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コウテイペンギン(学名:Aptenodytes forsteri)は、ペンギン科コウテイペンギン属のペンギン。現生ペンギンでは最大種で、また最もに分布する。

極寒の南極の冬の繁殖

コウテイペンギンは零下数十度の氷原で繁殖を始める。このためコウテイペンギンは「世界で最も過酷な子育てをする鳥」と呼ばれる。

南極では秋にあたる3月から4月の頃、群れはを離れて繁殖地である氷原に上陸する。繁殖地は海岸から50km~100kmほど離れた内陸部である。5月から6月にかけてメスは長径12cm、重さ450g程度の卵を1個産む。産卵により疲労したメスは餌を求めて海へ向かい、繁殖地に残ったオスを足の上に乗せ、抱卵嚢と呼ばれる両肢の間のお腹のだぶついた皮を使って、抱卵を始める。抱卵は立ったままで行い、巣はない。

オスたちはブリザードが吹き荒れ-60℃になる極寒の冬の氷原上で身を寄せ合い、抱卵を続ける。その間オスは絶食で、孵化する頃にはオスの体重は40%以上も減少する。繁殖地へ移動から数えると約120日間の絶食である。卵は約65日で孵化し、8月頃にはヒナが生まれるが、メスが戻るまでオスは食道から分泌した白色の乳状の物質(ペンギンミルク)を餌としてヒナに与える。メスが海から戻ると、ヒナの給餌はメスに引渡し、オスは海に出ていくが、遠い海までの道のりで力尽き死ぬオスもいる...