Wikipedia:締め切りなんてない
この文書は私論です。一部のウィキペディアンが助言や意見を記したものです。広く共有されている考え方もあれば、少数意見の見解もあります。内容の是非については慎重に検討してください。 |
ウィキペディアは締め切りに向けて作業をしているのではありません。もしかしたらウィキペディア1.0の時代の記事はそうだったかもしれませんが、大多数の記事はそうではなく、まして何かの帳尻を合わせるための締め切りはウィキペディアに存在しません。
この「締め切りがない」という考え方は、次の3つの箴言のかたちで言い換えることができます。
新規作成を急ぐな
[編集]私たちは、新しい記事を作成する手前で、その記事の主題となる出来事や概念、人物の重要性(特筆性)がはっきりとするまで待ち、原稿を推敲することができます。
ウィキペディアはニュースメディアではないので、特オチを恐れる必要はありません。これは強みなのです。だからたとえ誰かに先を越されたとしても、利用者サブページやローカル環境のWordファイル、あるいは400字詰め原稿用紙にしたためた、中立的かつ客観的な視点によるあなたの原稿に、これでもかというほどの出典をつけてその既存の記事に投稿し、最高傑作の、素晴らしい、完璧な記事に変えてください。編集履歴の初版にあなた以外の足跡が残るとしても、それがなんだというのでしょう。あなたの編集で、スタブをおすすめ記事に変えてください。
ウィキペディアはタイムトライアルの場ではないのです。記事の質・量と特筆性がおろそかな状態で記事を作成するのは、ウィキペディアにおいてはけして褒められた行為ではありません。最初にゴールテープを切ることに意味はないのです。たとえ最後にゴールしようとも、しっかりと出典に裏打ちされた、中立的で内容の充実した記事を投稿すれば、直接・間接をとわずたいへんな賞賛を集めることでしょう。
削除議論を急ぐな
[編集]私たちは、新しい記事の削除を議論して実際に削除する前に、おおもとの記事を編集し、加筆し、改善することができます。
ウィキペディアは紙でできた百科事典ではなく、入稿や印刷といったスケジュールとは無縁です。そもそも完成という概念がないのです。ウィキペディアには「いつかは私たちの標準にたどり着く」という方針がありますが、これは文字通りの意味なのです。多少不出来な記事のための加筆や修正に長い時間がかかったとしても、それがいったい何だというのでしょうか。ウィキペディアは発達途上にあり、そして常に発展途上です。ウィキペディアは今日、完成させなければならない訳ではありません。単に昨日、改良する必要があったのです。完全な記事は望まれておらず、また達成できもしません。
そもそも未完成の記事の作成は、ウィキペディアにおける隠れた柱です[注 1]。未完成の記事こそが、多くの人にウィキペディアを編集したい、改善したいと思わせるからです。あなたが誇るべきは、自分の削除依頼がとおった数ではなく、削除さえあやぶまれる未完成の記事にどれだけの編集者を呼び込み、どれだけの記事を救ったのかということであるべきでしょう。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ すでに歴史的文書にはなりましたが、英語版ウィキペディアには、多くの人をウィキペディアにかかわらせるために、"Always leave something undone" (いつも何かを未完成にしておく)というルールがありました。