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SWERY

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SWERY
2011年
生誕 末弘秀孝
国籍 日本の旗 日本
出身校 大阪芸術大学
職業 ゲームクリエイター
活動期間 1996年 -
宗教 仏教浄土真宗本願寺派
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SWERY(スエリー)は、日本のゲームクリエイター。株式会社White Owls代表取締役。本名は末弘 秀孝(すえひろ ひでたか)。

経歴

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を営む両親のもとに生まれる。高校生の17歳の時には仏教に関する資格を取得する[1][2]

進学した大阪芸術大学では映画と映像広告を専攻し、当時教授を務めていた映画監督中島貞夫のもとで学ぶ[3]。卒業制作で書いたシナリオが中島から褒められ、中島組のシナリオにどうか、と映画製作に誘われるが、これを断り、1996年、実家の近所にあったSNKに入社する[3][4]

SNKでは『風雲スーパータッグバトル』と『月華の剣士』シリーズ2作品に携わる[4]。その後退社し、1999年、かつて『魔界村』を手掛けた藤原得郎の会社(ウーピーキャンプ)に移籍して『トンバ!ザ・ワイルドアドベンチャー』を制作[5][4]、さらにその後、藤原とソニーの合弁会社ディープスペースに移籍し、『EXTERMINATION』で初めてメインプランナーを担当する[4]。しかし、SWERYはメインプランナーではなくディレクションをやりたいという思いが強かったため、自身の会社を興すことを藤原に伝えて退社し、2002年1月に株式会社アクセスゲームズを設立する[4][6]。なお、その後にアクセスゲームズが加賀電子グループの傘下に入ったことを受けて2004年頃に株を手放しており、創業者でありながら雇われ役員のような立場となっている[4]

2010年発売の『レッドシーズプロファイル』(英題:Deadly Premonition)は世界でカルト的な人気となり、2012年のギネスブック・ゲーマーズエディションにおいて「世界で最も評価が分かれたサバイバルホラーゲーム」として登録された[7]。また、ゲームクリエイターの話題を扱うアメリカの雑誌「Game Developer英語版」の2010年11月号にて、ゲーム業界に貢献した50人のクリエイターの1人としてSWERYが選出された[8][9]

2014年発売の『D4: Dark Dreams Don't Die』は発売前から注目を集め、前年の2013年には、アメリカのゲーム開発者向けイベント「Game Developers Conference」で、発売前の革新的な10作品を表彰する「GDC NEXT 10」に選出された[10]。また、2015年のGame Developers ConferenceではSWERYが登壇し、「Designing for Empathy with Sensory Replication in D4」(「D4」における感情移入と感覚再現を目指したゲームデザイン)という題で講演を行っている[11][12]

2015年11月6日、自身が罹患した反応性低血糖症の治療のため少しの間ゲーム開発から離れて療養すると発表[13]。この療養期間にSWERYは京都の寺で共同生活を送り、2016年、高校生時代に取得した資格より1つ上の「教師」の資格(住職になるための資格)を取得する[1][2]。その後、2016年8月31日をもってアクセスゲームズの取締役を退任したことを10月31日付の自身のTwitterアカウントで報告[14]、翌11月1日に新スタジオのWhite Owlsを設立する[15]

2021年、モスクワ国際ホラー映画祭&アワードにおいて、「For the international contribution to the development of horror genre in film industry」(映画界におけるホラージャンルの発展への国際貢献に対して)として賞が授与された[16]

2023年、グラスホッパー・マニファクチュア須田剛一とのコラボ作品『Hotel Barcelona』を発表する。元々は須田の『Travis Strikes Again: No More Heroes』のイベントにSWERYが呼ばれた際に須田が思いつきのようにコラボを宣言した事が発端であり、その後、本当に二人で企画を突き詰めて実現に至った[17]

