SS.11 (ミサイル)
ホワイトサンズ・ミサイル博物館に展示されているSS.11 | |
種類 | 対戦車ミサイル |
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製造国 | フランス |
製造 | ノール・アビアシオン |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 165mm |
ミサイル全長 | 1,190mm |
ミサイル重量 | 30kg |
射程 | 500-3,000m |
誘導方式 | MCLOS |
飛翔速度 | 190m/秒 |
SS.11は、ノール・アビアシオンが製造した有線MCLOSの対戦車ミサイルである。フランス陸軍には1956年から配備され、1980年代の生産終了までにおよそ18万発が製造された。
アメリカ軍の型式番号はAGM-22。
開発
[編集]SS.10(Nord-5203)の後継機として1953年に開発が始められた。開発コードは"Nord-5210"。このミサイルは、SS.10の大型化および車両、艦船、ヘリコプターから射撃可能という要求仕様に基づいて開発された。フランス陸軍に採用されると、SS.11の型式が与えられた。
B型は、電子部品の一部をソリッドステートのものに改良したミサイルである。
実績
[編集]アメリカは、1958年にSSM-A-23 ダートの開発が中止されると、SS.11の評価試験を始め、1961年に導入が決定した。このミサイルはUH-1B ヒューイに搭載され、運用された。
初めて戦場に投入されたのはベトナム戦争の最中の1966年である。1979年には退役し、後継機としてBGM-71 TOWが配備された。イギリス空軍では、フォークランド紛争にて少なくとも4発が発射され、アルゼンチンの砲兵隊を攻撃している。
手動による誘導のため、ミサイルの性能は悪く、射撃には訓練が必要とされる。フランス海軍ではSS.11 4連装発射機を搭載した高速戦闘艇「ラ・コンバタント」(La Combattante, P730)を建造したが、動揺する艦上からの手動誘導は無理があり、後にエグゾセの試験艦となっている。
特徴
[編集]弾頭の交換が可能である。
- 140AC
- 成形炸薬弾 - 600mmの均質圧延スチール装甲板を貫通できる。
- 140AP02
- 榴弾。
- 140AP09
- 対人用弾頭。
- 140CCN
- 対舟艇用弾頭。
発射時に1.2秒間発射薬が燃焼し、その後20秒間推進薬が燃焼することで飛行する。
誘導は噴射ガスの角度を変えて行われる。飛行中に回転することから、ミサイルと地面の位置関係を検出するジャイロスコープが搭載される。この構造は9M14 マリュートカ対戦車ミサイルと似ている。
派生
[編集]- SS.11/AGM-22
- SS.11A1/XAGM-22A
- SS.11B1/XAGM-22B
- SS.11B1(演習弾)/XATM-22B