利用者:Raisondetre
『MY LAST ROAR』(マイ・ラスト・ロア)はSNK・アークシステムワークス製作の格闘ゲーム「MY LAST ROAR -ART OF FIGHTING-」を原作としたアニメ作品。原作ゲームにはなかったオリジナルストーリーも交えて放送された。全24話。担当声優は原作ゲームに準拠している。
略称は『マイラス』『MLR』。
キャッチコピーは『譲れない"剣(モノ)"がある。』
ストーリー
[編集]西暦2000年、類稀なる身体能力と努力で極限流空手を極め、若くして師範代となり「無敵の龍」とその名を轟かせていた青年・坂崎隆。その名声と戦闘能力にとある組織が目を付ける。表社会では経済の均衡を図る巨大カルテル、裏社会ではマフィアとして暗躍するSWANT。隆はそのSWANTに寝込みを襲撃され拉致されてしまう。そのままSWANTが裏社会を牛耳るための人間兵器計画アスタリスク・エクスペリメント(通称・アスタ計画)に投入され、コードネーム・ライゼルト=ブレイカーとして文字通り地獄の訓練を強制される日々を送る。隆はその地獄の日々に耐えながら会得した力を利用して脱獄を強行するが、既のところで返り討ちに遭い落命してしまう。まるで眠りから醒める感覚に誘われ、ゆっくりと目を開いたその目に映ったのは壁に腰掛けている息絶えた自分自身だったーーーーーー
概要
[編集]現存する神器・聖剣のうち1つを所持する坂崎隆が、自らをアスタリスク・エクスペリメント(アスタ計画)と呼ばれるプロジェクトの実験台にしたSWANTの殲滅を目的として仲間と共に闘い抜くバトルアクションストーリーだが、仲間や家族との絆や愛、生と死の意義などへの描写も深くされており、ヒューマンストーリー色も強い。タイトルこそ原作ゲームの前作品である龍虎の拳2の続編とされているが、既存のキャラクター名は踏襲されているものの、全体的なストーリー・人物像・生い立ち(坂崎家の日本国籍化)・性格等は大幅に書き改められている。特に新たな主人公として隆、ヒロインとしてマリンの追加、聖剣の登場などが物語の方向性を一新しているため、ほぼ全くの新作になっていると言っても過言ではない。このため昔からの本シリーズファンには賛否両論あり、特に聖剣の登場には否定的な意見もある。
テーマ曲が全てDIR EN GREYの楽曲であるが、それは監督が当バンドの大ファンであり、その世界観が本作品にマッチしていたから、という意向からである。
主題歌
[編集]第一部「燈」
[編集]- オープニングテーマ『落ちた事のある空』
- 作詞:京 作曲:DIR EN GREY 歌:DIR EN GREY
- エンディングテーマ『Revelation of mankind』
- 作詞:京 作曲:DIR EN GREY 歌:DIR EN GREY
- 最終話エンディングテーマ『朧』
- 作詞:京 作曲:DIR EN GREY 歌:DIR EN GREY
第二部「黙して、尚」
[編集]- オープニングテーマ『Unraveling』
- 作詞:京 作曲:DIR EN GREY 歌:DIR EN GREY
- エンディングテーマ『13』
- 作詞:京 作曲:DIR EN GREY 歌:DIR EN GREY
- 最終話エンディングテーマ『GLASS SKIN』
- 作詞:京 作曲:DIR EN GREY 歌:DIR EN GREY
登場人物
[編集]第一部「燈」
[編集]坂崎家
[編集]坂崎 隆 (さかざき りゅう) - CV:中村悠一
- 国籍:不明
- 年齢:22
- 誕生日:2月20日
- 血液型:A
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:フェーズマイナー
- 聖眼:七枷
- 第一部「燈」の主人公であり、ストーリーを通しての狂言回し。坂崎拓馬とロネットの長男。強い魔堰の血を継いでいる。
- 財閥連合組合でありマフィアであるSWANTに15歳の時、素質を見込まれてしまい拉致され拘束、7年間の「アスタリスク・エクスペリメント(通称「アスタ計画」)」のサンプルにされ、脱獄した過去を持つ。拘束時のコードネームはライゼルト=ブレイカー(Riselt=Breaker)。
- 一度脱獄を強行した際に返り討ちに遭い拘束され、その後反乱因子として殺害・処分されてしまうが、陽心の術(作中では明確には語られていないが、恐らく父・拓馬の願いが具現化したもの)で蘇生する。そして蘇生の過程で魂が通過した聖剣空間にて聖剣・フェーズマイナーと契約し、聖眼・七枷の力を得ると、その圧倒的な力でSWANT部隊を殲滅し脱獄に成功する。しかし、その蘇生した実体では魔力を生み出すことはできないため、生前残されていた魔力の限りの命となる運命を課せられる。その魔力プールによる存命はもって1年と見られ、聖剣の力を引き出し過ぎると更に縮んでいく。「世界最強の拘束機関を殲滅させ脱獄した」という事実、そして隙のない策略を巡らす智将としての類稀なる才を危険視され、リスクレイティングは最高かつ唯一のS++。目に留らえられない速度で確実に敵を殲滅する姿から幻狼(げんろう)という通り名で憚られており、スクライフからは「この世で最も優しく危険な男」と評される。なお、蘇生した事実はロバートのみに明かしている。アレクサンドリア王宮で執り行われたマリンの22歳の生誕パレード中、紛争の火種とするべくSWANTが王女であるマリンに銃口が向けられたことに気付いた隆が寸での所で救い出し、これがマリンとの出会いとなる。しかし、救い出して匿った行動をSWANTの策略により王女誘拐と世界中に伝えられたことで、SS級犯罪者として国外指名手配されてしまい、正規の方法で帰郷することができなくなる。追手からの逃亡生活で途方に暮れていた所を、事件を俯瞰し正しく事情を把握していた四雄の一人・ゼニアに匿われる。
- クールそうな外見とは裏腹に明るい性格でマイペース。初志貫徹、悪く言えば諦めが悪く意固地。余命を犠牲にしてまで家族の所に戻ろうとするなど、家族のことを何よりも大切に想っている。死の経験から強い死生観を持っており、命の蔑視を決して許さないが、死を以って償われるべき罪を否定しているわけではない。ロバートとは6歳からの親友で修行仲間であり、家族同然に育つ。剣技及び極限流空手の腕は歴代最強とされ、無敵の龍と称され門下生から慕われるが、私生活に関してはとことん不器用。ただ、察しや思いやりに疎いわけではなく、マリンの自分に対する葛藤に気付いて何も言わずに抱き締め、マリンはその優しさに涙した。特別に青臭い正義を振りかざしはしないが、人道から外れたこと、曲がったことには反発の感情をあらわにする。何かと人を突き飛ばすような発言をすることが多いが、それは不器用が故の愛情の裏返しであることが多い。また、女性の身体に全くと言っていいほど免疫がなく、裸を見られることに全く抵抗がないマリンに時折困らされている。マリンの邪の無い実直さと愛情に触れ次第に惹かれていくが、自分を取り巻く運命に巻き込みたくないが故にその想いを封じ込め、「護る」ことを貫く決心をする。
