Wikipedia‐ノート:オフラインミーティング/東京/第2回応用力学ウィキペディアフォーラム
講演内容のまとめ
[編集]去る2012年7月26日に開催された「第2回応用力学ウィキペディアフォーラム」において、私(利用者:海獺)はお時間をいただき「ウィキペディア編集の心構え」というタイトルでお話をさせていただきました。この模様は一部ustreamでも配信されましたが、講演内容の抜粋をこのページに記しておきます(サブページのほうが適切ならば、自由に移動していただいて結構です)。
はじめに
[編集]簡単な自己紹介と、私の生活レベルで応用力学とどう関わっているかのお話、および利用者:Ks aka 98さんが本棚を作るのに忙しく事前の内容打ち合わせができなかったことなどを枕に、今回の講演の3つのポイントを提示しました。
- プロジェクトとしてのウィキペディア
- コミュニティ
- 編集
ウィキペディアとは
[編集]多くのウィキメディア・プロジェクトのうちの一つで、280を超える言語版があり、World Wide Webの中では、 Google、Yahoo、Facebook、YouTube、Baiduに次ぐ6番目にアクセスが多いサイトであり[1]、財団の職員数は80人である(ほとんどが技術者と法務関連)。
- ウィキペディアはプロジェクトの中で最大規模であり、有名である、対してほかのプロジェクトの知名度は低い。例としてノート:応用力学ではWikibooksへの執筆依頼が2010年に書かれているが、反応がないままの状態が続いている。
- ウィキペディアをWikiと略すのは適切ではない[2]。一時期話題になったWikileaksはウィキメディア・プロジェクトではなく、システム的にもWikiが使用されているわけではない。
ウィキペディア日本語版
[編集]81万の記事、220万ページ、64万アカウント+無数のIPユーザー、61人の管理者。国内のアクセスランキングは、Yahoo.jp、Google.jp、Google.com、Youtube、Fc2、Facebook、楽天、amebloに次ぐ9位[3]。ブリタニカ・オンライン・ジャパンは15万4千記事。
代表者、日本語版の管理運営団体、意思決定機関(裁定委員会)は2012年現在、なし。(GoogleやFacebookのようなオフィスや社屋はウィキペディア日本語版にはないので、以前非公式にTV番組「〜あらゆる世界を見学せよ〜潜入!リアルスコープ」の制作サイドから取材の打診があった時も、結果的に映像として出せる素材の少なさから立ち消えになった。またTV番組「ITホワイトボックス」の2010年8月19日放送分、『世界最大!百科事典「ウィキペディア」の秘密』の回では、ある管理者の自宅での対処風景などが使用された)。
管理権限の使用頻度は、一日に40ブロック、10保護、70削除。これを61人の管理者と、削除者などの権限所持者でまかなっている。
ウィキペディアにおける自由
[編集]- 使用、編集、複製、改変、配布、再利用 -すべて可能
- 使用料、広告なし
- 100%コピーレフト、100%FLOSS(Free/Open Source Software)
- ボランティア、慈善団体による運営
- 検閲されない(「ウィキペディア、ロシア語サイトを一時閉鎖 法改正案に抗議 」http://www.cnn.co.jp/tech/30007298.html などのニュースを参照)
編集に参加していただく前に
[編集]自身の編集は、アカウントもしくは編集時のIPアドレスで紐付けられ、(特別な理由がない限り)履歴にすべて残る。アカウントを作成しログインして編集参加をすることが 推奨されている。IPアドレスが表示される編集を行った場合、さまざまな弊害が起こるケースがある。
心構え
[編集]- コピペするな。どこかに書いてあることを引き写しすることは、理念や目的が異なる。著作権の問題もある。
- 喧嘩するな。議論に夢中になるあまり記事が発展しなくなる。
- 決まりごとを守れ。講演や図書館など公共の場所における明文化されていないルールも、共同作業の場では意識する必要がある。
多くの方針や決まりごとがあるが、「信頼されるフリーな百科事典を――それも、質も量も史上最大の百科事典を創り上げること」という理念に合致しているかどうかを意識する。
- すべての記事は発展途上である。「Wikipedia:編集方針」、「Wikipedia:完璧な記事」――具体例として「Wikipedia:秀逸な記事」、「Wikipedia:良質な記事」
編集における三大方針
[編集]「Wikipedia:中立的な観点」、「Wikipedia:検証可能性」、「Wikipedia:独自研究は載せない」これら三つの方針は相互補完的、議論の余地がない。
中立的な観点
[編集]- イデオロギー、ナショナリズム、地域差、世代差、性差、など無意識のうちに自分が偏った視点で考えてはいないか、自分が中立的ではないのではないかと問いかけてみる。
- 自分が良く知っている分野、近しい対象を執筆するときは、より以上に中立的な観点を意識する。
検証可能性
[編集]- 執筆者の見解や意見、解釈は書かない。どのような情報源によって記述内容が裏打ちされているか。
- 真実であるかどうかではなく、検証が可能かどうか。
- ある災害による犠牲者が10人だと報道されている場合、あなたが誰にも知られていない11人目の犠牲者がいることを知っており、それが真実であっても、ウィキペディアでの記述には適さない。
独自研究は載せない
[編集]- 研究結果の発表場所ではない。一般に広く認知されていることを出典つきで書く。広く認知させるために書くのではない。
- 情報の合成により特定の見解を推し進めない。A州のB町で液状化現象が起こった。C町でも起こった。この二つの記述から「A州で家を建てることは推奨されない」などの記述を書くことは受け入れられない。
ウィキペディアの信頼性
[編集]ウィキペディアは誰でも編集に参加ができるwikiというシステムを使用しており、アカウントを作成しなくても自由に書き換えることが可能である。つまりあなたがゾウという項目を閲覧しようとした寸前に、誰かによって「ゾウは魚類」と書き換えられている可能性がある。つまり信頼性はどれくらいなのかという問いに対する回答はない。ある項目のある版では非常に信頼性が高いが、次の瞬間ゼロにもなる。
信頼度に関する二つのソース
- http://current.ndl.go.jp/node/21136 ウィキペディアにおいて政治的中立性は実現しているか? エリック・レイモンドによるリーナスの法則も参照のこと。
- http://www1.ipdl.inpit.go.jp/JJ0/htmldata/H/2/3/_/9/0/0/4/423900420_001.html?1346048153 商標登録に関する判断において、ウィキペディア日本語版の記述内容が審議内容に深くかかわっている例
今回、集まっている皆さんの目的の一つは、ウィキペディアへの編集参加です。「ウィキペディアなんか信頼できない」と感じたら、今後は「自身の手で信頼できる内容に変更することができるんだ」と考えてください。
そのほか雑談めいたトピック
[編集]ケーススタディ
オフラインを含めた今後の動きのいくつか
- 「ウィキメディア東京ミートアップ35」[1] Akanijiさんによる定期的なお茶会の紹介
- 「プロジェクト:GLAM」[2]および「saveMLAK」[3]の紹介
- QRペディアの各施設への紹介活動
- トラベルガイド[4]という新プロジェクトについて
常識という厄介なものについて
- 「月がきれいですね」の意味
- 「仁徳天皇陵」「富士山は休火山」「いい国作ろう」とは現在は教えていない
最後に
[編集]大体上記のような内容で、お話しました。当初予定時間を大幅にオーバーしてしまったこと、この場で改めてお詫びします。お取り計らいいただいた皆様、拙い話を聞いてくださった出席者の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。