Tipos del País
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Tipos del País(ティポス・デル・パイス)は文字どおり「さまざまな生国(しょうごく=生まれ故郷)」[1]を意味し、植民地時代フィリピンの社会階層と職業を示す水彩画のスタイル。衣装を題材に、民族を描きわけようとした[2]。
歴史
[編集]1800年代になると、フィリピンの絵画界の主流を世俗的な主題が占めるようになる。教育を受けた社会層「イルストラド」(Ilustrado)が確立し、観光客が増え、また外国人が異国情緒あふれる土産品や装飾品を求めたことから、絵画の様式「ティポス・デル・パイス」が発展した。この分野で最も多作な画家はダミアン・ドミンゴ(en)で人気も最高であった[3]。
ギャラリー
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『フィリピン人のメスティーソ[注 1]』⁑植民地風正装。肩かけの布は民族衣装から取り入れたもの。
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『メスティーソ[注 1]の男性』⁑植民地風の正装にシルクハットと長傘
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フスティニアノ・アスンシオン『フィリピンのメスティーサ[注 1]』⁑ シャツに刺繍入りのオーバーブラウス、手元の「ハンカチ」とロングスカート、オーバースカートが植民地風民族衣装の正装。ロングスカートは細身で民族色が強い。
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『スペイン系フィリピン人のメスティーサ[注 1]』⁑植民地風の正装でも、裾広がりのロングスカートは西洋の影響が強い。
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『フィリピン先住民の農家の女性』⁑民族衣装はブラウスと細身のスカートに、オーバースカートを合わせて肩に1枚布をまとう。
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『フィリピン先住民の田舎の女性行商人』⁑1枚布のオーバースカートを胸高に結んで日除けの笠をかぶっている。
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『地元民のゴベルナドルシロ』⁂ 洋装の正装をした州知事。
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『フィリピン先住民の男性』⁂植民地風の正装。
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『イロカノ族の商人』⁂ 膝下丈の筒ズボンと白いシャツ
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『中国系混血のフィリピン人男女』⁑ 植民地風の正装
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『蓑(みの)とサラコットを着けたフィリピンの農民』⁑ 手元に山刀(なた)
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『クアドリレロ』⁂ 飾りのついたかぶりもの、シャツの裾をズボンの中に入れ、腰のベルトに小刀を差す。
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フスティニアノ・アスンシオン『サラコットをかぶりオンドリを抱いたフィリピンの農民』⁑ シャツの袖口と開襟、襟先に飾り布。
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『フィリピン先住民の男女』⁂ 女性はスカーフとズボンで肌の露出を抑えている。
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『馬に乗ったフィリピン先住民』⁂ 植民地風の正装。
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『馬に乗ったフィリピン先住民の女性』⁂ 植民地風の正装と帽子は階層をあらわす。
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『街頭の風景』⁂ さまざまな民族を服装で表現。
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『クンディマン[注 2]』⁂ 植民地風の正装で踊る男女。
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『マニラの中国系[注 3]商人』⁂ 左の男性は帽子も筒袖の上着、短めの太いズボンも中国風。右の女性は植民地風正装。
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『中国系フィリピン人の配達員』⁂ 髪型は弁髪。
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『中国人の茶売りチャンチャウレロ』⁂ 湯沸かしと水を天秤にかけて、路肩で茶を入れる茶売り。
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ロサーノ版『ティポス・デル・パイス』の1点⁂
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『先住民の客と混血中国人[注 3]の茶売り』⁂
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『麺料理パンシットの中国人露天商』⁂ 左の女性客は髪をスカーフで包んでいる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]関連資料
[編集]発行年順
- Roces, Mina (21 Apr 2015). “Dress, Status, and Identity in the Philippines: Pineapple Fiber Cloth and Ilustrado Fashion” (英語). Fashion Theory 17 (3): 341-372. doi:10.2752/175174113x13597248661828.
- Capistrano-Baker, Florina H (October 2017). “Trophies of Trade : Collecting Nineteenth-Century Sino-Filipino Export Paintings” (英語). Archives of Asian Art (Duke University Press) 67 (2).