- 聖眼・七枷
- 形あるモノに自分の意思を宿らせる(=コンシーヴ)ことができる。コンシーヴする意思は自身から分ける形であるため、一度に対象とする数には限りがあるが、対象物の質量が小さいほど多くのモノを対象にできる。分子構造が安定している及び意志を持たないもの(固体など)ほど魔力をほぼ消費せずコンシーヴできるが、分子構造が安定していない及び意志を持つもの(液体・気体・動物など)対象とするには膨大な魔力を必要とし、魔力プールが限られている隆は固体を対象にすることが多い。
- 裏式・嵐杓(うらしき・らんしゃく)
- 背後の空気をコンシーヴし、自身に纏わせることで爆発的な速度で移動できる技。敵の攻撃を躱したり素早く移動するなどの防御面以外に、連続攻撃やスピードをパワーに変えた攻撃を繰り出すこともできる。
- 禁式・絶界(きんしき・ぜっかい)
- 膨大な魔力を使用して周辺一体の気流をコンシーヴし、自身の周囲に圧縮することでほぼ無限の密度を持つ空気の壁と高速の圧縮による突風を作り出す技。圧縮した空気はその密度で驚異的な硬さを誇るためバリアのようにも利用できる。
- 禁式・開闢(きんしき・かいびゃく)
- 絶界での圧縮を解除し、その反動による甚大な衝撃波を発生させる技。
- 形あるモノに自分の意思を宿らせる(=コンシーヴ)ことができる。コンシーヴする意思は自身から分ける形であるため、一度に対象とする数には限りがあるが、対象物の質量が小さいほど多くのモノを対象にできる。分子構造が安定している及び意志を持たないもの(固体など)ほど魔力をほぼ消費せずコンシーヴできるが、分子構造が安定していない及び意志を持つもの(液体・気体・動物など)対象とするには膨大な魔力を必要とし、魔力プールが限られている隆は固体を対象にすることが多い。
- 技一覧
- アインス
- フェーズマイナー第一形態。両手剣スタイル。維持に魔力を必要としないため、隆が最もよく使用する形態。1対1の戦闘に適する。
- ツヴァイ
- フェーズマイナー第二形態。アインスに魔力を注ぎ、柄の部分からもう1本のアインスを形成させた双刀スタイル。攻撃スピードが上がるため、多数の敵を迎え撃つ際に利用することが多い。
- ゼータ
- フェーズマイナー第三形態。ツヴァイに更なる魔力を注ぎ、ツヴァイの両刀を融合させた合体剣スタイル。全形態の中でトップの威力と位相干渉力を持つが、その分膨大な魔力を消費するため滅多に使用することはない。
- 真相・結末
- スクライフとの戦闘に赴く際、残存する聖剣を全て破壊し、「完全」な聖剣をこの世から失くすことで、聖剣をデイルムルタの召喚対象から除外する計画を決行する。これにより大量の剣に串刺しにされるものの息一つで持ち堪え、魔力を使い果たしたスクライフに剣を突き立て勝利する。全てを終え、壁にぐったりと腰掛けた隆のもとに振り払ったはずのマリンが現れ、今まで堪えていた涙が溢れ出す。そして家族と仲間を護り抜けたことに安堵し、マリンに自身の愛を伝え、自身の生涯を幸せだったと笑みを浮かべながら、眠るように息を引き取り二度目の生に幕を閉じた。23歳没。綾や閖の意思により、墓はアレクサンドリア王宮前に建立され、国を救った英雄として讃えられ歴史に名を残すこととなる。生前、ロバートと閖の結婚を信じて2人にタキシードとウェディングドレスを遺していた。
ロバート・ガルシア (Robert Garcia) - CV:陶山章央
- 国籍:イタリア
- 年齢:22
- 誕生日:6月19日
- 血液型:O
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:メルトニアル
- 聖眼:五戒
- 隆の親友にして好敵手。愛称はロブ。イタリア財閥「ガルシア財団」の社長・アルバートとシュメリアの息子。母の強い魔堰の血を受け継いでいる。
- 6歳の時、父の死をきっかけに来日し、幼い頃から親交のあった坂崎家へ移住した。以来隆と修行を重ね、門下生に「最強の虎」と畏れられる程の腕に成長した。脚術に強い美学を持っているため脚技を多用し、「鎌脚」の通り名を持つゼニアを私淑している。幼い頃から関西弁の独特な訛り口に興味を持っていた為、日本語はほとんど関西弁で喋る。ガルシア財団の後継者として帝王学を教え込む父の教育方針に反発しており、自分の存在が「御曹司」とされることを激しく嫌っているが、仲間の為ならば財団の財力・資金力は躊躇なく利用する。隆の蘇生・余命の事実を物語当初から知る唯一の人物。
- 非常過ぎるほど前向きな青年で、テンションが常にハイなムードメーカー。針小棒大に語りがちなところがあり、周りから疎く思われることもしばしば。しかし、時に彼のその前向きさ、明るさが逆に救いになることもある。決して自分の信念を曲げることはないが、相手の方が筋が通っているならばそれを認める懐も持つ。
- 隆の妹・閖と交際しており、交際4年で、閖にプロポーズをして承諾される。隆の余命が1年程度である中、自分の幸せを選ぶことへの葛藤から躊躇っていたが、逆に隆に後押しをされる形で承諾を受ける。
- 真相・結末
- シュメリアは以前SWANT刺客の性的暴行を受けたことで、2つの卵子にそれぞれ2つの違った精子を受精する「異父重複受精」でロバートとシンクレアを出産。そのためシンクレアは種違いの双子の妹に当たるが、これに難色を示すアルバートの思惑で引き離されたため、シンクレアとは面識がない。アルバートはロバートを溺愛していたが、ロバートが病気で入院した際、血液型がA型のアルバートとAB型のシュメリアからは生まれることのないO型だったことで、自分の実子ではないと知りこの上ないショックを受け悲嘆に暮れ、ロバートが6歳の時、ガルシア財団本社ビル屋上より投身自殺する。このことにロバートは深い傷を負っており、自分が父親を殺したと苦悩し続けている。
- ストーカーとの一戦で深手を負い、スクライフとの単騎戦に挑む隆の策に賭け、メルトニアルを破壊。その後スクライフによって封じられていたマリンの治癒ソースコネクトが復活したことにより、隆の勝利そして死を悟ったロバートは、マリンに隆への別れと感謝の言葉を託し、マリンを隆の元へ向かわせた。このため、隆の臨終に立ち会うことはできず、その後隆の死相に見えることになり慟哭する。隆の死後、正式に閖と婚姻。綾の意向により、隆に代わって幻叉"坂崎"第4代統領の座に就く。
坂崎 綾 (さかざき りょう) - CV:大塚剛央
- 国籍:日本
- 年齢:20
- 誕生日:8月15日
- 血液型:O
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:ゲルグ
- 聖眼:三蓋
