超攻速ガルビオン
超攻速ガルビオン(ちょうこうそくガルビオン)は、1984年2月3日から同年6月29日まで毎週金曜日17:30~18:00にテレビ朝日系で全22話が放送された、国際映画社製作のロボットアニメ。
ストーリー
西暦2099年、地球は異星人メタルロードのもたらした技術により大きな発展を遂げたが、同時に戦争も引き起こしてまった。地球人の野蛮さを恐れた異星人は、地球全体をシグマバリヤーで覆って地球人を地球に封じ込めてしまった。このバリヤーのために飛行を制限された地球で、飛行機の代わりに発展したのが、地球全土を網羅した高速道路と自動車社会だった。
受刑者だった無宇(ムウ)と麻矢(マヤ)は、恩赦を条件にレイ・緑山の率いる私設警察チーム「サーカス」の新鋭マシン「サーカスI・ガルビオン」を駆って、世界征服を企む秘密組織シャドウと戦う。
解説
個性的なキャラクター、デザインの優れたメカ、多彩なストーリーによって 魅力ある世界が展開された。
メインスポンサーだったタカトクトイスが倒産した事により急遽打ち切りが決定し、22話までの放映となった。
主題歌
- OP:『ロンリー・チェイサー』
- ED:『メモリー・ララバイ』
- OP:『BE A HERO』
- 作詞:LINDA HENNRICK
- 作曲:奥憲一
- 編曲:奥憲一
- 歌:山際祥子
- ED:『ALONE』
両曲を収録したEPレコードは、キングレコードから発売された。また、ロンリーチェイサー、メモリーララバイはCD『国際映画社アンソロジー』に放映時の状態で、CD『ふるえるぜハート』にフルバージョンで収録されている。また、BGM集(LP、カセット)ガルビオン1に収録されているほか、BGM集(LP、カセット)ガルビオン2にはロンリーチェイサーのカラオケが収録されている。
登場人物
サーカスチーム
- 無宇(ムウ)(声:橋本晃一)
- 19歳。ガルビオンのドライバー。
- 幼少の時、孤児院から脱走。拾ってくれたアンドレじいさんと死別→暴走族→天才レーサー→刑務所→サーカスチームの一員という人生を歩む。明るいキャラクターの反面、親しい人との悲しい別れが多い。かつては天才少年ライダーの名を欲しいままにしたが、ケンカで30人もの相手を病院送りにしたため、禁固280年の刑を受ける。レイ緑山に拾われ、サーカスチームに参加。何につけ野性的なカンが働くが、先を考えず行動しがち。ケンカはかなり強いが思考は単純。明るく優しい性格で情に熱い。ムウとマヤの軽快なやりとりが見どころの一つ。子犬を拾ってアンドレと名付ける。女の子の扱いには不馴れ。最終話で簡単にハニートラップにひっかかる。レイ緑山を女性として意識する場面も。
- 麻矢(マヤ)(声:鈴置洋孝)
- 18歳。ガルビオンのナビゲーター。女ばかりの大富豪の家に育った。
- 女の子からオバ様まで女の扱いはムウよりはるかにうまい。その気になればケンカも強い。普段は沈着冷静な美青年で知性派を気取り何かにつけてムウをこき下ろすが、反論されるとすぐにカッとなり全く同じレベルでムウとケンカしてしまう。その事に本人は気がついていない。クールに見せてたまに見せるおどけた表情も魅力的である。コンピューターを利用したオンライン詐欺を試みるが失敗。禁固250年の判決を受ける。ムウと同じくレイ緑山に拾われ現在にいたる。普段はガルビオンのナビゲーターだが、ムウのかわりにガルビオンを操ることもある。何かにつけ、ムウを心配しての行動も多い。
- レイ・緑山(声:よこざわけい子)
- 23歳。緑山財閥の令嬢でありながら特務警察の捜査官として働く美女。
- 外見の色気とは正反対に非常にさっぱりとした性格。シャドウの世界制覇の野望をいち早く察知し、それに対抗するためサーカスチームを結成するが、その直後に父親(ロブ・緑山)をシャドウによって暗殺されてしまい緑山財閥を引き継ぐ。ひとくせもふたくせもある部下を、ある時はどやしつけ、ある時は女の魅力で言うことをきかせてしまう。あるパーティーで出会った、ヘンリー・マクミランに心惹かれている部分があるがヘンリーが正式な手続きを踏まず、レイに強引なアプローチに出たためはねのけてしまった。後半、ヘンリーにさらわれてしまう予定だった。
