秀和永田町TBRビル
（TBRビルから転送）
秀和永田町TBRビル（しゅうわながたちょうティービーアールビル）はかつて東京都千代田区に存在したテナントビル。略称はTBRビル。その跡地は現在「アパホテル国会議事堂前駅前」となっている[1]。
概要
[編集]1965年に建設されたビルで、地上11階・地下2階となっていた[2][3]。国会議事堂から西側に坂を下った首相官邸のはす向かいに位置しており、議事堂から約200メートル、徒歩数分という場所にあった[2][3][4]。
401号室に竹下登の個人事務所が置かれていたのを始め、竹下派幹部である梶山静六や渡部恒三、小渕恵三[2][5]のほか、加藤紘一らも事務所を置いていた[1]。竹下派全盛時代には政官財の要人による訪問が途切れず[3][6]、 金丸信事務所があった「パレロワイヤル」、小沢一郎が入居していた「十全ビル」の3つのビルを合わせて「権力のトライアングル」とも呼ばれていた[6]。
1994年には竹下派の跡を継いだ小渕派である平成研究会の事務所が砂防会館からTBRビルに移転した[2]。2000年に竹下が死去してからは、竹下の個人事務所は青木幹雄の個人事務所となった[7]。
リクルート事件ではTBRビルにある藤波孝生の個人事務所が金品受領の現場となった[8]。
2008年に前年の2007年から所有者となっていたスルガコーポレーションにより解体計画が水面下で進行しているとの報道されたが[6]、計画は進まず、スルガコーポレーションは2012年に売却した[9]。
解体後
[編集]2016年に跡地を取得したアパグループが、取得費用と合わせて200億円をかけたフラッグシップホテルを建設[1]。2019年に開業した[10]。
脚注
[編集]- ^ a b c “東京・永田町 あの政局の舞台がホテルに｜テレ東BIZ（テレビ東京ビジネスオンデマンド）”. テレビ東京. 2024年12月9日閲覧。
- ^ a b c d 「[永田町フィールドノート] 姿消す、旧竹下派 拠点ビル」『読売新聞』読売新聞社、2008年6月28日。
- ^ a b c 「「権力の館」歴史に幕――TBRビル、派閥政治の舞台（永田町インサイド）」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2008年7月17日。
- ^ 「自民党旧竹下派の根城「TBRビル」、取り壊しへ」『朝日新聞』朝日新聞社、2008年7月8日。
- ^ 「竹下氏、政権離れ「力」増す？――キングメーカー目指し「再登板期す」（地震計）」『日本経済新聞』日本経済新聞社、1989年6月11日。
- ^ a b c “旧経世会の牙城、永田町ＴＢＲビルの解体計画が浮上 権勢にますます陰り”. msn産経ニュース. msn (2008年6月2日). 2009年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月7日閲覧。
- ^ 松田賢弥 (2008), p. 126.
- ^ 「藤波、池田代議士を受託収賄で起訴 リ社献金をわいろと認定/東京地検=号外も」『読売新聞』読売新聞社、1989年5月23日。
- ^ 日経不動産マーケット情報 (2012年4月25日). “【売買】永田町TBRビルを売却、スルガコーポレーション”. 日経不動産マーケット情報. 2024年12月9日閲覧。
- ^ “アパ、国会議事堂前に500室 「アパホテルプライド〈国会議事堂前〉」開業 - 観光経済新聞”. 観光経済新聞 - 1950年創刊の観光業界専門メディア。本社テーマは「観光立国の実現は地方（地域）から」 (2019年4月1日). 2024年12月9日閲覧。
関連書籍
[編集]- 松田賢弥『逆臣青木幹雄』講談社、2008年6月27日。ASIN 406214445X。ISBN 978-4-06-214445-2。 NCID BA86552423。OCLC 675638470。全国書誌番号:21457926。