋没費用は大きくなるため、投資も新規企業の参入も慎重になる。このことにより、寡占論では埋没費用の多寡が参入障壁の高さを決める要因の1つであるとされる。
これに対しウィリアム・ボーモルは1982年に、逆に埋没費用がゼロならば、競争の潜在的可能性が高いために、たとえ独占であっても参入可能性が価格を正常に維持するというコンテスタビリティ理論を提示し、1980年代以後のアメリカの航空輸送産業やトラック輸送産業における規制緩和の流れを作り出した。つまり、その市場がどれだけ競争的・寡占的であるか否かは、そこに実際に参加している企業の多寡によってだけでは判断できず、潜在的な新規参入の容易さによっても左右されることが重要である……