「コーディネイターとナチュラル」の版間の差分
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: 数少ない中立国であり大半の国民はナチュラルであるがコーディネイターも受け入れている。中には正体をカミングアウトせずに隠遁している「潜在コーディネイター」が存在する。<!--エリカ・シモンズは夫にはコーディネイターであることを告白しているが幼少期の差別からコーディネイターであることを息子や職場の人間に隠して生活している潜在コーディネイターである。GATシリーズ開発中のマリューはオーブの潜在コーディネイターを頼り上層部を通じて協力を要請している。--> |
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:周囲との軋轢を逃れるため{{要出典}}、コーディネイターであることを隠した「'''潜在コーディネイター'''」として暮らす者もいる。 |
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== 脚注 == |
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2010年5月4日 (火) 05:23時点における版
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コーディネイター(Coordinator)とナチュラル(Natural)は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』および『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の人種概念。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
それぞれの名前の由来
コーディネイターとは「遺伝子を調整された」ということに由来する。それに対して遺伝子調整されていない通常の人類はナチュラルと呼ばれるようになった。
本来のコーディネイターとは「新たに生まれるであろう新人類と人類の架け橋となる調整者となるよう」にと、最初のコーディネイターのジョージ・グレンによって命名されたものだが[1]、コーディネイターとナチュラルの対立が深まるにつれて、コーディネイター自身が選ばれた新人類であるとする選民思想に取って代わられ、やがてそれがプラント在住者の中心的イデオロギーとなってしまった。
歴史
- C.E.15年、人類初のコーディネイター、ジョージ・グレンが自らが遺伝子操作により生まれたことを告白すると共に、ネットワークを通じてその技術を全世界に伝えた。「彼らは自然に生まれた者達より、多くの力を持てる肉体と、多くの知識を得られる頭脳を持っている。そしてその創造者の意図は、我々人には、まだまだ可能性がある。それを最大限に引き出すことができれば、我等の行く道は、果てしなく広がるだろう」というものであった。しかし、遺伝子操作で超人を造る技術であるコーディネイター技術は、世論から多くの反発を受けた。
- C.E.16年、国連遺伝子資源開発会議において、出生前の人間に対する遺伝子操作の一切を禁ずる「人類の遺伝子改変に関する議定書」が可決され、これにより合法的にコーディネイターを誕生させることは不可能になったが、我が子を「勝ち組」にしたい一部富裕層をはじめとする人々の欲望を制御しきることは出来ず、その後も多くのコーディネイターが違法に誕生し続けることになる。
- C.E.30年のパレスチナ公会議の失敗により伝統宗教の権威が著しく失墜すると、「コーディネイター寛容論」「遺伝子操作アレルギー論」が広まり、誕生するコーディネイターの数が増加する。コーディネイターを誕生させることを目的とする企業まで現れ、C.E.45年にはその人口が1000万人を突破したとみられる。このためC.E.55年には、再度コーディネイター出生の禁止を定めた「トリノ議定書」が採択された。その後、ブルーコスモス思想の定着や、物理的居住空間がナチュラルは地球、コーディネイターはプラントにほぼ分断固定化したこともあり、C.E.70年代では第一世代のコーディネイターはほとんど生まれなくなっている。
能力差
コーディネイターは総じてナチュラルよりも堅牢で運動神経の優れた身体能力、優秀な頭脳を持っているとされる。また、過酷な環境や重篤疾病に対する抵抗力も高い。コーディネイターは、特殊な栄養摂取や特段な訓練、外科的薬学的処置などせずとも、通常の知的身体的発達過程で超人的な能力がナチュラルの発達速度よりはるかに高速で発現されることが、例外的障害を除けば生得的に約束されている。しかしながら、例外もあり、調整に失敗し、先天的に障害を抱えるケースが存在する[2]。また、最小限の遺伝子調整しか受けられなかったため、ナチュラルとの能力差が無いものも存在する[3]。 。無論、不死身の生物では無く、老衰、あるいはなんらかの不慮の事故により著しい損傷を身体に被った場合は死に至る。
