Attachment Unit Interface
AUI(アタッチメントユニットインターフェイス、英: Attachment Unit Interface)は、イーサネットにおいて、MACとトランシーバ間の接続延伸のために用いられる物理層インターフェイスの1つ。
初期イーサネットでは15ピンコネクターを持つケーブルとして実装された。また、機器内部のチップ間インターフェイスとしても動作仕様が規定されている。
10BASE5におけるケーブル接続
[編集]初期イーサネットである10BASE5では、同軸ケーブルのバス伝送路上に分岐タップとMAU (Media Attachment Unit)トランシーバを取り付けて端末と接続する。伝送路から離れた位置にある端末では、最大50メートルのAUIケーブルをMAUに接続することでネットワーク接続が可能となる[1]。
10BASE5と10BASE2の使用が主流だった1990年代初頭まで、コンピュータやリピータハブなどのイーサネット通信機器にはAUIコネクターが装備されることが一般的だった[2]。ツイストペアケーブルを用いる10BASE-Tや100BASE-TXの導入により、これらは8P8C (RJ-45)コネクターに置き換えられていった。
AUIコネクターはDA-15と呼ばれる15ピンのもの[3]。通常、コネクタにあるネジの代わりにスライドクリップがあり、2つのコネクターを固定する。
内部インターフェイス
[編集]AUIは、機器内部回路上でMACとトランシーバ間に物理的に距離がある場合の内部インターフェイスとしても動作が規定されている[4]。 AUIと類似の機能を持つインターフェイスが100MbpsではMII[5]、1GbpsではGMII[6]の名称で置き換えられた。10Gbps以上の高速通信では、再び以下のような「AUI」を含む名称のインターフェイスを別途用意している。
- XAUI (ザウイ、ゾーイ)
- 10ギガビット・イーサネットの内部インターフェイス。"X"はローマ数字の10を意味する。
- XGMIIを信号変換して延伸するために提案されたもの[7]であるが、機器回路の多くはXGMIIをチップ内部処理とし基板配線にはXAUIを用いる。送受で差動配線4対ずつ16本で構成され、各バスが3.125Gbaudで動作し全体で10Gbpsを実現する[8]。最大配線長は50cm[9]。さらにチップメーカは倍速動作で配線本数を半分に減らしたRXAUIを独自実装している[10][11]。
- XLAUI
- 40ギガビット・イーサネットの内部インターフェイス。"XL"はローマ数字の40を意味する。
- PMA副層の延伸に提案されたもの。10.3125 Gbaudで動作する差動配線4対で構成される[12]。
- CAUI-10, CAUI-4, 100GAUI-2
- 100ギガビット・イーサネットの内部インターフェイス。"C"はローマ数字の100を意味する。
- チップ性能向上に伴って提案されたもので、それぞれ10対・4対・2対の差動配線から構成され、要求されるシンボルレートも速くなっている[13]。
脚注
[編集]- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 7
- ^ "イーサネット・HUB「AUI(10BASE5)、BNC(10BASE2)、10BASE-T装備」外観図、構成図", allied-telesis
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 7.6
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 8.1
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 22
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 35
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 47 - XGMIIとXAUIの相互変換処理部はXGXS (XGMII Extender Sublayer)と呼ぶ。
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 47.1.3
- ^ IEEE 802.3-2018, Clause 47.1.2
- ^ Marvell MV-S 105386-00 RXAUI Interface and RXAUI Adapter Specifications
- ^ Dune Networks DN-DS-RXAUI-Spec v1.0, RXAUI - Reduced Pin XAUI
- ^ IEEE 802.3-2018, Annex 83A, 83B
- ^ IEEE 802.3-2018, Annex 83A-E, Annex 135D-G