(285263) 1998 QE2
(285263) 1998 QE2 | ||
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ゴールドストーン深宇宙通信施設が1.3Hzの電波領域で撮影した (285263) 1998 QE2。(285263) 1998 QE2 の表面の様子が分かる。右下の明るい点は衛星と推定されている S/2013 (285263) 1 。
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分類 | 小惑星 | |
軌道の種類 | アモール群[1] 地球近傍小惑星 (PHA)[1] 金星横断小惑星 地球横断小惑星 火星横断小惑星 | |
発見 | ||
発見日 | 1998年8月19日[1] | |
発見者 | LINEAR[1] | |
発見方法 | 自動検出 | |
軌道要素と性質 元期:TDB 2456400.5 (2013年4月18.0日)[1] | ||
軌道長半径 (a) | 2.42150921(3) AU[1] | |
近日点距離 (q) | 0.57104464(3) AU[1] | |
遠日点距離 (Q) | 3.80429908(4) AU[1] | |
離心率 (e) | 0.571044644(3)[1] | |
公転周期 (P) | 1376.345969(1) 日[1] (3.77 年[1]) | |
軌道傾斜角 (i) | [1] | 12.854230(9) 度|
近日点引数 (ω) | 345.61225(3) 度[1] | |
昇交点黄経 (Ω) | 250.17155(2) 度[1] | |
平均近点角 (M) | 351.607302(4) 度[1] | |
EMoid | 524万0518.0 km (0.0350307 AU[1]) | |
前回近日点通過 | JED 2456432.58682(1)[1] (2013年5月20日[1]) | |
次回近日点通過 | JED 2457808.93279 (2017年2月24日) | |
衛星の数 | 1 | |
物理的性質 | ||
直径 | 2.75 km[2] | |
質量 | 1.17 × 1013 kg | |
平均密度 | 1.07 g/cm3 | |
自転周期 | 4時間[3] | |
絶対等級 (H) | 17.073 ± 0.66937[1] | |
アルベド(反射能) | 0.06[2] | |
他のカタログでの名称 | ||
285263 1998 QE2 1998 QE2 |
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■Template (■ノート ■解説) ■Project |
S/2013 (285263) 1 | ||
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分類 | 小惑星の衛星 | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 6.4km[3] | |
公転周期 (P) | 1日8時間[3] | |
物理的性質 | ||
直径 | 600 m[3] | |
他のカタログでの名称 | ||
S/2013 (1998 QE2) 1 S/2013 (1998 QE2) 1 |
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■Template (■ノート ■解説) ■Project |
(285263) 1998 QE2 とは、アモール群に属する、潜在的に危険な小惑星に分類される地球近傍小惑星の1つ[1]。衛星 S/2013 (285263) 1 を持つ。
概要
[編集]1998 QE2 は、1998年8月19日にリンカーン地球近傍小惑星探査によって発見された[1]。絶対等級17.073の小惑星であり[1]、推定される直径は2.75kmである。これは地球に接近する小惑星の中では大型の部類である。アルベドは0.06と暗く、表面が黒っぽい物質で覆われていると考えられている[2]。その事から、かつてこの小惑星は彗星であった可能性もあるが、不明である[4]。自転周期は4時間である[3]。また、後述する衛星の軌道の性質から、質量は117億トン、完全な球体と仮定した場合の平均密度は1.07 g/cm3である。
軌道の性質
[編集]1998 QE2 は、近日点距離が水星軌道と金星軌道の中間付近、遠日点距離は火星軌道を超えて小惑星帯に位置する楕円軌道を3.77年周期で公転している。地球の公転軌道との最小距離 (EMoid) は0.035AUである。これは直径と併せ、潜在的に危険な小惑星に分類される要件を満たしている。また、軌道が詳細に分かっており、2011年9月12日に小惑星番号285263番を与えられている[1]。
発見より後の時期で接近した、協定世界時2013年5月31日20時59分の地球への接近は、1900年から2200年の間で最も地球に接近したものである。最小距離は約586万km (0.0392AU) である[1]。このときの見かけの等級は約11であった[2]。
衛星
[編集]2013年5月31日の地球への接近を機会に5月29日、ゴールドストーン深宇宙通信施設が 1998 QE2 の電波領域での観測を行った。その結果、1998 QE2 のある程度の形状が判明したほか、1998 QE2 のすぐ近傍に新たな天体が見つかった。約600mの直径を有すると推定されるその天体は、その距離から 1998 QE2 の衛星であると推定された。衛星の仮符号を用いると、名称は S/2013 (285263) 1 となる[5]。
なお、電波領域での画像では、S/2013 (285263) 1 は 1998 QE2 よりも明るく写っているが、これは S/2013 (285263) 1 のアルベドが 1998 QE2 と比較して高い事を示しているのではなく、S/2013 (285263) 1 の公転周期が 1998 QE2 の自転周期と比べて早く移動しているため、ドップラー効果で電波強度が強くなっているからである[5]。観測データを分析した結果、1998 QE2 から6.4km離れた位置を32時間かけて公転していると推定されている[3]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 285263 (1998 QE2) JPL Small-Body Database Browser
- ^ a b c d (285263) 1998 QE2 Goldstone Radar Observations Planning Jet Propulsion Laboratory
- ^ a b c d e f (285263) 1998 QE2 Johnston's Archive
- ^ Dark, massive asteroid to fly by Earth on May 31 Phys.org
- ^ a b NASA Radar Reveals Asteroid Has Its Own Moon Jet Propulsion Laboratory
関連項目
[編集]
前の小惑星 (285262) 1998 MQ36 |
小惑星 (285263) 1998 QE2 |
次の小惑星 (285264) 1998 FQ5 |