SMN2
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SMN2(survival of motor neuron 2、運動神経細胞生存遺伝子2[5])は全長および切断型SMNタンパク質をエンコードする遺伝子である[6][7]。
SMN2
[編集]SMN2は染色体5q13に存在する500kbの逆位重複領域に存在する遺伝子である。この重複領域は最低でも4つの遺伝子と繰り返し要素を含み、再構成と欠失を生じやすい。この領域の繰り返し構造と複雑さは、ゲノム領域の構成を決定することを困難にしている。テロメア側のコピーであるSMN1とセントロメア側のコピーであるSMN2遺伝子はほぼ同一であり、同じタンパク質をエンコードする。2つの遺伝子の重要な違いは、エクソン7に位置する単一のヌクレオチドであり、これはエクソンスプライシングエンハンサーと考えられている。このヌクレオチドの違いにより、SMN2遺伝子の80-90%の転写産物が切断型で生物学的な機能を持たない不安定型 (Δ7SMN) となり、たった10-20%の転写産物が全長タンパク質 (fl-SMN) となる。
SMN1とSMN2の両方の遺伝子の9つのエクソンは、歴史的にエクソン1、2a、2b、3-8と命名されている。遺伝子変換現象が2つの遺伝子に関連しており、それぞれの遺伝子のコピー数のばらつきをもたらしていると考えられている。
臨床的意義
[編集]SMN1の変異は脊髄性筋萎縮症を引き起こすが、SMN2の変異ではこの病気は起きない。SMN2のコピー数が多いほどこの病気の症状は軽減される傾向にある[8]。
脚注
[編集]- ^ a b c GRCh38: Ensembl release 89: ENSG00000277773、ENSG00000205571、ENSG00000273772 - Ensembl, May 2017
- ^ a b c GRCm38: Ensembl release 89: ENSMUSG00000021645 - Ensembl, May 2017
- ^ Human PubMed Reference:
- ^ Mouse PubMed Reference:
- ^ “SMAの原因|PLUS CHUGAI 中外製薬医療関係者向けサイト(医師向け)”. chugai-pharm.jp. 2021年10月18日閲覧。
- ^ Lefebvre, Suzie; Bürglen, Lydie; Reboullet, Sophie; Clermont, Olivier; Burlet, Philippe; Viollet, Louis; Benichou, Bernard; Cruaud, Corinne et al. (1995-01). “Identification and characterization of a spinal muscular atrophy-determining gene” (英語). Cell 80 (1): 155–165. doi:10.1016/0092-8674(95)90460-3 .
- ^ “SMN2 survival of motor neuron 2, centromeric [Homo sapiens (human) - Gene - NCBI]”. www.ncbi.nlm.nih.gov. 2021年2月16日閲覧。
- ^ Calucho, Maite; Bernal, Sara; Alías, Laura; March, Francesca; Venceslá, Adoración; Rodríguez-Álvarez, Francisco J.; Aller, Elena; Fernández, Raquel M. et al. (2018-03). “Correlation between SMA type and SMN2 copy number revisited: An analysis of 625 unrelated Spanish patients and a compilation of 2834 reported cases”. Neuromuscular Disorders 28 (3): 208–215. doi:10.1016/j.nmd.2018.01.003. ISSN 0960-8966 .
参考文献
[編集]この記事には、パブリックドメインのアメリカ国立医学図書館の資料が組み込まれています。