サラ・マクブライド
Sarah McBride | |
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デラウェア州上院議員 1st選出 | |
就任 2021年1月 | |
後任者 | Harris McDowell III |
個人情報 | |
生誕 | 1990年(33 - 34歳)[1] ウィルミントン (デラウェア州)、U.S. |
政党 | 民主党 |
配偶者 | Andrew Cray (結婚 2014年; 死別 2014年) |
教育 | アメリカン大学(BA) |
公式サイト | 公式ウェブサイト |
サラ・マクブライド(英語: Sarah McBride、1990年8月9日-)は、アメリカの活動家で、デラウェア州上院議員選挙で当選した2021年1月に就任予定の政治家である。現在、彼女はヒューマン・ライツ・キャンペーンのNational Press Secretaryである[2][3]。2020年9月15日に民主党の予備選挙で勝利したあと、2020年11月の選挙において民主党の第1デラウェア州上院地区で当選した。就任すれば、国内初めてのトランスジェンダーの州上院議員になる予定である[4][5][6][7][8]。
マクブライドは、雇用・住居・保険・公共施設におけるジェンダー・アイデンティティに基づく差別を禁止するデラウェア州の法律の可決に大きく貢献している[9]。2016年7月、彼女は2016年民主党全国大会で講演を行った。これにより、トランスジェンダーであることをオープンにしている、主要な政党の党大会で講演したアメリカの歴史で初めての人物になった[10][11][12][13]。
2018年、マクブライドは『Tomorrow Will Be Different: Love, Loss, and the Fight for Trans Equality』という書籍を出版した。
経歴
[編集]若年期と教育
[編集]サラ・マクブライドはデラウェア州ウィルミントンでDavid McBrideとSally McBrideの間に生まれた[14]。カミングアウトをする前は、デラウェア州司法長官ボー・バイデンの2010年のキャンペーンや州知事Jack Markellの2008年のキャンペーンなど、デラウェアでキャンペーンのスタッフとして働いていた。2011年、マクブライドアメリカン大学の生徒会長に当選した。生徒会長としての最後の週に大学新聞のThe Eagleで、トランス女性であることをカミングアウトしたことで、国際的な注目を集めた[15]。
マクブライドのカミングアウトは、NPR、The Huffington Post、レディー・ガガのBorn This Way Foundationで大きく取り上げられた[16][17][18]。カミングアウト後、マクブライドはデラウェア州司法長官のボー・バイデンから電話を受け、"Sarah, I just wanted you to know, I'm so proud of you. I love you, and you're still a part of the Biden family."(「サラ、ひとつだけ言わせてください。僕はあなたをとても誇りに思う。大切に思う。これからも家族同様に思ってください」)と言われた。副大統領のジョー・バイデンも同様の気持ちを表し、彼女を誇りに思い、幸せを願う気持ちを共有した。2012年、マクブライドはホワイトハウスのインターンに参加し、すべての立場の中でトランスジェンダー女性であることをオープンにしている初めての人物となった。マクブライドはWhite House Office of Public Engagement and Intergovernmental AffairsでLGBTの問題に関する仕事をした[19][20]。Second Ladyのジル・バイデンは、2015年5月のスピーチの中でサラのストーリーを話した。ジルはそれに加えて、「私たちは、若い人たちがどんな姿をしているか、出身地がどこか、ジェンダーアイデンティティが何か、どんな人を愛するかに関わらず、その人がどんな人間であるかによって評価されるべきだと信じています。」と話した[21]。
活動
[編集]2013年1月、マクブライドはEquality Delawareの取締役会に参加してすぐ、デラウェア州民のトランスジェンダーに対する法的保護とヘイトクライムに関する法案の主な支持者になった。マクブライドと彼女の家族は、雇用、住居、保険、公共施設でジェンダーアイデンティティとその表現に基づいた差別からデラウェア州民を法的に保護するためのロビー活動を先導した[22][23]。法案の主なスポークスパーソンを務めたことに加えて、Jack Markell知事と司法長官ボー・バイデンとの緊密な関係を築き、法案が両議員に高く支持されたことで評価された。法案が州上院で1票差で可決された後、州下院では24-17で可決された。その後、2013年6月に修正法案が州上院で再可決され、すぐにJack Markell知事により署名された[24]。
法案に署名した後、Markellは次のように述べた。「私は特に、たまたまトランスジェンダーとして生まれた、知的で才能のあるデラウェアの友人サラ・マクブライドに感謝したい。彼女は勇気を持って総会で登壇し、ジェンダー・アイデンティティとの個人的な闘いについて説明し、大学卒業後に恐れることなく自宅に帰りしたいという願いを伝えました。この法案の可決に向けた彼女の絶え間ない支援によって、マクブライドはデラウェアに住むすべてのトランスジェンダーの人々のために現実の変化を起こしました。」[25]
デラウェアのジェンダー・アイデンティティ保護とヘイトクライムの法の可決後、マクブライドはアメリカ進歩センターのLGBT進歩チームで働いた[26]。マクブライドはさまざまな大学やLGBTイベントで演説を行った。これには、ヒューマン・ライツ・キャンペーンNational Dinner[20]、ヒューマン・ライツ・キャンペーンLos Angeles Dinner[27]、Victory Fund National Brunch[22]、ペンシルベニア大学[22]、ゲティスバーグ大学[22] などがある。DelawareLiberal.netは、2014年のTrans 100のランキングで[23]、マクブライドをデラウェアでMost Valuable Progressiveとしてランキングした[28]。MIC.comは、今後数年間で変化を起こす50人のミレニアル世代の1人に選んだ[29]。2015年のNewStatesmanの記事では、高い官公庁に当選する初めてのトランスジェンダーのアメリカ人になるだろうと予想されている[30]。マクブライドはアメリカ合衆国住宅都市開発省が開催した若者と職場のいじめに関する「GLOBE Pride 2016」でパネリストを務めた。これまでにマクブライドは、The New York Times、The Huffington Post、The Washington Post、The Boston Globe、Al Jazeera、PBS NewsHour、Teen Vogue、North Carolina Public Radio、The New Yorker、MSNBC、ThinkProgress、Buzzfeed、NPRなどで紹介されている。
