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SyncML

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

SyncMLSynchronization Markup Language)は、クロスプラットフォームで使えるXMLを基にしたデータ同期のオープン規格の以前の名前である。2000年12月17日にSyncML 1.0がリリース[1]、1.1は2002年2月26日にリリースされた[2]。このプロジェクトは現在、 オープン・モバイル・アライアンス (Open Mobile Alliance、OMA)で Data Synchronization (データ同期) プロジェクトとDevice Management (デバイス管理) プロジェクトとなっている。 SyncMLの目的は、既存のデータ同期ソリューションの代わりとなるオープン標準を提供することである。既存のデータ同期ソリューションは、ほとんどがベンダー、アプリケーション、オペレーティングシステムに固有となっている。

詳細

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SyncMLは、以下のように要求と応答のコマンドを交換することで機能する。

  • 携帯機器が、Alertコマンドを送信し、更新のみの同期を開始したいことを伝える
  • コンピュータは、Statusコマンドで要求を受け入れる応答をする
  • 携帯機器が、1つ以上のSyncコマンドを送り、各コマンドにはAddサブコマンドで電話帳エントリなどの追加項目が含まれる。エントリ数が多い場合は、<Final />タグは含まれない。
  • <Final/>タグが含まれなかった場合、コンピュータは適切なAlertメッセージの続行を要求し、携帯機器は別の項目を送信する。もしくは、コンピュータはStatusコマンドですべてのデータを受信したことを確認する。

コマンド(AlertSyncStatusなど)はメッセージにグループ化される。各メッセージとその各コマンドには識別子があるため、MsgID、CmdIDのペアがコマンドを一意に決定する。 Statusコマンドなどの応答には、コマンドを識別するペアが続く。

コマンドの前に、メッセージにはトランザクションに関するさまざまなデータを指定するヘッダーが含まれる。前の例のように、更新同期を開始するためAlertコマンドを含むメッセージの例は次の通りとなる。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE SyncML PUBLIC "-//SYNCML//DTD SyncML 1.2//EN" "http://www.openmobilealliance.org/tech/DTD/OMA-TS-SyncML_RepPro_DTD-V1_2.dtd">
<SyncML xmlns="SYNCML:SYNCML1.2">
 <SyncHdr>
  <VerDTD>1.1</VerDTD>
  <VerProto>SyncML/1.1</VerProto>
  <SessionID>1</SessionID>
  <MsgID>1</MsgID>
  <Target><LocURI>PC Suite</LocURI></Target>
  <Source><LocURI>IMEI:3405623856456</LocURI></Source>
  <Meta><MaxMsgSize xmlns="syncml:metinf">8000</MaxMsgSize></Meta>
 </SyncHdr>

 <SyncBody>
  <Alert>
   <CmdID>1</CmdID>
   <Data>203</Data>   <!-- 203 = mobile signals a refresh from it to computer -->
   <Item>
    <Target><LocURI>Events</LocURI></Target>
    <Source><LocURI>/telecom/cal.vcs</LocURI></Source>
    <Meta><Anchor xmlns="syncml:metinf"><Last>42</Last><Next>42</Next></Anchor></Meta>
   </Item>
  </Alert>

  <Final/>
 </SyncBody>
</SyncML>

コンピュータからの応答は、次のようなxmlドキュメントとなる(説明のためにコメントが追加されている)。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE SyncML PUBLIC "-//SYNCML//DTD SyncML 1.2//EN" "http://www.openmobilealliance.org/tech/DTD/OMA-TS-SyncML_RepPro_DTD-V1_2.dtd">
<SyncML>
 <SyncHdr>
  <VerDTD>1.1</VerDTD>
  <VerProto>SyncML/1.1</VerProto>
  <SessionID>1</SessionID>
  <MsgID>1</MsgID>
  <Target><LocURI>IMEI:3405623856456</LocURI></Target>
  <Source><LocURI>PC Suite</LocURI></Source>
 </SyncHdr>

 <SyncBody>

  <!-- accept the header of the last message from the client -->
  <Status>
   <CmdID>1</CmdID>
   <MsgRef>1</MsgRef>
   <CmdRef>0</CmdRef>	<!-- 0 = header of the message -->
   <Cmd>SyncHdr</Cmd>
   <TargetRef>PC Suite</TargetRef>
   <SourceRef>IMEI:3405623856456</SourceRef>
   <Data>200</Data>	<!-- 200 = ok, accepted -->
  </Status>

  <!-- accept the request of the mobile for a sync -->
  <Status>
   <CmdID>2</CmdID>	<!-- this is command #2 -->
   <MsgRef>1</MsgRef>
   <CmdRef>1</CmdRef>	<!-- it respond to command msg=1,cmd=1 -->
   <Cmd>Alert</Cmd>
   <TargetRef>Events</TargetRef>
   <SourceRef>/telecom/cal.vcs</SourceRef>
   <Meta><Anchor xmlns="syncml:metinf"><Next>0</Next><Last>0</Last></Anchor></Meta>
   <Data>200</Data>	<!-- 200 = ok, accepted -->
  </Status>

  <Final/>
 </SyncBody>
</SyncML>

このトランザクションでは、その後、Syncコマンドを含む携帯機器からのメッセージを続行する。

この例は、携帯機器がすべてのデータをコンピュータに送信し、その逆は何も送信しない更新である。 Alertコマンドのさまざまなコードを使用して、他の種類の同期も開始できる。たとえば、「双方向同期」では、最後の同期からの変更のみがコンピュータに送信される。これでも同様のことが行われる。

LastタグとNextタグは、同期が失われる可能性の追跡に使用される。 Lastは、各デバイスで測定された、同期の最後の操作の時刻を表す。例えば、携帯機器側では、時間の順序を表す単調増加の番号(123、...)を使ったり、コンピュータ側では20140112T213401Z のような文字列を使ったりする。 Nextは現在の時刻を表し、Lastと同じ書式である。このタイミングで保存されたデータと、次の同期の際にLastと違いがある場合は、同期が失われていることを示す。非同期を検出すると、適切なアクションを実行して、デバイスを同期に戻す。必要に応じてすべてのデータの送信をすることもある。

アンカーは同期の喪失を検出するためにのみ使用され、送信されるデータを示すものではない。同期が失われた場合を除いて、通常の(更新されない)同期では、各デバイスは最後の同期以降のすべての変更を送信する。

関連項目

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脚注

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  1. ^ SyncML Delivers Tomorrow´s Technology Today”. SyncML.org (2000年12月7日). 2001年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。
  2. ^ SyncML Turns Two, Releases Specifications v1.1 for Mobile Data Sync”. SyncML.org (2002年2月26日). 2002年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。

外部リンク

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