- テリー(声:頓宮恭子)
- サーカスチームのメカニック&ガルビオン2(ゼクター)のドライバー担当。
- メカの整備技術、ドライバーテクニックはレイ緑山の全幅の信頼を得ている。ボーイッシュなスタイルと言葉使いが粗野な印象を与えるが、本当は優しい女の子。父親は考古学者。ムウに対して思いを寄せているがその気持ちをムウに対して直接表すことが一度もないまま作品終了。22話以降でムウとの関係も進展する予定だった。
- ミチコ(声:麻上洋子)
- サーカスチームのコンピューター、通信担当。
- コンピューターの扱いにかけては一級品。3人娘の中では一番女性らしい印象を与え、事実その通り。きゃしゃな体とはかなげな瞳が印象的。後半でマヤと結ばれる。異生命体メタルロードの血を受け継いでる。地球を覆うシグマバリヤーを解くための重大な役割を負う。
- レミー(声:坂本千夏)
- サーカスチームのメカニック担当。
- 女の子3人の中では一番幼い印象を与えるがメカニックの整備は天才的。いつも明るく元気な女の子。第11話では可愛い水着姿をムウとマヤに見せつけている。サーカスに扮した強盗団から子供を守るために傷を負う勇気ある行動もする。
- インカ(声:梨羽由紀子)
- レイ緑山のボディーガード用女性型アンドロイド。
- 子供くらいの身長だが、なかなかのパワーもあり見かけによらずボディも頑丈にできている。電子頭脳も優秀で人語を完璧に解する。ムウとマヤのポイント査定役も兼ねており、ポイントがたまれば彼らは晴れて自由の身になる。しかしその査定の仕方については少々不透明さがある。
敵メインキャラクター
- ヘンリー・マクミラン(声:堀内賢雄)
- 26歳の若さで全世界の自動車市場を一手に握るイーグル産業の主となった青年実業家。まさに野心の固まりのような男。
- 下層階級に生まれ不遇の少年時代を過ごした。シャドウの13人目の幹部に抜擢されるが、自分の現在の地位に満足しておらず、シャドウの、すなわち世界のトップにのしあがるために他の幹部を次々と抹殺していく。部下にジョニー、マルゴXがおり暗殺の実行部隊として使っている。また自分の目的を阻むサーカスチーム(ガルビオン)に対しても機会あるごとに潰しにかかろうとする。しかし敵とは知らずパーティーで知り合ったレイ緑山に恋してしまうなどどこか人間的な弱味も残している。一度レイ緑山を本当に殺害しようとしたこともある。その強い野心と躊躇なく暗殺していく様子とは裏腹に、対面的にはかなり紳士的である。異生命体メタルロードの血を引いているため超能力も使う。
- ジョニー(声:平野義和)
- ヘンリーの部下。ジョニースペシャル(エクスキャリバー)の操縦者。
- ヘンリーの命令でシャドウ幹部の暗殺やガルビオンの妨害をする。イーグル産業のテストドライバーだったジョニーは量産タイプ可変メカのテスト走行中にガルビオンと遭遇。一度は敗北するが執拗にムウ達を追い回す。ジョニースペシャルは可変タイプメカの完成型であるがジョニー以外の人間には乗りこなせない程高度な技術が必要である。
- マルゴX(エックス)(声:沢木郁也)
- 同じくヘンリーの部下。専用可変メカ、マルゴスペシャルの操縦者。
- 火力、パワー、装甲でガルビオンを上回る。マルゴスペシャルはロードアタッカーから戦闘マシンに変形する。
- ジル
- ヘンリーマクミランのピンク色の秘書ロボット。
シャドウの幹部たち
- 全世界を陰から牛耳る謎の秘密結社。各界トップ13人から構成されており、その存在は表向きには一切知られていない。その多くがヘンリーの手によって暗殺される。
- ジェネラルK(声:龍田直樹)
- 世界の軍事力を一手に握るシャドウのナンバー1。
- メアリー・ゴードン(声:梨羽由記子)
- 30歳。ゴードン鉱山を所有。そのゴードン鉱山に2099年の地球大異変に埋没した宇宙開発研究所の遺跡があった。ヘンリーによりその遺物は全て盗まれ、その中に秘密兵器メタルバトラー製造に関する情報も含まれていた。ヘンリーがシャドウを裏切っているのではないかと疑い、その決定的証拠を掴んでシャドウの幹部に知らせようとするも、ヘンリーに勘付かれ、車を狙撃され事故死する。