2016年4月、マクブライドは"Gender assigned to us at birth should not dictate who we are."(『たまたま出生時に割り当てられたジェンダーごときに、自分が何者であるか指図されることなどあってはならないのです』)というタイトルのTEDトークを行った[31][32]。彼女は、ヒラリー・クリントンを支援するトランスジェンダーの人々とその支援者の教育・動員に取り組む、Trans United for Hillaryの運営委員会も務めた[33]。
2016年7月28日、2016年民主党全国大会で演説したことで、マクブライドはトランスジェンダーであることをオープンにしている人物で初めて全国党大会で演説した人物になった。彼女のスピーチは4分以下だったが、亡くなった夫のAndrew Crayと彼のLGBTの権利への取り組みに敬意を表した[34]。
2019年7月9日、マクブライドはデラウェア州上院への立候補を正式に発表した。サラはヘルスケアと、有給の家族休暇と医療休暇に注力すると述べた[35]。
マクブライドは2021年1月にデラウェア上院議員として就任し、アメリカ合衆国で初めてのトランスジェンダーの州上院議員になる予定である。彼女は、任期の終わりで引退する予定の民主党のHarris McDowell IIIに代わって就任する[5][6][7][8][36]。
個人生活
[編集]2014年8月、マクブライドはAndrew Crayが末期がんの診断を受けた後に彼と結婚した。聖公会の司教(英語: Episcopal Bishop)のジーン・ロビンソンが式典を主宰した。婚姻の4日後、Crayはがんで亡くなった[37]。
選挙の履歴
[編集]予備選挙 | ||||
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政党 | 候補者 | 得票数 | % | |
民主党 | Sarah McBride | 7,902 | 91.3 | |
民主党 | Joseph McCole | 752 | 8.7 | |
総票数 | 8,654 | 100 | ||
総選挙 | ||||
民主党 | Sarah McBride | 16,861 | 73.3 | |
共和党 | Steve Washington | 6,143 | 26.7 | |
総票数 | 23,004 | 100 |
出典
[編集]- ^ “Wilmington native to address DNC”. Delaware Business Times. (July 26, 2016) November 3, 2020閲覧。
- ^ “Staff”. Human Rights Campaign. July 27, 2016閲覧。
- ^ “Sarah McBride”. Human Rights Campaign. July 27, 2016閲覧。
- ^ Epstein (September 15, 2020). “Sarah McBride Is Set to Be the Nation's Highest-Ranking Transgender Official”. The New York Times. 2020年11月8日閲覧。
- ^ a b Nagasaka, Yoko (2020年11月4日). “デラウェア州で米国初のトランスジェンダーの議員が誕生”. ELLE. 2020年11月5日閲覧。
- ^ a b Takahashi, Rikako. “ゲイの黒人男性に、トランスジェンダー女性。アメリカで「歴史的初当選」続出”. BuzzFeed. 2020年11月5日閲覧。
- ^ a b 「米連邦議会選、上院は共和党が維持へ 下院は民主党維持の見通し」『BBCニュース』。2020年11月5日閲覧。
- ^ a b “トランスジェンダーを公表する初の州議会上院議員が誕生へ。サラ・マクブライド氏「LGBTQの子供たちに民主主義の重要さを示したい」”. ハフポスト (2020年11月4日). 2020年11月5日閲覧。
- ^ Karlan (June 20, 2013). “Delaware Passes Trans Protections, With Help From A Young Advocate”. BuzzFeed. April 7, 2014閲覧。
- ^ “HRC's Sarah McBride, Chad Griffin to Speak at DNC”. Human Rights Campaign. July 27, 2016閲覧。
- ^ “At This Week's DNC Sarah McBride Will Become First Openly-Transgender Speaker to Address Major Party”. The New Civil Rights Movement (July 24, 2016). July 27, 2016閲覧。
- ^ “Dems add first transgender speaker to convention lineup”. The Hill. (July 14, 2016) July 27, 2016閲覧。
- ^ “HRC's Sarah McBride to become first openly trans person to speak at a major party convention”. Gay Times July 27, 2016閲覧。
- ^ Blakely, Rhys (March 17, 2018). “Sarah McBride: is she the transgender woman to change American politics?”. The Times (London, UK) June 13, 2018閲覧。