- 隆の実弟。母譲りの金髪がトレードマークだが、染髪したと勘違いされることが多く、中学・高校時代はわざと黒染めし、伸びてくる金髪で地毛であることを証明していた。実兄の隆より前に統領に就いていたのは、隆の失踪のため。隆の帰還と共に統領の座を彼に返上している。
- 七城家の長女・紫とは相思相愛の関係であったが、2年前に失踪し帰還した隆に、聖戦開戦の囮に利用され断頭されるという非業な死を遂げたことを知り、元凶であるSWANT第3諜報隊長・フォークロアの首を討ち取ることを胸に秘め第3次聖戦へと身を投じる。
- 拳・剣の腕は隆より劣るものの、"速さ"に関しては他の追随を許さない。しかし、速さの臨界を極める忍術の使い手であるマリンに軽くあしらわれてしまったことで自分の力不足・修行不足を戒め、最終回ではマリンの剣戟についていく程の腕を身につけている。(マリンは「あ~あ…負けちゃった」と満足そうに言ったことから本気を出したのかは不明)
- 常に冷静を装っているが、実は直情的。幼少期よりナルコレプシーに罹患している。坂崎家と親交のある藤堂家の一人娘・香澄から想いを寄せられているが、鈍感な性格の為気付いていない。
坂崎 閖 (さかざき ゆり) - CV:伊藤静
- 国籍:日本
- 年齢:18
- 誕生日:3月3日
- 血液型:A
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:なし
- 隆・綾の実妹。魔堰の血を継いでいるが聖者ではない。
- 坂崎家の紅一点で、元気溌剌明朗快活娘。高校3年生で、口癖は「~っち!」。隆のことは「お兄ちゃん」、綾のことは「綾兄ちゃん」と呼んでいる。隆のことを名前を入れずに呼ぶ理由は「滑舌が悪く、『ゃ』と『ゅ』の区別がつけにくい」から。家事全般得意で、特に料理が大好き。マリンが自分の城の調理師として招待したがったほどの腕である。
- ソフトボール部に所属している。運動神経はずば抜けて高く、インターハイにおいて本塁打、盗塁、打率で日本記録を持っている程。
- 以前、Mr.BIGに捕らえられた際の不甲斐なさから極限流空手を学ぶが、彼女らしくアレンジされている。隆が「才能だ」と語る一方、綾は「極限流をバカにしてる」と語っている。
- 真相・結末
- 強く純粋に魔堰の血を受け入れこんでいるため、「魔力を持つ者」ではなく「魔力を生み出す魔術師」に近い存在と言え、自らのキャパシティを超えた魔力を生み出し続けてしまうドミナトリックスと呼ばれる特異体質である。理性の制御を超えた魔力の暴走・シンギュラリティを起こすと、この世全ての物理的事象に干渉し蹂躙してしまえる程の魔力を放出し続ける狂人と化してしまう。マリンがキャリスマリアーに追い詰められた際に、理性と共に制御心が弾け飛び、本能のまま暴走を起こす。歴戦の戦闘種族であるキャリスマリアーを圧倒し、魔法陣・ゲルシカで身体を砕き惨殺するが、マリンの悲痛な叫びで我に返る。
- ロバートと4年の交際を経て結婚、名をユリ・ガルシア(Yuri Garcia)と改める。
- 魔術師に近い存在の閖が、隆が魔堰であると気づかないはずもなく、何故隆が「魔堰じゃない」と言い張るのか判らず、熟考し続ける。ある日、隆が拓馬の遺影に語り掛けていたことを偶然耳にし、隆の真実を知ることになる。
キャロライン・アル・スミス (Caroline Al. Smith) - CV:早見沙織
- 国籍:日本
- 年齢:18
- 誕生日:不明
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:スピアラ
- 聖眼:一塑
- 魔堰種の少女。フルネームはキャロライン・アルトリア・スミス (Caroline Altria Smith)。愛称は「キャロ」。それ以外の出生・生い立ちは一切不明で、6歳の時、ゴミ捨て場にうち捨てられていたところを拓馬に拾われ、隆達と兄弟同然の様に育つ。国籍が日本なのはそのため。
- 聖剣・スピアラも拓馬に拾われる前から契約されており、その経緯は不明である。また、聖者であることは誰にも明かしていない。
- 戦闘能力は並みならぬものがあるが、生まれつき肺炎に罹患しているため、力は抑えている。
- 音を色として視覚できる共感覚の持ち主で、かつ共感覚の発動を制御でき、雑踏からわずかな物音をも「見分ける」ことができる。
- 素直で控えめなおしとやかな性格のため、マリンや閖からとてつもなく可愛がられている。家庭的で、坂崎家の家事を全て担当し、面倒見も良い、模範的な人間である。
- 隆を「先輩」と呼び心から慕うが、マリンが隆に好意を抱いていることに気付いているため、必死に気持ちを隠し通そうとしている。
- 聖眼・一塑
- 聖剣のみ転移可能な聖剣空間へ自身を転移させることができる。だが、取り込んだスピアラを仇と認識しているキャロラインは戦闘にこの能力を使用することはなかった。
- 結末
- 本来はロザインの転生先として選ばれたはずの人間。しかしスミス家の魔堰は、稀な反魔の血が流れており、血が転生を拒む。5歳の時、反魔の血の暴走で聖剣・スピアラと契約(正確には、契約ではなく体内の取り込んだ形。)、スミス一家を惨殺する。父エドワードの友人であった隆の母・ロネットが暴走を止めるが、ロネットは重傷を負い死亡した。あどけない6歳の少女であったキャロラインは疲れ果て、ゴミ捨て場に倒れる。その翌日、拓馬に拾われた。聖者であることを隠している理由は、血の暴走が聖剣にあるのではと思ったため。ロネットを殺めてしまったことに深い傷を持っている。エデレードと対峙した時、大好きな家族を守るため、10年以上の自らの封印を解き、スピアラを握った。しかし、一瞬の隙を突かれエデレードの聖撃を受けてしまい、重傷を負う。その後隆が戦い、病院に運ばれたが、肺炎の発作を併発させてしまい、それが致命傷となりマリン達に看取られながら息を引き取った。エデレードを倒した隆がすぐ病院に駆け付けたが一足遅く、息を引き取った後だった。享年19。
- 聖眼「一塑」は、「聖剣空間に自分を転移できる」能力。SWANT突入前、自分の死期が近いことを悟ったキャロラインは、この能力を発動し「スクライフを倒した後」の時空間に転移、皮肉にも自分の葬儀に降り立つ。そこでの隆に感謝の気持ちをありったけ伝えて、能力が時間切れになる寸前に隆を抱きしめ元の時空間へ還って行った。一塑が使用されたのは、このただ一度きりである。
坂崎 拓馬 (さかざき たくま) - CV:津田英治
- 国籍:日本
- 享年:59
- 誕生日:2月4日
- 血液型:O
- 種:ヒト
- 故人。隆・綾・閖の実父。極限流空手の創始者。
- 厳格でありながら優しさも兼ね備える、父親の模範となるような人物。ただし少し頑固さが過ぎるところがあり、閖は反抗しまくっていた。隆が捕縛されてからは、毎日願掛けをして隆の無事を願う程自分の子供達を心から愛している。