- ドン・ジュリアス(声:金沢寿一)
- 若き鉄鋼王。世界中の資源を統轄する。
- グレゴリー・アントン(声:西村知道)
- 弁護士。法曹界の第一人者。ヘンリーの提案で開催されたレースの開会式において、観衆の中に紛れたジョニーの手によって射殺。
- キエフ・カイザロフ(声:島香裕)
- 電力界の雄。ガルビオンを電気の罠にはめる。あともう一歩のところまでガルビオンを追い詰めるが、メタルバトラーが現れヘリコプターに乗ったカイザロフを銃撃。ヘリ爆破により死亡。
- カーマイン・ジョンソン(声:島香裕)
- 食料品と流通業界の実力者。ヘンリーが開催した人間狩りに招待され、ヘンリーの罠によりデイブ・ドラゴンを猟銃で誤射してしまう。パニックに陥り崖から転落死。
- デイブ・ドラゴン(声:西村知道)
- 穀物王。世界の小麦市場を動かす。レイ・緑山の父(ロブ緑山)を暗殺した。人間狩りに招待されヘンリーの策略により、仲間のカーマインに打たれ死亡。
- ジョージ伯爵(声:沢木郁也)
- 海運王。人工島にガルビオンを誘いだし、サーカスの3人娘を人質にしてサメに食わせようとする。人工島を爆破させヘリコプターで逃げようとするところをガルビオンに打たれ墜落死。
- オーズ・マルドネス(声:滝雅也)
- 銀行金融王。ありあまる金で殺人でも何でも請負うスカイヘリ軍団を雇い入れガルビオンを襲わせる。
- アイリーン・ミルホード(声:向殿あさみ)
- 宝石商で巨万の富をなす。過去に男に裏切られた事から男性を憎み、女性だけのアマゾネス軍団を率いガルビオンを襲う。ガルビオンとの戦闘中にジョニーに打たれてしまう。マヤの真摯さに打たれ、信じられる男もいるのだと改心してマヤの腕の中で死亡。
- アイザック・エイモフ(声:広森信吾)
- 武器商人。ガルビオンを倒すため大戦車部隊を引き連れ自ら戦車に乗り込み現場に。しかし突然現れたメタルバトラーに戦車ごと踏みつぶされ死亡。
- トーマス・ギルデン(声:大山高男)
- 石油王。ガソリンスタンドの洗車場にしかけをして、石油をかけてガルビオンを丸焼きにしようとする。またヘリの大編隊でムウとテリーを襲うが、テリーのゼクターによってへリコプターを撃墜され死亡。
その他
- マニー・クラウド(声:水島裕)
- 『大都会でブルースを』の回で登場。ムウの幼馴染み。思春期時代を寂れた町で共に過ごした。ムウはレーサーの腕を見込まれたことにより町を離れクラウドと離別。クラウドはチャンスに恵まれずシティに住む人間を憎み、街の再開発が決まったことに反発し金を得るために市長を誘拐し殺害した。邪魔をするなら、と昔の友であるムウにも銃口に向けたところを冷酷なチェイサーポリスによって、ムウの目の前で射殺され一生を終える。シリーズの中で際立って存在感のあるキャラである。
- ブルーテス(声:青森伸)
- ハイウェイパトロールの警察官。いつも速度超過するムウとマヤを目のかたきにしている。脇キャラだが登場回数も多く、『ブル警官大追跡』『ブル警官大恋愛』の回でメインで登場。ムウとマヤとの絡みも多い。ヘンリーにさらわれメタルバトラーの搭乗員になったこともある。
- グエン・マーカス(声:若本紀昭)
- 『大いなる別れ』に登場。かつて暴走族だったムウを拾い上げレーサーに育てたムウの尊敬する男。サーキット界で超一流のドライバーだったが、レース界から姿を消し金のためなら何でもする闇のレーサー稼業をしていた。ヘンリーに雇われ特種金属NSV鉱を奪う。ムウを助けるためにジョニーの乗るメカに車ごと飛び込み死亡。
- エリナ(声:津島瑞穂)
- 『恋の戦場大ラリー』に登場。たまたまガソリンスタンドに給油に来ていたところを、ダントVSムウ、マヤの争いに巻き込まれた気の毒な少女。
- ダント(声:幹本雄之)
- ムウとマヤに対して刑務所時代のことを恨みに思っており執念深く追い回す。怪力の持ち主でヘンリーに頑健さを買われメタルバトラーの搭乗員になるが、ガルビオンとの戦闘中にダメージを受け、ガルビオンとダント共々始末しようとしたマルゴXの攻撃により爆破される。
