WISP
WISP(ウィスプ)とは、かつてマイクロソフトが提唱していた、動的(ダイナミック)なウェブコンテンツを含み、かつセキュリティ面でのサポートが必要な軽量なウェブサイトの構築のためのソリューション[1]。
LAMPへの対抗として提唱された概念であるが、提唱当時のようなオンプレミス環境での構築が減少し、クラウドプラットフォームへの移行が進んだことと、マイクロソフト自身、サティア・ナデラの指揮のもとオープンソースコミュニティへの積極参加の方針に転換したことで、当時提唱された概念は過去のものとなっている。
2019年時点でマイクロソフトが自社のAzureプラットフォーム上でDockerコンテナを介してUbuntu環境下でのLAMP構築を選択肢の1つとして提示するまでにオープンソースに傾注している。
概要
[編集]OSであるWindows、WebサーバであるInternet Information Services、データベースであるSQL Serverといったマイクロソフト製品に加え、オープンソースのスクリプト言語であるPHP,Perl,Pythonを総称した頭文字から成る造語である。
類似品として、スクリプトエンジンをASP.NETに置き換えたWISAがある。
他のソリューションとの比較
[編集]OS | WEBサーバ | データベース | スクリプトエンジン | |
---|---|---|---|---|
WISP | Windows | IIS | SQLServer | PHP / Perl / Python |
WISA | Windows | IIS | SQLServer | ASP.NET |
LAMP | Linux | Apache | MySQL | PHP / Perl / Python |
WAMP | Windows | Apache | MySQL | PHP / Perl / Python |
LAMP
[編集]LAMPの専門技術者を確保しにくい中小企業や、既にWindows Serverの導入実績がある企業などでは使い慣れたWindowsプラットフォームで稼働するため、LAMPで構築する場合に比べ運用コスト面でメリットがある。また企業独自のアプリケーションはWindows上で稼働する物が多くこれらとのインテグレーションも容易である。
逆に言えば人的コスト面で専門技術者の常在が許される場合、Windows資産の継承が必要が無い場合は上記のようなメリットは無い。 またWindows(IIS)とSQL Server[※ 1]が有償であるためどうしても初期投資額が大きくなる。更にOSSのようにソースコードが公開されていないため、これらミドルウェアのソースコードを改変するレベルでの細かいチューニングを行うこともできない。
類似用語
[編集]- WIMP - Windows+IIS+MySQL+(PHP,Perl,Python)
- WIPP - Windows+IIS+PostgreSQL+(PHP,Perl,Python)
- LAMP - Linux+Apache+MySQL+(PHP,Perl,Python)
- WAMP - Windows+Apache+MySQL+(PHP,Perl,Python)
注釈
[編集]- ^ SQL Server Express を使用すれば、有償エディションと比べて制限はあるが無償。
出典
[編集]- ^ 月刊 Windows Server World 2008年4月号