- 老い衰退した体には精神的ダメージはあまりにも重すぎ、隆がSWANTに捕らわれて3年後の秋に、過労とストレスでスキルス性胃癌を発症。容態は回復せず、その1ヶ月後に帰らぬ人となる。
- 作中では明確には語られていないが、隆が蘇生する願を掛けたのは拓馬ではないかと思われる(随所でそのような描写が見られる)。
坂崎 ロネット (Ronette Sakazaki) - CV:桑島法子
- 国籍:アメリカ
- 享年:43
- 誕生日:5月1日
- 血液型:A
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:なし
- 故人。隆・綾・閖の実母。旧名ロネット・ホークショー (Ronette Hawkshaw)。強い魔堰の血を引く。
- 25歳で隆を授かるが、渡米した友人のエドワード・スミス家で聖剣に乗っ取られ暴走したキャロラインによる惨殺事件に巻き込まれる。何回も刺されながらも、必死に止まるように叫び続けた末キャロラインを止めるが、駆け付けた拓馬に、隆達には真実を伝えないように請い看取られながら息絶える。
- 作中では、回想にもほとんど登場しないが、閖の母親への心理描写を見る限り、優しい尊敬すべき母親だったと思われる。
アレクサンドロス家
[編集]マリン=メナ・アレクサンドロス (Marine=Me'üna Alexandros) - CV:佐藤利奈
- 国籍:イギリス
- 年齢:20 (マリンとして。アセスフェドとしての年齢は200歳を超える。)
- 誕生日:4月1日
- 種:ヒト/魔堰/アセスフェド
- 契約聖剣:ゾディアステリアス
- 聖眼:四伐
- ヒロイン。イギリス連合王国第17代王女。
- 物心つく前から、父の過保護を受け育てられたが、守られてばかりいる自分に嫌気が差し15歳の誕生日の夜に城を抜け出す。道中、聖剣・ゾディアステリアスと契約し、聖眼・四伐を得る。スペインに渡ったマリンは聖地ウェルで2年間修行に明け暮れ、北欧の護身術であるテロンタヒアと聖アテナ流忍術を習得するが、王女失踪のニュースでイギリスは大打撃を受けており、マリンが修行から戻ってきた頃には、この機を逃さんと言わんばかりの左翼団体のクーデターによって荒れた母国を見て、罪悪感と自責の念から篭城する。それから3年が過ぎ、20歳の誕生パレードを迎えていた時に、紛争の起爆剤としてSWANTの狙撃対象にされてしまうが、通りかかった隆に間一髪で助けられる。最愛の妹・クリスティがマリンを捕縛に押し掛けたSWANTの拷問に遭った挙句殺害されたことを知り怒りに打ち震え、SWANTを潰すことを誓い、剣を取る。
- 王女であるのに、礼儀作法があやふやだったりとかなり王女らしくなく、隆曰く「変装して喋ればただのギャル」。この発言が出る度、マリンが空手チョップを入れるのがお決まりとなっている。しかし、その実切れ者で、瞬時の判断力・状況適応力に長け、隆をも凌ぐ。
- 明るく明朗快活、興味を持ったことにはすぐに首を突っ込みたがる童心の持ち主。地位や権力等に捉われず人と分け隔てなく接することのできる優しい心を持つ。愛国心が強いが、悪く言えば強すぎる。裸を見られることに抵抗がなく、女性の身体に免疫のない隆を時折困らせる。しかし、そう振舞うのは「孤独で居たくない」という気持ちから来る弱いエゴである。
- 自分を王女としてではなく、一人の女性として接してくれる隆に大きな想いを寄せており、その気持ちは邪まの無い純粋なもの。マリンの隆への想いがストーリー性として非常に強く現れており、この作品の重要な要素の一つとなっている。
- 彼女の正体は半永生魂魔堰種・アセスフェドの生き残りの転生人。アセスフェドの真名はロザイン・ヴェナ・アセスフェド。故に生まれた時から「ロザイン」の意思であり、「マリン」としての意思は存在しない。魔力をほぼ使い果たした満身創痍の隆を救うため、スクライフに単独で挑むが、スクライフがデュークゼンの真名を持つアセスフェドであること、自らと誕生源を同じくした上位族であることを知る。アセスフェドに課せられた「マナの呪縛」の影響により成す術なく惨敗し深手を負わされた挙句、聖剣が持つ治癒ソースとのコネクトを封印される。マナを壊されなければ「死ぬ」ことのできないアセスフェドの宿命の中、傷の治癒が出来ないことにより、死をも上回る程の苦しみを受け続ける。その後、隆がスクライフに勝利したことにより治癒ソースのコネクトが回復するが、それは隆が自分の力を使い果たしたこと=隆の死を意味することを悟る。マリンは忍術による高速移動が可能なため、ロバートから仲間達の別れの言葉を託され、隆の元へ急ぐ。スクライフとの戦いを終えリトリーブさえできなくなる程衰弱した隆を抱き、ありったけの感謝と愛慕、仲間達の言葉を伝え、隆の最期を看取った。クリスティ死亡の情報は、SWANTによる情報操作であることを突き止めたマリンは、僅かな手がかりで強制収容所を発見、クリスティの救出に成功し、SWANTへの因縁に完全に決着を着けた。その後、自らの志願で女王の位を継承せず、民となった証として王族を象徴するミドルネーム・ウナ姓を外し、マリン=サカザキ・エルフィンストン (Marine=Sakazaki Elphinstone)に改名。1年後、旅の道中で授かった隆との子・リゼラが産まれる。
クリスティ=ロナ・アレクサンドロス (Christie=Lo'üna Alexandros) - CV:田中理恵
- 国籍:イギリス
- 年齢:18
- 誕生日:10月16日
- 種:ヒト
- マリンの実妹。はっちゃけている姉に対して、礼節正しく育った王女らしい王女2世。愛称は「クリス」。一見格闘技とは無縁に思えるが、護身術として骨法、合気道、聖アテナ流忍術を会得している。
- マリンの失踪時に急遽王女に即位していた。マリンの良き理解者であり、正しい道へ導こうと努力を惜しまない姉思いである。
- マリンのアセスフェドの系統を受け継いでいる人物として、脱走した隆に代わった実験台としてSWANTのプロジェクトに捕縛される。クリスティは転生も受けておらず魔堰の血も持たないため、大したものにならないと判断され処分されかけたが、スクライフの指針に反逆を示すスナイパーに救われ生き延びる。スナイパーがこの事実を隠蔽するために、クリスティの死亡が公表されたため、マリンもクリスティが死亡したものと思い込んでいた。
- 礼節の出来具合に差はあるものの、好奇心旺盛で何にでも首を突っ込みたがるところはマリンとそっくり。少々皮肉屋でちょっとしたことでも相手がムッとくるような表現をしてしまうところがある。それは昔から自分の方が姉よりも出来がいいため褒められることが多く、それに対して「姉にもいいところはいっぱいある」「姉のいいところを見て欲しい」という思慮から作られた殻の性格。傷つくことの怖さ・恐れ・悲しみがトラウマであり、自分のことを嫌い、人が離れて行く度に涙するが、姉のためとその自己を貫き続けようとする。マリンはそのことに気付いており、自分を隠さず生きて欲しいと嘆願するが、これが本当の自分だと退かない姿勢を通し続けている。
