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「食パン」の版間の差分

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==パン耳==
==パン耳==
食パン焼成後に茶色く変性した周辺部分は「表皮」と呼称し、「パンの耳」などと広く俗称されている。
食パン焼成後に茶色く変性した周辺部分は「表皮」と呼称し、「パンの耳」などと広く俗称されている。
余ったパンの耳を無料で提供するパン屋もあり、下宿している大学生等はこれだけを目当てにパン屋に通うことがある。一部の空手団体は、こうして食費を節約して月謝を支払うことを美徳としている。


*商品化例
*商品化例
**[[末広製菓]]や[[山崎製パン]]が販売する「揚げパンスナック」は、サンドイッチ製造時副次産物のパン耳を商品化したものである。
**[[末広製菓]]や[[山崎製パン]]が販売する「揚げパンスナック」は、サンドイッチ製造時副次産物のパン耳を商品化したものである。

2013年12月28日 (土) 16:29時点における版

カットされた食パン

食パン(しょくパン)とは、食パン型と呼ばれる四角い型に生地を入れ発酵させて焼成したパンである。形により角型食パン(プルマンブレッド)、山型食パン(ラウンドトップ)、ワンローフなど多くの種類がある。18世紀ごろにイギリスで、カナダ強力粉を原料[1]として金型に入れて焼いた山型食パンの製造[2]が開始されている。

「食パン」は日本における呼称で、フランス語では「pain de mie」(パン・ドゥ・ミー)[3]と呼称される商品が広く嗜好され、日本でもこの名称で販売[4]されている。台湾語では食パンとトーストを「ショッパン」(白話字:sio̍k-pháng)と呼称している。

日本の食パン

明治初期に日本へイギリスの山型白パンが伝わり主に外国人向けに製造され、神戸では米騒動を期に食パンが朝食用途[5]に用いられる。戦後、サンドイッチを食する占領軍兵士のニーズを受けて、角型食パンが8枚に切り分けて販売される。後年に食パンの食感が日本人の嗜好へ調整され、トーストでの供食に好まれる6枚、5枚、4枚など厚切りや、サンドイッチなど調理加工に好まれる10枚、12枚など薄切りが販売されるなど切り分け厚は多様である

消費量は、近畿2府4県すべてが上位10都道府県内と多く、廉価品より高級品、薄切り(6・8枚切)より厚切り(4・5枚切)の販売額が高い[6]。北海道では、四角い食パンの呼称「角型食パン」の略称から一般的な食パンを「角食」(かくしょく)と呼称し、一辺が丸い食パンを「山型食パン」から山食(やましょく)と呼称する者も多い。

日本の食パンは牛乳脱脂粉乳バターマーガリンショートニングなど油脂類の添加が散見されるが、欧州各国ではだけで練られることが多く、日本の製品は菓子パンに分類される場合がある。

英仏の食パン

日本の食パンは焼き型に蓋するため四角形だが、イギリスでは焼き型に蓋せず上部が盛り上がった山形で[7]、フランスではパン・ドゥ・ミと呼称されるやや小振りな商品が広く嗜好されている[8]

焼成

製粉小麦粉類を焼成すると重量は約1.5倍に増加する。

日本の食パン基本配合の一例[9][10]

  • 強力粉を100として
    • イースト 2
    • 水 65
    • 食塩 2
    • 砂糖 6
    • 脱脂粉乳 2
    • 油脂 5

計数単位

食パン3斤分

食パンの重量は、尺貫法から派生した「英斤」(120=450グラム)に由来し、1斤(きん)、2斤……と数える。製品重量の偏差を考慮して1斤当たり重量は350~400グラムの扱いが一般的で、製パン業界の公正競争規約では340g以上[11]と定めている。切り分け前の棒状食パンは1本、2本と数え、切り分け後は1枚、2枚、または1切れ、2切れと数える。

パン耳

食パン焼成後に茶色く変性した周辺部分は「表皮」と呼称し、「パンの耳」などと広く俗称されている。 余ったパンの耳を無料で提供するパン屋もあり、下宿している大学生等はこれだけを目当てにパン屋に通うことがある。一部の空手団体は、こうして食費を節約して月謝を支払うことを美徳としている。


  • 商品化例
    • 末広製菓山崎製パンが販売する「揚げパンスナック」は、サンドイッチ製造時副次産物のパン耳を商品化したものである。
    • 山崎製パンは「ランチパック」製造時副次産物のパン耳を商品化した「チョコの山」を2009年に発売[12]している。
    • 従来はパン粉会社や家畜飼料会社へ提供していたパン耳を、ラスクに加工販売するかつサンド店[13]もある。

美術

木炭を用いるデッサンで描画修正時に消しゴムは硬くて用紙を傷めるため、練り消しゴムが安価に広く流通する以前から、柔らかく油分の少ない食パンが広く用いられている。

語源

食パンの語源として、デッサン時に用いるパンを「消しパン」と呼称して食用パンを「食パン」と呼称し始めたことや、明治初期に外国人の「主食用パン」を示して定着した[14]など、諸説伝聞されている。

脚注

出典

  1. ^ 河野 友美編『穀物・豆 新・食品事典1』真珠書院 1994 p.152
  2. ^ 舟田詠子 『パンの文化史』 朝日選書592 1998 p.236
  3. ^ “中身のパン”の意
  4. ^ 商品情報 ドンク
  5. ^ 「神戸のケーキとパン」『聞き書 兵庫の食事』「日本の食生活全集 兵庫」編集委員会編 p.61
  6. ^ 関西では厚切りの食パンが好まれるというデータと考察(大阪観光コンベンション協会) 2011年6月5日閲覧。
  7. ^ 近年は控えめな山形で小振りな商品が嗜好されている
  8. ^ 成美堂出版編集部編『パンの辞典』2006年、p.60、90
  9. ^ 『小麦粉とパン・めん・菓子・料理』 財団法人製粉振興会、平成19年、p.57
  10. ^ 小麦粉のおはなし ●日本人が作り出した食パン(製粉振興会) 2011年7月9日閲覧。
  11. ^ 食パンの1斤の定義(農林水産省) 2011年6月7日閲覧。
  12. ^ パンの耳のチョコレート菓子「チョコの山」 - 日経トレンディネット
  13. ^ まい泉の“かつサンド”の“パンの耳”で作ったラスクが登場!|web★1週間
  14. ^ あははっ 語源 食パンの語源

関連項目

外部リンク

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