しかし、コーディネイターといえど、適切な訓練や学習を行わければ能力をうまく発揮することはできないし[4]、まったく運動をしなければ肥満にもなる[5]。とはいえ、知能指数、反射能力など、努力では縮めることのできない力をコーディネイターは生まれながらに有していることには変わらない。一方でナチュラルにおいてもコーディネーターと同レベルかそれ以上の能力を持つも例も存在する。[6]。
コーディネイター国家であるプラントの技術力は総じてナチュラルの国家より高いが、元々頑健な肉体を持っているためにあまり必要とされていない医療や薬学などの一部分野では、ナチュラルの社会の方が技術的に優れているケースもある。
また、高い知能を持つコーディネイターは一般にモラルが高く、彼等の中で差別は存在しない(あくまで一般論である。また差別が存在しないといってもコーディネイター同士である場合に限る。ナチュラルに対しては特にプラント在住者においては意識するしないに関わらず差別意識を持っている。また本編においても、捕虜への虐殺行為や後述のパトリック・ザラの言動など、ナチュラルと同じかそれ以下のモラルしか有さない行動や言動が見られる)。
コーディネイターの出生率の低下
コーディネイターは自らを「新人類」、ナチュラルを「旧人類」と呼び、好戦派でありプラント評議会初代国防委員長であるパトリック・ザラも「コーディネイターは優れた種であり、ナチュラルは滅ぶべき」とまで考えているが[7]、個体としての能力はともかく、種としてコーディネイターは優れているとは言い難い。
もっとも表面的な理由として、種単体としての永続性が現時点では危ういという点である。 遺伝子操作を受けたナチュラルの受精卵から誕生した者を第一世代コーディネーターと言い、第一世代の親から産まれたコーディネイターを第二世代と呼び以降はそれに続く。コーディネイター同士の両親から生まれた子供もコーディネイターの資質を備え、更に自然交配による能力の劣化(ハーフコーディネーターを参照)を防ぐため、次世代も遺伝子操作を受けている。
これにより全てのコーディネーターは実際の親族間でも遺伝子の型が変化しているのだが(遺伝上は他人同士)、このような遺伝子改良を実行した結果、コーディネーター同士の遺伝子を掛け合わせた時、全てのコーディネーターが個人ごとに異なる遺伝子操作を施しているが為、受精における遺伝子融合が成立しにくいという生殖能力の低下問題が発生した。これは互いの遺伝子構造が異なるため、双方間では相手が別の種であると精子・卵子が認識してしまっているという生物学上の問題である。
遺伝子の型が組み合わない者同士での出産は事実上不可能となり、さらに遺伝子配列は世代を重ねることでより複雑となり次世代を誕生できる組み合わせが減っていくため、第三世代の出生率の低下は現行の深刻な問題になっている。そのためプラントでは誕生時の遺伝子から適合性を見出しての婚姻統制を取り、生殖が失われない遺伝子技術の開発を至上命題としている。
それに加え、天然母胎の子宮が受精卵の発生発達に影響を及ぼし、遺伝子操作者の意図通りの形質が表現されない場合があるため、「人工子宮」による胎児の成育も同時に進められている。
ハーフコーディネイター
ナチュラルとコーディネイターの間で混血は可能であり、ごく少数ながらそういったハーフコーディネイターと呼ばれる者も存在する。
ナチュラルでもコーディネイターでもない亜人類として扱われることが多く、立場的に社会生活でも孤立してしまい、ほとんどのハーフコーディネイター達は、自らの素性を隠し続けるか、中立国であるオーブに在住している。また、自身の存在に疑問を感じコーディネイターの撲滅を主張するブルーコスモスに協力する者もいる。 穏健派のプラント最高評議会議長シーゲル・クラインは「自立して存続しうる新たな種ではない」と、先細る運命にあるコーディネイターの未来を危惧し、上記の出生率の問題に対する解決策として、コーディネイターとナチュラルを結ばせ、ナチュラルへ回帰(ナチュラル回帰論)させることを考えていた。この考えはナチュラル帰りと呼ばれコーディネイターの存在理由を否定するとしてタブー視されているが[8]、秘密裏にコーディネイターの一部を南米へ移住させ、「ナチュラル帰り」を実施している。
スーパーコーディネイター
コロニーメンデルにおいて、ユーレン・ヒビキが「人工子宮」を用いて胎児を発育させた「最高のコーディネイター」を、スーパーコーディネイターと呼ぶ。
事の発端は、コーディネイター作出のための受精卵へのジェネティックエンハンスメントにおいて、クライアント(親)のオーダーに基づき技術者のデザインした塩基配列(遺伝子型)どおりの形質(表現型)が胚の生育過程で発現しない例が少なからずあったことによる。例えば、青い瞳になるよう塩基配列をデザインしたのに青い瞳の胎児として発生発達せず、金髪になるようデザインしたのに金髪の胎児に育たない、などである。ヒビキ博士は、これらの現象を、生物である母胎という装置が不均質であり、それが様々な変数となって胚の生育に影響を及ぼすからだと考えた。そこで彼は、胚が母胎からの余計な影響を受けない「人工子宮」を開発し、それを用いて受精卵を発育させ、完全にクライアントのオーダー(=「高い金を出して買った夢」「人類の夢」)通りの形質発現を達成したコーディネイターを誕生させれるように研究をしていた。