- ロロン(声:高木早苗)
- 交通事故の後遺症で歩けなくなった少年。ムウと訪れた遊園地でダントの搭乗したメタルバトラーに襲われる。ムウとガルビオンが必死で闘う姿を見て歩けるようになる。
- リンダ(声:富沢美智恵)
- アイリーンが組織するアマゾネス軍団に所属する美少女。ムウを罠に誘いこむ。
- マック・ギャバン
- 可変ロボ部隊、チェイサーポリスに属する冷徹非情な男。生きる価値のない人間と判断すればためらわず射殺する。
登場メカ
- ガルビオン/サーカスI
- 無宇と麻矢が駆るサーカスの主力マシン。スーパーカー(プロトタイプレーシングカー)形態の「サーカスI」から高機動ロボット形態の「ガルビオン」へと変形する。また、ロードアタッカーと呼ばれる中間形態も用意されていたが、本編には登場しなかった。武装は肩に内蔵されたミサイルランチャーの他、オプション兵器として、ビームバズーカ、ブーストマグナム、など。手持ち武装が追加されるのは中盤からで、それまではキックやパンチによる格闘戦の描写も多かった。
- サーカスII
- サーカス専用トレーラー。サーカスIのメンテナンス機能をもち運転台後部に居住空間を備えたいわば移動基地である。
- ゼクター(ガルビオンII)/サーカスIII
- ガルビオンを支援する、VECTOR W2[[1]]似の新型可変車両。しかし打ち切りにより、その活躍が十分に描かれる事は無かった。ロボット形態では頭部バイザーの奥にパイロットの顔が見えるようになっており、パワードスーツ的な格好良さがある。21話で、追加武装パーツ「ウエポンブースター」と合体して「バーストゼクター」となっている。また、設定ではロードアタッカー形態のサーカスIと合体する「ロードアタッカー・ウエポンブースター・ゼクター」というものもあり、設定画にはメモ書きで「ロードファイヤー」と記載されている。26話に登場予定だったが、打ち切りのため未登場。
- メタルバトラー
- シャドウに所属するメアリー・ゴードンの所有する鉱山から発掘された大戦前の設計図を元に、ヘンリーが復元、量産をしたもの。大戦復興後の兵器類を大きく凌駕する性能を有するが、パイロットの精神を崩壊させてしまうという欠点がある。後にムウ達を憎むダントがヘンリーにスカウトされ、その強靭な肉体と精神力でメタルバトラー・バルガスを操るが、武装強化したバーストゼクターとの連携により、敗れる。ヘンリーが最初に復元した機体がラグドル、他にも量産タイプのライアス、グライアンなどがある。
=放送終了後の展開=
監督の鴨野の話によれば30話まで脚本は出来上がっていた。
25話で残ったジェネラルKも暗殺され、26話ではレイがヘンリーによってさらわれ、サーカスチームがはじめてヘンリーが本当の敵であることを知ることになっていた。
27話以降の展開では、宇宙人の残していったシグマバリヤーの発生装置をサーカスとヘンリーの組織が互いに探し奪い合う方向に話は発展する。完全に力を持ったヘンリーは都市を要塞化してジョニーとマルゴXらの部隊にサーカスを追わせる一方で、バリヤーの制御装置を作り武器として使いながら発生装置を探し続ける。
対してムウ達は今までいた基地を追われてゲリラ化してヘンリーらに対抗しながら、バリヤーを取り除くために発生装置を探す旅を続ける。舞台が大きく動くと共に、敵役の新しいキャラクター、ブルーテス、チェイサーポリスなどもからみ三つ巴四つ巴で話が展開、キャラクターの背景もそれぞれ掘り下げられ、その関係性もさらに深く物語られる予定だった。
放送リスト
- 謎の大組織シャドウ
- グランプリ大爆殺
- 超エンジン大奪還
- 大爆走ゲーム
- 死のニトロ大輸送
- 大暗殺・武器を捜せ
- ブル警官大追跡
- レイ緑山大暗殺指令
- 大噴出! 毒死鉱山
- 大いなる別れ
- 大実験! 野望の兵器
- 戦慄! 人間狩り
- 大登場! 超秘密兵器(メタルバトラー)
- 恋の戦場大ラリー
- 大電殺! 百万Vの罠
- 地獄軍団・大襲来!