- マリンが王女の権利を国に返還したために、クリスティが第18代王女として正式に即位することになる。
リゼラ・エルフィンストン (Risela Elphinstone) - CV:林原めぐみ
- 国籍:イギリス
- 年齢:18
- 誕生日:2月16日
- 種:ヒト/魔堰
- 最終話に誕生する隆・マリンの実娘。18年後、第二部「黙して尚、」の主人公となる。
ジェームズ=ゾナ・アレクサンドロス (James=Zo'üna Alexandros) - CV:玄田哲章
- 国籍:イギリス
- 年齢:58
- 誕生日:8月16日
- 種:ヒト
- マリン、クリスティの実父であり、イギリス連合王国第19代国王。
- 厳格に国を統治する国王としての重責を担う傍ら、妻子の幸福を願ってやまない理想の父親の顔を併せ持つ。先代国王・リュードにより厳峻な帝王学・テロンタヒアを叩き込まれ文字通り地獄の幼少期を過ごし、幸せを知ることなく育った過去から、自身が築く家族を憂き目に遭わせないと心に誓っている。
エリザベス=マナ・アレクサンドロス (Elizabeth=Ma'üna Alexandros) - CV:皆口裕子
- 国籍:イギリス
- 年齢:48
- 誕生日:1月16日
- 種:ヒト
マリン、クリスティの実母であり、イギリス連合王国第19代女王。
バーツ家
[編集]ロディ・バーツ (Rody Birts) - CV:神奈延年
- 国籍:フランス
- 年齢:21
- 誕生日:7月24日
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:なし
- レニィと共にヨーロッパを駆け巡るフリージャーナリスト。トンファー使いで、炎の法力を操り、この二つを絡める能力に長けているため、非常に戦闘能力が高い。
- 口は悪いが決して悪党ではない。隆の弟分みたいな存在になっている。頭で考えるより行動を起こすタイプなので、行き過ぎる行動もしばしば見られるが、決断したことを諦めない芯の強さも秘めており、隆たちを突き動かす重要なポジションに居る人物。一応魔堰の血は引いているものの、血は薄くほとんどないに等しい。
- 隆がマリンと出会う前に隆を匿っていたため、隆の心情の変化を近いところから見てきた数少ない人物であり、レニィと共に常に解決策を見出してきた。マリンが取材を受けたときの担当記者だったことがあるため、マリンと面識がある。マリンからは「少年」と呼ばれることが多い(たまに名前で呼ぶこともある)。隆のことは「坂崎」と呼び、他のメンバーは皆名前で呼んでいる。
- ジャーナリストとしての才能はあるものの、熱くなりやすく、ジャーナリストは冷静沈着の精神を重んじられるため、他のジャーナリストからは敬遠されていたり逆に一目置かれていたりする。
- 19歳の時、家が何者かに放火され、レニィによって助け出された際、いわゆる「吊り橋効果」でレニィに惚れてしまい、それから彼女の元で世界を駆け巡ることを決意した。しかしその惚れは彼女と旅をしているうちに一時的なものではなくなり、本気でレニィを好きになっていく。本人は隠せているつもりだがレニィを含め隆たちからしたらバレバレなので、そこを突かれてイジられたりしている。
- コワクから隆を引き離すために、自分の法力を全て開放しコワクを焼き払う。そして隆と共に先に進もうとした時、SWANT兵に背後から撃たれてしまい、重症を負う。それでも全力を振り絞り前に進んでいたが、道中で力尽きる。享年22。
ゼニア・ダウニング (Zegna Downing) - CV:中博史
- 国籍:フランス
- 年齢:70
- 誕生日:1月4日
- 好きなもの:酒
- 嫌いなもの:蛆虫
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:なし
- ロディの母方の祖父で、現在生存するロディの唯一の血縁者。しかし、ロディとは面識がない。
- その昔、SWANTと先代総帥セルドルフが率いる軍隊と衝突し、打ち倒すことに成功した四雄の一人。「鎌脚のゼニア」の通り名で世界に知れ渡っている。現在では隠居し平穏に暮らしたいために、周りの人間には「鎌爺」と呼ばせ、本名を教えることはない。
- SWANTとの衝突で重症を負っていた隆を救い、匿う。隆に「護る」ことの何たるかを説いた人物で、隆が歩むもう一度の生に影響を与えた。足技を求道するロバートはゼニアのことを尊敬し、目標としている。
- 魔力を体に纏わせ武装できる能力・堰流の持ち主で、聖者相手にもダメージを残すことができる。老いても尚、その力は顕在で、隆がスクライフに挑み窮地に陥ったときに駆け付け、スクライフの怒涛の一撃を一蹴りで弾き返した。「時代」に強いポリシーを持っており、自分の生きた「時代」に誇りを持っていながらも、悪夢の時代であったことに悔恨の念を持っている。隆達が作る「次の時代」を守ろうと、単身スクライフに戦いを挑むが、劃門の能力に堰流は歯が立たず捕らえられる。スクライフは四雄の一人を捕らえたという力の誇示のため、公開処刑を決定。死刑台で、隆に時代の転換と建立を叫び、首を討たれた。享年71。
クレストン家
[編集]レニィ・クレストン (Lenny Creastone) - CV:浅川悠
- 国籍:フランス
- 年齢:24
- 誕生日:5月20日
- 種:ヒト
- SWANTの実体を追い求め続ける私立探偵兼ジャーナリスト。レイ・ウィップというクレストン家に伝わる神器を使いこなし、雷の力を操る。束縛する力が高いため、実戦では主に牽制役に回ることが多い。スタイルは「マーシャルアーツ」。
- 姉御肌の持ち主で、隆からは「姉御」と呼ばれ慕われている。優しい人柄なのだが、本人曰くボキャブラリーに乏しい」ため、人を諭すときはスパルタになりがち(隆は「愛のムチ」と言っている)。怒るとレイ・ウィップをぶんぶん振り回す癖があるため、レニィを怒らせることがタブーであることが暗黙の了解になっている。
- 私立探偵として奔走しながら、SWANTの情報を掻き集めるジャーナリストの二つの職業をこなす。SWANTを追う理由は「あくまで仕事」と言っているが、真相は…。
- ジャーナリストの活動中に放火された家に飛び込み、ロディを助ける。ロディに惚れられてしまい、付き纏われるのを本気で嫌がっていたが、次第に一途さに心打たれ惹かれていく。
クレイドル・クレストン (Cradle Creastone) - CV:阪口大助
- 国籍:フランス
- 年齢:28
- 誕生日:3月1日
- 種:ヒト
- レニィの実兄。
