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SDカード (運転免許)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SDスーパーゴールドカード(20年以上)

SDカード英称Safe Driver Card)は、警察庁が所管する自動車安全運転センターが発行する無事故無違反の携帯用証明証である。

概要

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SDカードは無事故無違反を続けている期間により、次の区分があり、裏面には「無事故無違反の証」と記され都道府県名と番号が表示されている。

  • グリーン(若草色):1年以上2年未満
  • ブロンズ(銅色):2年以上4年未満(従来は水色[1]
  • シルバー(銀色):4年以上10年未満
  • ゴールド(金色・枠なし):10年以上20年未満
  • スーパーゴールド(金色・枠あり):20年以上

各都道府県の自動車安全運転センター(=運転免許試験場内)に無事故・無違反証明書か運転記録証明書を申し込む(証明1件につき670円)と、証明日以前に1年以上事故や違反の記録がない場合、後日郵送で証明書と一緒にSDカードをもらえる。殆どの指定自動車教習所では、卒業検定の料金に申請手続きの手数料を含めているか、もしくは諸経費などの名目で別途670円の申請料を徴収するなどを経て、卒業から1年後まで無事故無違反を続けていれば、自動的にカードと証明書が送られて来る。

なお、事故や交通違反検索の対象期間には、全ての種類の保持期間が含まれる。例えば、10年以上前に何らかの運転免許証を取得し、その後無事故無違反である人に対して「金色の証明」がなされる場合、その証明の日から10年だけ遡って「この10年間事故がない」と記されるわけではなく、日本の運転免許(種類を問わない)を初めて取った日から、証明の日まで無事故無違反である旨の記載がなされる。途中にうっかり失効等で欠落期間があっても、運転免許証の番号が変わらなければ、そこで途切れることはなく、最初の免許取得日が始期として表記される。そのような場合、失効前の部分については「旧免許」の期間であることも付記される。

効力

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交通反則通告制度や人身交通事故が無い公的証明書であり、法的な効果は何も持たないが、一例としては、個人タクシーの申請、運送事業所における安全運転意識の啓発を目的に活用されている。また、社用で社用車を運転するための社内資格として、SDカード取得を義務付けている事業者もある。さらには、就職時のチェック項目の1つとして活用している事業者もある。

安全運転に対する一種の特典制度でもあり、優遇店にはロードサイド店舗が多い。

使用可能な業種

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ガソリンスタンド(給油・洗車やオイル交換などの割引)、金融機関(マイカーローンの金利優遇)、ゴルフ場(プレー料金の割引)、運転代行指定自動車教習所(入校料金割引)など、優遇される業種や割引内容は複数ある。

問題点

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免許の更新は5年毎だがSDカード優遇店および施設・サービスはカードの色に関係なく、それぞれの特典有効期間がばらばら(発行日から1年間のみ有効のところもあれば、5年間まるまる有効なところもある)で年数が経つほど有効期限を過ぎていて、特典の対象外となってしまう優遇店もある。

運転免許更新時に警察官から「交通事故の裁判などの際にSDカードがあれば無事故・無違反の証明となり、弁護側に有利になる」とSDカード更新を勧誘されるが、実際には刑事事件の裁判で被告人の違反・前歴証明は検察側にあり、SDカードがなくても一切不利にはならない。

SDカード発行手数料だけで年間54億円もの収入があり、そのうち役職員給与だけで33億円が支払われている(2007年平成19年〉度)。常勤役員は警察庁や自治省・財務省の天下り役人で占められており、交通安全協会と同様に典型的な天下り商売との批判も強い[2]

脚注

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  1. ^ SDカードの見本”. 自動車安全運転センター. 2004年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2004年2月22日閲覧。
  2. ^ 第156回通常国会 内閣委員会議事録 第7号”. 衆議院 (2003年4月25日). 2020年5月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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