- ブル警官・大恋愛
- 大都会にブルースを…
- 基地爆破! 小犬大活躍
- 霧の人工島・大海戦
- 歩くんだ! ロロン
- アマゾネス戦士の恋
- サーカス対大戦車軍団(未放映)
- 金貸しオーズ、大赤字(未放映)
- 消えた村の大秘密(未放映)
- 13番目の男(未放映)
商品化
プラモデルはイマイ、アリイ、エルエスの3社共同で発売。ロードアタッカーに変形するガルビオン(サーカスIにはならない)をイマイが、非変形の物や他のマシンを3社で分担した。
玩具発売に関しては、正式にガルビオンの名を冠した物は発売されていない。また、発売を予定していたメーカーもタカトクトイスとする説とバンダイとする説があり、はっきりしていない(両社とも関わっていた、という説もある)。雑誌「フィギュア王」にて大畑晃一がガルビオンの製作経緯を語った際にはタカトクトイスとされている。対して、バンダイ説はソース不明、かつ当時のバンダイの提供資料にそのような記述は無い。
正式な物ではないが、サーカスIに変形するガルビオン(ロードアタッカー形態にはならない)の海賊版と思しき玩具がわずかに出回っており、試作金型がタカトクトイス倒産に際して流出した可能性が取り沙汰されている。また、チープトイでも本来ガルビオン商品として製作されていたと思しき物がHERO、JAMから発売されていた。
栄光社から絵本と塗り絵が発売されており、原画を漫画家の秋本シゲルが描いていた。
スタッフ
- 製作:壷田重三
- 企画:壷田重夫
- プロデューサー:宇都宮恭三(テレビ朝日)/佐久間敏郎
- プランニング・ディレクター:藤家和正
- 総監督:鴫野彰
- 絵コンテ/担当演出:鴫野彰、根岸弘、内田祐司、ときたひろこ、坂田純一、他
- 脚本:伊東恒久、荒木芳久、菅良幸、藤家和正、山崎晴哉
- シリーズ構成:伊東恒久
- キャラクターデザイン:たがみよしひさ
- メカニックデザイン:大畑晃一
- 総作画監督:二宮常雄
- 作画監督:二宮常雄、八幡正、谷口守泰、下田正美、服部憲知、他
- 美術監督:杉浦正一郎
- 音楽:中島正雄
- 音響監督:山田悦司
- 制作:テレビ朝日/国際映画社
メインスタッフのその後
メインライターを務めた伊東恒久はこの後も『蒼き流星SPTレイズナー』『赤い光弾ジリオン』と良作を手がけるもシリーズ構成作が国際→サンライズ→タツノコと別会社を跨ぎ、ガルビオン、レイズナーと連続して打ち切り、という不運に見舞われた。以後は活動の場を実写作のVシネマ、劇画原作に求めるようになる。その心境は当時発刊のサブカル誌「宝島30」に詳しい。
監督の鴫野彰は『ガルビオン』でのメカ物演出の消化不良を、次作にあたるスタジオぴえろ制作『星銃士ビスマルク』のシリーズ監督において、アニメアールの全面参戦を得つつ払拭することとなる。その後は好調に、ぴえろ作品のチーフディレクターを歴任する。
メカデザインの大畑晃一は、2クール以降のストーリーに予定されていた『マッドマックス』的バイオレンスな世界観を、その後に制作されたOVA『装鬼兵MDガイスト』として本作の総作監、二宮常雄とのコンビで発表。ダークなトーンを身上とする個性的なアニメ作家の地位を確立していった。
その他
急遽決まった打ち切りだが、既に22話の作業は進んでいたため大幅な手直しはできず、最後の30秒のみを止め絵とナレーションによる説明に差し替えて物語を完結させるという苦肉の策で結末を迎える形となった。当時リリースされたサントラ盤のライナーノートには2クール以降のストーリー展開の構想が記され、「アニメージュ」誌には大畑晃一のイラスト付き解説が掲載された。
放送前の仮タイトルは「スーパーフォーミュラーボルガ」。字面が長すぎたため、放送直前に改定された。設定資料にはボルガの文字が決定稿にも見られる。
山本正之の楽曲とPCN作画による軽快なオープニングアニメーションが好評だった。ガルビオンの肩部装着ポットからのミサイル発射に伴うカバー乱舞の作画は土器手司によるものである。また主題歌『ロンリー・チェイサー』はトヨタ「チェイサー」のラジオCMに使用された。
二宮常雄をメイン作画監督に起用するものの粗悪な海外作画によって、二宮の実力を発揮出来ずに終わる。代わって印象的な作画を残したのはアニメアールで、谷口守泰の描くところの“ヘンリー”等、たがみよしひさキャラと谷口のクセのある画風が巧みにマッチし、吉田徹が華麗なメカ作画に腕を振るった。
関連事項
テレビ朝日 金曜17時台後半 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
超攻速ガルビオン
|
?
|