- “ヘル・クレイドル”の通り名でカリスマ的な人気を誇るヒールプロレスラーだったが、SWANTの仕組んだ八百長疑惑の濡れ衣を着せられる。家庭がマスコミから蜂の巣にされることを防ぐため現役を退いた。暗躍を企むSWANTの尻尾に逸早く気付いた人物で、ジャーナリストとして好奇心旺盛なレニィが首を突っ込まないか非常に気にかけている。その豪快かつ厳粛とした風貌に似合わずお茶目で陽気な性格であり、周りの子供達から好かれている。妻・フェリィと息子・アーチがいたが、2年前に交通事故で他界した。この事故には様々な矛盾点があることから、事故に見せかけた他殺であると断定したクレイドルは独自にSWANT関係を調べ上げ、SWANTの関与を裏付ける設定資料を入手した。この際に監視部隊に発見・襲撃を受け、左腕を失う。妻と息子の無念を晴らすべく、大量の銃器を仕込んだ義手「ハザードメイル」を製作し、2度目の潜入を試みるも精鋭部隊の聖剣には歯が立たず捕らえられる。物語では、この3年後レニィを含む隆達がSWANTに潜入する所から登場し、時系列が合流する。
SWANT
[編集]スクライフ・オズボーン (Sqriph Osbourne) - CV:三木眞一郎
- 国籍:イギリス
- 年齢:26 (スクライフとして。アセスフェドとしての年齢は300歳を超える。)
- 誕生日:9月9日
- 種:ヒト/魔堰/アセスフェド
- 契約聖剣:アポカリプス
- 聖眼:月犀劃
- SWANTの若き総帥。破壊、殺戮をも厭わぬ人間らしい感情を一切持たない人物。あえて良い表現をするなら、現実主義。
- 隆をプロジェクトの実験台にした張本人であり、隆の脱走後、彼に近いものを持つ存在を求めるが、その人物達が不相応である度に処分を繰り返したきたため、買った恨みは底知れない。しかし、そんな彼の全てをも統べるその力に惹かれる者も多く、スクライフの部下は、彼に実直忠誠を誓っている。
- その強大なる魔力を以って、聖剣空間を統べる形を持たない聖剣・アポカリプスと契約し、絶対的な最強を譲らない力を持つ。聖撃を持たない代わりに備えられた劃門という能力を展開している時には、「全ての聖剣空間を一箇所に濃縮させる」ため、他の人物が聖剣を使えない空間が発生するばかりか、彼らの聖剣さえもスクライフの刃となる脅威を秘める。
- 結界業・デイルムルタ(Dalemlta)は、「この世全ての完全な剣」を劃門の境界線に投影し、相手目掛けて降り注ぐという一撃必殺の脅威を秘めるが、代償として自分の全ての魔力を消費する。つまり、アポカリプス一度限りの大技。作中では隆との戦いの最後に放たれた。
- 力を求める先にある理想郷は作中で一切明かされない為、謎を多く持つキャラクターが多いこの作品の中でも最も謎が深いキャラクターである。
- 性格はその非情な人物像から、高慢・侮蔑心をかざしていると思われがちだが、根は謙虚な人間である。力を求めるその理由の一つも「自分には力が無いと思っているから」。
- 彼の正体はアセスフェドの転生人で、真名はデュークゼン・ブローネ・アセスフェド (Duke-zen Blaune Assesfebd)。「隆が聖剣の力に飲み込まれていたら」というイフがパラレルワールドで具現化したアセスフェド。つまり、闇に染まった隆の成れの果て。ロザインと誕生源を同じくしているため、人間関係上で言えばロザインの実兄にあたる。そのこともマリン(ロザイン)自身は知っており、彼を目の前にして剣を振るうことができなかった。
- 自分の元へと辿り着いた隆に、自分の全てを以ってして迎え撃ったが、劃門の能力の僅かな不備に策を巡らせた隆に背後から折れたフェーズマイナーを貫かれ、スクライフは死亡し消滅した。その後、総帥の死亡をうけSWANTは解体。その歴史は闇へ葬られることとなる。
ルミナス・オズボーン (Luminous Osbourne) - CV:井上麻里奈
- 国籍:イギリス
- 年齢:23
- 誕生日:12月8日
- 種:ヒト
- スクライフの実妹。破壊的な兄とは対照的に、優しく朗らかで争い事を嫌う性格。
- 俗に言うブラコンであり、兄のためならと奔走するが故に隆達と敵対する。内心では「こんなことはやめさせたい」と思っているものの、言えば嫌われるのではないかと思っているため口に出せずにいる。戦闘能力は兄譲りでとても高い。聖者でないにもかかわらず、隆の聖剣を絡めた攻撃を受け流し梃子摺らせた。隆の"嵐流"に圧倒され倒されるが、鳩尾に剣の柄をたてられただけで命は救われる。
- 「さあ、どうでしょう?」が口癖で普段の会話に織り交ぜることもあれば、シリアスなシーンでも白を切るように使われることもある。自分を助けてくれた隆に深い恩義を感じつつも、兄を殺したことに少なからず憎悪を感じているため複雑な感情が入り混じっており、隆に対しては天邪鬼になるが、隆以外とはかなり打ち解けている。
セルドルフ・オズボーン (Sseldorf Osbourne) - CV:三木眞一郎
- 国籍:イギリス
- 年齢:26 (スクライフとして。アセスフェドとしての年齢は300歳を超える。)
- 誕生日:9月9日
- 種:ヒト/魔堰/アセスフェド
- 契約聖剣:アポカリプス
- 聖眼:月犀劃
ブランクドール=スナイパー (Blankdoll=Sniper) - CV:広橋涼
- 国籍:不明
- 年齢:21
- 誕生日:孤児のため不明
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:サザンクロス
- 聖眼:二錫
- SWANT第4特殊暗殺隊・隊長。本名はアイリス・ストーヌ (Iris Stornght)だが、出生名は弥 楪 (あまね ゆずりは)。弓道の名家・弥家に生まれた一人娘だったが、幼少期に旅行先で多発テロに巻き込まれ両親を失う。現地警察の保護下に居たが、その後、子に恵まれなかったストーヌ夫妻に引き取られる。寵愛を受け育つが、多発テロ元凶へのSWANTへの復讐の炎は消えることがなく、内部から潰すため自らSWANTの暗殺隊へ入隊し今に至る。
- 位置構わず狙撃を成功させる腕前から空間の支配者という異名を持つ凄腕スナイパー。いかなる状況に立とうと表情を全く変えず、まるで「心を持たぬ人形」のようであるということからブランクドール(Blankdoll)というコードネームをつけられる。
- 聖剣・サザンクロスを操り、暗殺隊で無数の任務を成功させてきた功績から19歳という若さで第4特殊暗殺隊の隊長に任命される。しかしほとんどが因果を逆転させる聖眼・二錫の力によるもので、実際の狙撃手としての腕前は並。暗殺者という立場ながら、儀を重んじ、死を忌み嫌う。暗殺を積み重ねてゆくうちに自分の中に積もっていった死を楽しむもう一つの人格が生まれているが、母・アシュリーの形見であるペンダントの清い力がその人格の顕現を抑えている。