人物

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  • 「SWERY」という名前は、大学時代に周囲から「スエリー」と呼ばれていたことが由来となっている。また、海外の人と仕事をする機会が多いため、本名ではなく「SWERY」と名乗っている[18]
  • 出張などの際には、サルぬいぐるみの「シャラポワ」を連れている。2014年のドイツのゲームイベント「Gamescom」で初めて公開された[2]。インタビューを受ける際にはシャラポワを同席させることが多い[4][5]。White Owlsの公式ホームページには、シャラポワが「PR担当者」として鳴き声とともに掲載されている[19]
  • 前述のようにSWERYは仏教徒であるが、自身の作品内に直接的な仏教の要素は入れていない。これについてSWERYは、宗教をコマーシャルに使うのは自身の主義に反しているという考えや、修行が足りていない中で取り入れるのは不遜すぎると感じていることを理由に挙げている[2]。一方、仏教から影響を受けている点として、人間にこだわったモノづくりをしていること、また、人間の力ではどうしようもないことがあることを学び「人智を超えた存在」が作品内で描かれていることを挙げている[1]

作品

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脚注

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  1. ^ a b c クラベ・エスラ (2016年9月12日). “「レッド・シーズ・プロファイル」のSWERY氏が業界初のお坊さんゲームクリエイターに?”. IGN Japan. 2024年5月27日閲覧。
  2. ^ a b c d 欧米で絶大な支持を集める大阪人ゲームクリエイターSWERY氏インタビュー (4/4)”. GAME Watch (2017年1月16日). 2024年5月27日閲覧。
  3. ^ a b アクセスゲームズSWERY、PC版『D4』発売インタビュー[後編]”. AUTOMATON (2015年6月1日). 2024年5月27日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 欧米で絶大な支持を集める大阪人ゲームクリエイターSWERY氏インタビュー (1/4)”. GAME Watch (2017年1月16日). 2024年5月27日閲覧。
  5. ^ a b ついに新作「THE GOOD LIFE」を発表したSWERY氏にインタビュー。「月華の剣士」から「D4」へ,そして新スタジオWhite Owlsで新作の制作を始めた同氏のこれまでとこれから”. 4Gamer.net (2017年10月7日). 2024年5月27日閲覧。
  6. ^ Bitsummit” (英語). 2017年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月27日閲覧。
  7. ^ SWERY氏が手がけた「レッドシーズプロファイル」の続編「Deadly Premonition 2」は,Switchで7月10日リリースへ”. 4Gamer.net (2020年4月30日). 2024年5月27日閲覧。
  8. ^ The Game Developer 50 (1/5)” (英語). Gamasutra. 2015年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月27日閲覧。
  9. ^ The Game Developer 50 (2/5)” (英語). Gamasutra (2010年11月17日). 2015年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月27日閲覧。
  10. ^ “GDC Next, App Developers Conference see nearly 4,000 in attendance - GDC News” (英語). GDC News. (2013年11月8日). http://www.gdconf.com/news/gdc_next_app_developers_confer_1/ 2016年10月11日閲覧。 
  11. ^ Designing for Empathy with Sensory Replication in D4” (英語). GDC Vault. 2024年5月27日閲覧。
  12. ^ [GDC 2015]Sweryこと末弘秀孝氏がゲームの開発手法を一挙に公開。PC版「D4」のデモプレイも披露されたセッションをレポート”. 4Gamer.net (2015年3月6日). 2024年5月27日閲覧。
  13. ^ お知らせ。”. Cafe SWERY65 (2015年11月6日). 2024年5月27日閲覧。
  14. ^ 野口広志 (2016年10月31日). “SWERY氏がアクセスゲームズの取締役を退任、現在の心境を語ってもらった”. IGN Japan. 2024年5月27日閲覧。
  15. ^ ミル☆吉村 (2017年1月16日). “『レッドシーズプロファイル』、『D4』などでカルト的な人気を誇るSWERY氏が新スタジオWhite Owlsを設立。インタビューでその経緯を聞いた”. ファミ通.com. 2024年5月27日閲覧。
  16. ^ SWERY 公式Xアカウント” (2021年8月30日). 2024年5月27日閲覧。
  17. ^ 「ホテル・バルセロナ」は実在した! SWERY×須田剛一コラボ作品のうそのようなほんとの話と,イカサマありなVRゲーム「デス・ゲーム・ホテル」の始まりの話” (2024年7月21日). 2024年10月29日閲覧。
  18. ^ 大阪で働く~独特の文化を育んできた、この地でのCG制作の魅力とは~”. CGWORLD.jp (2014年10月28日). 2024年5月27日閲覧。
  19. ^ ご挨拶”. 株式会社White Owls. 2024年5月27日閲覧。

外部リンク

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