- ^ McBride, Sarah (May 1, 2012). “Op-Ed: The Real Me”. The Eagle November 4, 2020閲覧。
- ^ Landau, Lauren (June 8, 2012). “From Tim To Sarah: AU Student Body President Unveils Big News”. WAMU 88.5 April 7, 2014閲覧。
- ^ McBride (May 9, 2012). “The Real Me”. The Huffington Post. April 7, 2014閲覧。
- ^ “Coming Out Ok”. Born This Way Foundation. April 7, 2014閲覧。
- ^ “Transgender White House intern reflects on Obama's historic LGBT legacy”. The Washington Post. (December 1, 2015) July 27, 2016閲覧。
- ^ a b Landau (December 20, 2013). “One Woman's Life After Coming Out As Transgender”. WAMU 88.5. April 7, 2014閲覧。
- ^ “Jill Biden on LGBT Rights at Human Rights Campaign Dinner”. U.S. Embassy. July 27, 2016閲覧。
- ^ a b c d “The McBride Family Talks About Gender Identity Protections”. YouTube (February 11, 2013). July 27, 2016閲覧。
- ^ a b Lavers, Michael (June 25, 2013). “AU graduate credited with securing passage of Del. transgender rights bill”. The Washington Blade April 7, 2014閲覧。
- ^ Rini, Jen (June 19, 2013). “Delaware Senate OKs transgender bill; Markell signs into law”. Delaware State News April 7, 2014閲覧。
- ^ “Governor Signs Gender Identity Nondiscrimination Act”. State of Delaware News. (June 19, 2013) April 7, 2014閲覧。
- ^ “Sarah McBride”. Center for American Progress. April 7, 2014閲覧。
- ^ “Sarah McBride in Human Rights Campaign Los Angeles Gala 2015”. Zimbio. November 17, 2015閲覧。
- ^ “Honoring the 2013 MVP's (Most Valuable to the Progressive Cause)”. Delaware Liberal (December 31, 2013). April 7, 2014閲覧。
- ^ “Meet the Mic 50: Sarah McBride”. Mic. November 17, 2015閲覧。
- ^ “The invisibility of transgender people in electoral politics around the world”. www.newstatesman.com (The New Statesman) November 17, 2015閲覧。
- ^ McBride (April 2016). “Gender assigned to us at birth should not dictate who we are”. YouTube. 2020年11月8日閲覧。
- ^ “TEDxMidAtlantic” (英語). tedxmidatlantic.com. 2020年11月8日閲覧。
- ^ “Green Gard in USA: what is it? What kind of Benefits of Green Card you can get?” (英語). GreenCardinUSA.com. 2019年7月8日閲覧。
- ^ “Who is Sarah McBride? A transgender activist who broke barriers at the White House.”. Washington Post. 2017年3月25日閲覧。
- ^ Mueller (9 July 2019). “Activist Sarah McBride launches bid for Delaware State Senate seat”. Delaware Public Media. 4 August 2020閲覧。
- ^ Chase, Randall (4 November 2020). “Delaware elects country's first transgender state senator”. The Peterborough Examiner. The Associated Press (Peterborough ON) 4 November 2020閲覧。
- ^ “Forever And Ever: Losing My Husband At 24”. The Huffington Post November 17, 2015閲覧。
- ^ “Delaware State Senate District 1”. Ballotpedia. September 30, 2020閲覧。
関連文献
[編集]- Reynolds, Andrew (October 15, 2018). The children of Harvey Milk : how LGBTQ politicians changed the world. Oxford University Press. pp. 149–167. ISBN 9780190460952