Xシリーズ
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『Xシリーズ』(X series)は、講談社より発行されている森博嗣による推理小説の一シリーズである。シリーズの名前は各作品タイトルの真中に×があることからつけられている。
概要
[編集]同出版社より刊行されている『S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ』サーガの番外編である。時系列は『Gシリーズ』の「ηなのに夢のよう」の後になる。
東京の美術品鑑定と探偵業を生業とする椙田事務所、改め、SYアート&リサーチの従業員たちが関わった事件の謎を追う。
ノベルスのカバーには真空管やナイフなど、作品と関連する物のレントゲン写真が使われている。
主な登場人物
[編集]- 小川令子(おがわ れいこ)
- 椙田事務所改め、SYアート&リサーチの所員。30代で独身。前は社長秘書を勤めていたが一柳社長の急死で失職し、社長の遺産の鑑定に来ていた椙田に誘われて転職した。その好奇心のせいで何度も犯人に襲われる羽目になる。
- 真鍋瞬市(まなべ しゅんいち)
- 椙田事務所改め、SYアート&リサーチのアルバイト。芸大生だが大学にはあまり出席していない。外見はオタクっぽいと小川には評されている。事件の際には様々な可能性を披露しながら解決に導いている。
- 鷹知祐一朗(たかち ゆういちろう)
- 個人経営の探偵。30代。ある事件で知り合ったSYアート&リサーチの従業員と度々協力し合っている。資産家の三男で、その様々な伝手から事件の調査を依頼されることが多い。
- 椙田泰男(すぎた やすお)
- 椙田事務所の所長。シリーズ開始時、57歳。滅多に事務所に顔を出さない謎多き人物。萌絵から過剰に逃げまわり、萌絵が近隣のW大学に赴任したと知るや、事務所の名称をSYアート&リサーチに変えた。
- 永田絵里子(ながた えりこ)
- 真鍋の同級生。「タカイ×タカイ」から登場。モデル等のバイトをしており、SYアート&リサーチにも「ムカシ×ムカシ」から臨時のアルバイトで雇われて事件に首を突っ込む。
- 西之園萌絵(にしのその もえ)
- W大学大学院の助手。シリーズ開始時、27歳。他県から赴任してまもなく、ある騒動で小川と知り合う。「タカイ×タカイ」では多忙の合間を縫って事件の解決に協力した。その後、准教授に昇格する。
- 各務亜樹良(かがみ あきら)
- 椙田と密会しているのを真鍋に目撃された謎の女性。
- 加部谷恵美(かべや めぐみ)
- 萌絵の古い知人。椙田らが去ったSYアート&リサーチに入所し、「馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow」「歌の終わりは海 Song End Sea」でその活躍を見せる。
シリーズ作品
[編集]- イナイ×イナイ Peekaboo
- 講談社ノベルス:2007年5月発行、ISBN 978-4-06-182531-4
- 講談社文庫:2010年9月発行、ISBN 978-4-06-276746-0
- キラレ×キラレ Cutthroat
- 講談社ノベルス:2007年9月発行、ISBN 978-4-06-182555-0
- 講談社文庫:2011年3月発行、ISBN 978-4-06-276903-7
- タカイ×タカイ Crucifixion
- 講談社ノベルス:2008年1月発行、ISBN 978-4-06-182578-9
- 講談社文庫:2012年3月発行、ISBN 978-4-06-277167-2
- ムカシ×ムカシ Reminiscence
- 講談社ノベルス:2014年6月発行、ISBN 978-4-06-299020-2
- 講談社文庫:2017年4月発行、ISBN 978-4-06-293604-0
- サイタ×サイタ Explosive
- 講談社ノベルス:2014年11月発行、ISBN 978-4062990332
- 講談社文庫:2017年9月発行、ISBN 978-4-06-293657-6
- ダマシ×ダマシ Swindler
- 講談社ノベルス:2017年5月発行、ISBN 978-4062990967
- 講談社文庫:2020年5月発行、ISBN 978-4-06-518792-0
関連項目
[編集]- 「幻惑の死と使途」 - S&Mシリーズ
- 「捩れ屋敷の利鈍」 - Vシリーズ
- 「四季 秋」 - 四季シリーズ
- 「ηなのに夢のよう」 - Gシリーズ
- 「ライ麦畑で増幅して」 - レタス・フライ(文庫本のみ収録)
外部リンク
[編集]- 浮遊工作室 (ミステリィ制作部) X series - 作者による解説
- 『ムカシ×ムカシ Reminiscence』森博嗣|講談社BOOK倶楽部 - ムカシ×ムカシ刊行時のインタビュー