- スクライフへの反逆因子であり、処分されかけたクリスティを救う。その後も強靭な精神力をもって隆らと共にスクライフへの反逆を続けるが、スクライフに送り込まれた刺客・キャリスマリアーに圧倒される。渾身の力で9つの詠唱を唱え、聖撃・ガングレイヴを発動。21個あるうちの9つの命を奪うが、それに留まり力尽きる。享年21。隆に対して顔を赤らめたりするなど、隆に対して好意を持っていたとみられるが、作中ではそのことについては一切触れられていないため真相は不明。
- 聖眼・二錫
- 因果を逆転させることができる。逆転させられる因果はその場の物質構成を大きく変えないもの及びある程度の時間以内に限られ、練度を高めるほど逆転できる時間の範囲は広げることができる。
フォークロア=ピス=エッシェンバッハ (Folklore=Pys=Eschenbach) - CV:近藤隆
- 国籍:エストニア
- 年齢:30
- 誕生日:3月1日
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:なし
- 聖眼:なし
- SWANT第1諜報部隊長。諜報活動を行う傍ら、魔堰魂種アセスフェドのオーバードースの真実を追うマジックリサーチャーとしての顔を隠し持つ。本名デスコール・オリバーストーン (Descole Oliverstone)。
- 探究活動で培われた異常なまでの諜報能力で、短期間で対象の情報を白日の下に曝け出す。
- 理想の求道のみを自身の存在意義と譲らず、その道の現実を全て蹂躙し続ける狂人。綾の想い人・七城紫を惨殺した張本人であり、綾の仇敵。
- コードネーム・ファーストのフォークロア(=民俗伝承学)は孤立して生き続ける彼が絶対に触れることのない領域として皮肉を込めて名付けられた。コードネーム・ミドルのピスは諜報員=Spyのアナグラム。
- SWANT総帥スクライフにマナの特性の発現を確認したことから、魔堰魂種のヒントが掴める可能性があると考え、スクライフへの更なる接近のためSWANTへ入隊した。
- アセスフェドが転生を繰り返して半永生することを突き止め、七城家を襲撃し転生適性を持つ紫を研究検体として拉致、生きたまま徐々に解剖するという凄惨な方法で死に追い遣った。
- 利害が一致しているスクライフには基本的に忠実であり、スクライフもフォークロアの真意を把握しながら利用している。
- SWANTとの最終決戦の際、SWANT本部地下第2諜報策略室にて綾と対峙する。自身の狂想を狂い倒しながら叫び続けた結果、人間らしさそのものの欠如、存在意義の希薄さを綾に憐れまれ、恨みではなく慈悲をもって首を一閃される。その後、転がった首でもなお紫への異常な執着を吐き続け、紫の残した最期の言葉を伝えようとした矢先、フォークロアの声で語られることに憤慨した綾から脳天に刃を突き立てられ絶命する。
トゥルーマリス=ストーカー (True-Marice=Stalker) - CV:広橋涼
- 国籍:不明
- 年齢:21
- 誕生日:孤児のため不明
- 種:ヒト/魔堰
- 契約聖剣:サザンクロス
- 聖眼:二錫
コワク (Kwec) - CV:近藤隆
- 国籍:なし
- 年齢:なし
- 誕生日:世界の始まり
- 種:シュルトリウス
- 契約聖剣:なし
- 聖眼:なし
- 護るために生まれたシュルトリウス族の末裔。地球の生誕と同時に生まれたとされる。
- 元々意思を持っていたが、現代の強大な魔堰同士の衝突により自由意思を壊された後、思考回路をスクライフに掌握され、意のままに操られ隆の行く手を阻んだ。
- 大きく長い手が特徴で、それを振り回し敵を薙ぎ倒す。体重の重さによる負担を軽減するため、戦闘中に移動することはほとんどない。
- ロディの法力開放により焼き尽くされるが、残っていた僅かな生命力で、ロディの背中を突き致命傷を負わせた。
第二部「黙して、尚」
[編集]エルフィンストン家
[編集]リゼラ・エルフィンストン (Risella Elphinstone) - CV:林原めぐみ
- 国籍:イギリス
- 年齢:18
- 誕生日:2月16日
- 種:ヒト/魔堰
- 隆・マリンの実娘であり、本部の主人公。両親譲りの強い魔堰の血を引く。
- とても母親想いで優しい性格だが、出生前に他界した父・隆に対しては、母・マリンの人生に陰を落とすきっかけになったことと、自分を母一人に背負わせたことから強い拒絶の念を抱いており、そのためサカザキ姓を外している。
- そのことから強く人間不信であり、様々なことに対して穿った見方をする一面がある。
- 奇しくも父と同じフェーズマイナーを父が契約していた過去を知らず契約している。父と同じ聖眼・七枷を持つが、「止まっているモノを動かす」ことを得意としていた隆とは対照的に、「動くモノを止める」ことを得意とする。隆とは違い魔力プールの制限がない聖者であるため、七枷の能力は隆以上に引き出されており、無意識の方向からの気配を潜在意識で感知し能力が発動されるほど鍛錬が重ねられている。聖眼に残る隆の思念からか、時折隆が見ていた景色や思い出が朧気に映ることがある。凄惨な戦いの情景も流れてくることがあり、これが隆への拒絶やトラウマを強める原因にもなっている。
- 性格は非常に内向的。端から見れば柔和な雰囲気を持つ麗女であるが、人付き合いを極端に苦手とする筋金入りのコミュ障。そのため周りからは「何を考えているのか分からない」という印象を持たれることが多く、友人はほぼいない。叔父・叔母に当たる綾・閖には心を開いており、素で接することのできる数少ない人物である。
用語
[編集]聖剣 / Saint Sword
- この世に7つ残されているという神器の剣。それぞれの聖剣には魔力の源流(マジックソース)を持つ聖地が存在し、そこに刺さっている。ここから聖剣を抜き、マジックソースを聖地から自分の体内に繋ぎ替えることを契約といい、聖剣の契約者のことは聖者と呼ばれる。それぞれの聖剣には魔力を開放して放つ聖撃を持っている。
- 契約後、聖剣は四次元と三次元空間の時間平面上の移動が可能となり、聖者の意のままに操作できる。この空間を聖剣空間と呼ぶ。普段聖剣を使用しない時、聖者は四次元空間に納めていることが多い。聖剣と契約すると、特殊能力を持つ聖眼の力を得ることができる(後述)。また、聖者は聖剣以外からの外的損傷では死なない。傷を治癒するソースと魔力がコネクトされ、聖者の魔力で傷は癒えていく。基本的に聖者は聖剣でしか殺めることはできないが、治癒に必要な魔力がプールの限界を凌駕し、致命傷を与えれば殺害は可能。しかし、治癒時間は酷い傷でも1~2分程度で全快するため、現実的ではない。聖剣の種類は以下。聖眼の能力についても本項で述べる。
- スピアラ / Spiarah
- 聖者:キャロライン・アル・スミス
- 大鎌を象る。聖眼「一塑」。源流は「エジプト王家の谷」。
- 武器破壊力・耐久力に長ける。
- ・一塑 / いっそ
- サザンクロス / Surthern-cross
- 聖者:ブランドール=スナイパー
- ガンブレードを象る。聖眼「二錫」。源流は「バルカン島」。