しかし、いつしかユーレンは自身の子供を身体、頭脳共に極限まで高めた生命体[9]「スーパーコーディネイター」を生み出そうとしていた。人工子宮という装置の機器としての完成度や諸々の問題は依然としてあり、満足のいく個体を誕生させる歩留まりは非常に低かった。ユーレンは研究者としての執念から、妻であるヴィアの反対を押し切り、幾多の失敗例の山を築いたうえで、唯一の成功例としてヒビキ博士自身の配偶子で妻ヴィアとの間に生じた双子の子供の内、息子の方であるキラ・ヒビキをスーパーコーディネイターとして誕生させた。
取り立ててスーパーコーディネイターは戦闘能力を重視されており、遺伝子研究の権威でもあるプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは「当代誰も敵わないキラのやるべき道はモビルスーツパイロット」だと評価し、失敗作の烙印を押されたがカナード・パルスもユーラシア連邦にスーパーコーディネイターとして能力を買われている。また『SEED ASTRAY』の著者である千葉智宏は、森田繁の「劾はどのようなキャラか」との質問に「SEED世界で一番強いキャラ」と回答したが、それに対して森田繁は「キラより強いのはありえない」と述べている。この事からスーパーコーディネイターのキラの戦闘能力は戦闘用コーディネイターの劾を超えていることがわかる。
戦闘用コーディネイター
コーディネイターの戦闘集団であるザフト軍に対抗するために、地球連合軍が作り出したコーディネイターである。
戦闘能力強化に関して非常に高い完成度を誇る戦闘用コーディネイターであるが心理コントロールが不完全であったために脱走する者もいた。服従遺伝子によって心理コントロールを施したソキウスは「ナチュラルのためになること」を最優先とされている。このため、ソキウス個人の意思にかかわらず、ナチュラルに対する行動が抑制されており、一般のナチュラルは無論、ナチュラルに危害を加えるナチュラルやナチュラルの利益にならないナチュラルであっても攻撃や妨害などの行動は出来ないようになっている。例外も存在し服従遺伝子を組み込まれていないソキウスもいる。
各国の状況
- プラント
- 第一世代の親を除き、ナチュラルはほとんどいない。国民、コーディネイターは15才が成人年齢であり、17才から18才で官僚や閣僚の役職をこなす者も珍しくない。兵役に出るのも10代が通常である。
- コーディネイターの親の中には、外見や能力などが希望通りに生まれてこなかったからと言う理由で親権を放棄してしまうケースもある。こういった子供たちは、兵士養成機関「サーカス」に売り渡され、そこで高い能力を活用され高値で取引されることとなる場合もある。
- 地球連合
- 地球、月、L1及びL3宙域のコロニーに居住している人類の大半がナチュラルであるが、プラントが実効支配しているL5宙域ではナチュラルとコーディネイターが居住しているコロニーが混在している。
- コーディネーターを嫌悪するブルーコスモスおよびその後援組織であるロゴスは戦況における能力差を埋めるため、生体CPUやエクステンデッドと呼ばれる精神操作や薬物などの非人道的な方法によって精神と肉体を強化した強化人間を作り出している。ブルーコスモス台頭以前は「ソキウス」と呼ばれる戦闘能力に突出したコーディネーターを開発、実戦投入していた。また、地球連合軍に所属しているのはすべてがナチュラルというわけではなく、ごく少数だがコーディネーターも所属している。
- オーブ連合首長国
- 数少ない中立国であり大半の国民はナチュラルであるがコーディネイターも受け入れている。中には正体をカミングアウトせずに隠遁している「潜在コーディネイター」が存在する。
脚注
- ^ 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 漫画版 第3巻 p76
- ^ 顕著な例として機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAYに登場するリーカ・シェダー。彼女は先天的に盲目という設定である。
- ^ 機動戦士ガンダムSEED ASTRAYに登場するイライジャ・キール
- ^ 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 小説版 第2巻 p60
- ^ 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 小説版 第1巻 p144
- ^ 機動戦士ガンダムSEED本編のラウ・クルーゼ(及びクローン元のアル・ダ・フラガ)、MSVのレナ・イメリアなど
- ^ 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 小説版 第2巻 p65
- ^ 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 小説版 第1巻 p148
- ^ 「機動戦士ガンダムSEED MSエンサイクロペディア」より