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Portal:漢字文化圏/box-header

漢字文化圏(かんじぶんかけん)とは、中国と中国皇帝からの冊封を受けた周辺諸民族のうち、漢文(特に中古漢語)を媒体として、中国王朝の国家制度や政治思想をはじめとする文化、価値観を自ら移入し、発展させ、これを中国王朝と緩やかに共有しながら政治的には自立を確保した地域を指す。日本の歴史学者西嶋定生が提唱した「東アジア世界論(冊封体制論)」をきっかけとして定着し、歴史学における「文化圏」概念形成のモデルの一つとなった。ただし、後述のように明確に冊封体制には組み込まれていたとは言えない国も、漢字文化圏に含まれることには注意を要する。

現在の地域区分でいうと「東アジア」と重なる部分が大きく、現在の中国大陸台湾ベトナム朝鮮半島日本列島に代表される地域がここに含まれる。 ただし、日本においてはその一部地域の政権である邪馬台国の卑弥呼が239年、親魏倭王の爵位に封ぜられたことはあるものの、ほぼ国家統一後の607年、聖徳太子が隋の煬帝に送った手紙において、隋との対等を表明するため「日出る処の天子」や「東の天皇」と記したことからも明らかなとおり、その歴史において統一国家として中国王朝から冊封を受けてきたとみなすのは困難である。