- 剣としての破壊力は他聖剣より劣るが、銃口から波動弾を撃つことができ、遠距離戦に長けている。
- 二錫 / によう
- ゲルグ / Gerg
- 聖者:坂崎 綾
- ツインダガーを象る。聖眼「三蓋」。源流は「エアーズロック」。
- 短刀であり聖剣の中で総合的能力は劣るが、聖剣唯一の二刀形態であるためラッシュ力は凄まじい。
- 三蓋 / さんがい
- ゾディアステリアス / Zodiusterious
- 聖者:マリン=メナ・アレクサンドロス
- ツヴァイハンダーを象る。聖眼「四伐」。源流は「アレクサンドリア大聖堂」。
- 連撃よりも一撃に重きを置くタイプの聖剣で扱いが難しいが、芯を捉えた時の破壊力は聖剣中最高。
- 四伐 / しばつ
- メルトニアル / Mertnial
- 聖者:ロバート・ガルシア
- 大鎚を象る。聖眼「五戒」。源流は「東海道伊賀国」。
- 唯一源流を日本に持つ。重さ故素早さは欠けるが、攻撃と防御を一体化した攻めを行える。地面に叩きつけると、震度7に匹敵する地震を起こすことができる。
- 五戒 / ごかい
- セズール / Sezool
- 聖者:エデレード・プラートニー
- パイルバンカーを象る。聖眼「六慧」。源流は「ブロークン・ファンタジア」。
- 腕に装着するタイプのため、剣術よりも格闘術の技術が問われる聖剣。射出は重いが近距離で当てると一般人なら即死する。
- 六慧 / ろっけい
- フェーズマイナー / Faze-miner
- 聖者:坂崎 隆
- ヘラクレアを象る。聖眼「七枷」。源流は「諸刃の丘」。
- 聖剣唯一変形をする。普段の一刀ヘラクレア状態はアインス(Faze-miner=eins)と呼ばれ、供給魔力を足すと諸刃の騎士剣を象るツヴァイ(Faze-miner=zwei)に、それを変形させ巨大な一刀形にしたものはドライ(Faze-miner=drei)となる。隆は魔力に乏しいためアインス以外使わないが、スクライフとの戦いでは己がほぼ魔力を全て注ぎ込みツヴァイへ変形させ、スクライフの心臓を貫いた。
- 七枷 / ななかせ
- アポカリプス / Apocalypse
- 聖者:スクライフ・オズボーン
- 本来存在し得ぬ8つ目の聖剣。聖剣空間そのもので、スクライフの強大な魔力をもって契約を認められた、いわば聖剣空間を具体化したもの。聖眼「月犀劃」。全ての因果を源流とする。
- その源流の所以故、「全て」を統べることのできる強大な魔力の持ち主しか契約できない。聖撃は持たず、代わりに自分の魔力を放出し空間に張り付けることで自分の聖剣空間を場に生み出す『劃門(かくもん)』という能力を持つ。
SWANT (スワント)
- 「Superior World Association of Nation's Teams」の略称。優国機関連合組合。
- 表向きでこそ市場の均衡を守る機関であるが、その実、裏で暗躍し兵器の密売を始め人身売買など、全ての存在を「価値」だけで判断し、利のみを追求するマフィア。隆を始め、様々な人物がこの組織に拉致された。
- 最後は、総帥・スクライフの失踪(消滅)により組合は解消。その歴史は闇に葬られた。
- 名称の元ネタは「SWAT」。
魔堰 (ませき)/Species of magic dam
- 魔力と呼ばれる強い間接力を体内から生み出せる人種。生誕の起源は不明。外見・特徴は現れないため、自分が魔堰と気付かないまま、知らないまま一生を終える人も多い。
- 魔力の放出は意図的に抑制が可能だが、ショックや反動により魔力を放出してしまうことがあり、周りの空間に多少の干渉を及ぼすことがある。
- 魔堰には強弱が存在し、それには家系の血縁が深く関係している。純血であればあるほど、その能力は高くなる。逆に混血が進めば血は薄くなり、魔堰族に属しているといえども、ヒトと大差ない者もいる(ロディなど)。
アセスフェド / Assesfebd
- 強い魔堰の血を継ぐ人間へ転生を繰り返し、悠久の時を生き続ける半永生魔堰魂種の総称。
- 生存のために存外な魔力を必要とし続けるため、非常に強い魔堰の血の人間を転生先に選ぶ。その転生先に選ばれる可能性のことを、作中では転生適性と呼ばれる。
- 転生はその素体が生を授かる前に行われ、転生の度に記憶・精神年齢はリセットされる。そのため、生を受けた時からその本来の素体の精神ではなくアセスフェドの精神であり、転生を跨いだ記憶や能力などは基本的に存在しない。
サブタイトル
[編集]話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 演出補佐 | 作画監督 | 作画監督補佐 |
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第1話 | 諸刃の丘 -The land of beginning- |
永富健一 | 遠藤正成 | 田宮健作 | 畳健一 | 鷲宮加奈子 | 高橋真理子 |
第2話 | 出逢い -Fate- | ||||||
第3話 | 静かすぎる騒音 -In the dark- | ||||||
第4話 | 愛を包む -Appreciate- | ||||||
第5話 | 超者 -Higher and higher- | ||||||
第6話 | 交わる刃 -Cross feelings- | ||||||
第7話 | 聖眼 -Open your eyes- | ||||||
第8話 | 独り -Be strong- | ||||||
第9話 | レッテル -Do you accept me?- | ||||||
第10話 | 四次元 -Unseen- | ||||||
第11話 | 時の矛盾 -Tie time- | ||||||
第12話 | 揺籠 -In peace- | ||||||
第13話 | 聖なる夜 -Decide the destiny- | ||||||
第14話 | 蠢き -Cruel mob- | ||||||
第15話 | 運命の帳 -To the end- | ||||||
第16話 | ジレンマ -Raison detre- | ||||||
第17話 | 罪と罰 -Honey and saliva- | ||||||
第18話 | 写実フラエル -One time vogue- | ||||||
第19話 | 歯車軋む -Unstoppable life- | ||||||
第20話 | 嘘と真の紙一重 -Lover's bluff- | ||||||
第21話 | 白い声 -Resolution- | ||||||
第22話 | 終わりの朝 -Loathing sunrise- | ||||||
第23話 | 一縷懸命 -My last roar- | ||||||
最終話 | 最期のダイアログ -Say good-bye- | ||||||
特別編 | あなたに逢えて -Epilogue- |