江戸川コナン
江戸川コナン(えどがわ こなん)は、青山剛昌の漫画作品及びそれを原作とするテレビアニメ・テレビドラマ・映画『名探偵コナン』に登場する架空の探偵。本名は、高校生探偵・工藤 新一(くどう しんいち)である。誕生日は、5月4日。
アニメでの声優は、江戸川コナン・幼年期の工藤新一を高山みなみ、中学生以降の工藤新一を山口勝平が担当する。ドラマでの俳優は、江戸川コナンを藤崎直(声を高山みなみ)、工藤新一を小栗旬が担当する。
概要
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
「日本警察の救世主」、「平成のホームズ」と呼称され、東の高校生探偵として名を馳せていた工藤新一であった。しかし、「黒の組織」によって試作段階の毒薬であるAPTX4869(アポトキシン4869)を飲まされ、子供の姿にされてしまう。黒の組織に正体が露見して周りに危害が及ぶのを防ぐため、帝丹小学校に通う1年生・江戸川コナンという偽名で、新一の幼馴染みである毛利蘭の家で居候生活をしている。様々な事件を解決しつつ、灰原哀や服部平次などの協力を得て「黒の組織」の陰謀を追っている。
名前は、コナンが父親の書斎にある本に書いてあった江戸川乱歩とコナン・ドイルの名前からとっさに考え出した。
父親は世界的に有名な推理小説家・工藤優作で、母親は元女優の工藤有希子であり、2人は阿笠博士に事情を聞いて、コナンの正体を知った。
APTX4869の解毒方法
風邪の状態で中国酒の白乾児(パイカル)を飲むことで一時的に体が元に戻ったことが、劇場版を含めて2回[+ 1]、また灰原哀が白乾児の成分を参考にして作った解毒剤で元に戻ったことも3回あり、その際は灰原哀や服部平次、阿笠博士による偽装が行われた。ドラマ版第2弾では、白乾児と他の酒を混ぜて作られたケーキを偶然食べたことで元に戻っている。
だがその反面共通して、体にかかる負担は大きく、いずれの場合も風邪に近い状態(元に戻るコナンの状態から風邪を引いていた場合もある)であり、解毒剤の効果が切れコナンの姿に戻るタイムリミットが近づくにつれて呼吸が荒くなり、目も虚ろになり激しい動悸のため胸を押さえるシーンがある。そのため身体の変化はある意味、生と死を賭けているといえる。
コナンの正体
2010年3月現在、江戸川コナンの正体が工藤新一だという事実を知っているのは以下の8人である。
- 「阿笠博士」
- 「灰原哀(宮野志保)」毒薬のAPTX4869(アポトキシン4869)を開発した、元黒の組織のメンバーで元科学者
- 「服部平次」
- 「工藤優作」
- 「工藤有希子」
- 「ベルモット(シャロン・ヴィンヤード)」
- 「本堂瑛祐」
- 「宮野明美(直後に死亡)」
FBIメンバーのジョディやジェイムズ、赤井秀一は正体を知らないが、彼らの前で無理な演技をすることがないため、多少バレても構わないと思っている様子も見られる。
また、小さくなった直後には何度も毛利蘭に正体を明かそうとするものの、その度に邪魔が入る。最近は本堂瑛祐以外には自ら正体を明かそうとする描写は見られない。
劇場版も含めるならば、「怪盗キッド」、コンピューター内の擬似人格「ノアズ・アーク」[1][+ 2]、黒の組織のメンバー「アイリッシュ」[2][+ 3]もこの事実を知っている。
また、クロスオーバー作品では『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』で金田一一が彼の正体に気付き[+ 4]、『ルパン三世VS名探偵コナン』でもルパン三世、次元大介、石川五ェ門、峰不二子の4人にも正体が知られた[+ 5]。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
人物
江戸川コナンとして
帝丹小学校1年B組。毛利家に居候中。体重は18kg。絶対音感を持っているが、かなりの音痴で、料理も苦手。
少年探偵団と遊ぶときは野球をすることが多いが、本人はサッカーをしたいため不満そうにしている。野球をしていても、サッカーの癖が身体に染み付いてしまっているのか、足を使ってしまう事がある。
TVゲームが下手で、元太たちによくバカにされている。それが悔しかったのか、毛利小五郎や毛利蘭が就寝した後、居間でこっそり練習するという努力家の一面もある[3]。
携帯電話は、W21Sのエナジーレッドを新一として1台、コナンとして1台所持している。劇場版などでは多少変更されている。ダイヤルロックの暗証番号は、シャーロック・ホームズにちなんで「4869」。以前は公衆電話や「イヤリング型携帯電話」を使用していたが携帯電話が普及した事もあり、今はほとんど使っていない[+ 6]。
『命がけの復活シリーズ』において、犯人に拳銃で撃たれ左側腹部貫通の重傷を負った。手術の際に輸血用の血液が不足していたが、蘭からの輸血[+ 7]によって一命を取りとめる。
新一の小さい頃の顔を知っている蘭に不審がられないよう、父親・優作の眼鏡を咄嗟に掛けたことから、日常的に眼鏡を掛けるようになった。しかし視力は悪いわけではないので、レンズに度は入っていない。以後は阿笠博士に改良してもらったものを使用している。ちなみにレンズは、赤外線望遠鏡機能と、コナンの服のボタンに貼り付けてある発信機に反応する、犯人追跡機能がついている。
体が子供になった後でも性格や癖、頭脳や技術などは変わっていないため、その頭脳を駆使して数々の難事件を解決している。ただし体力などは相応の子供並に落ちており、探偵としての行動に制限がかかるため、阿笠博士の作ったメカ(「時計型麻酔銃」や「蝶ネクタイ型変声機」など)でそれを補っている。体が小さくなったことにより声質も小さいころの声に戻っている[+ 8]。それでも指紋は変わらないようで『探偵たちの鎮魂歌』と『漆黒の追跡者』では指紋をもとに一部の人間に正体が知られた例もある。また、コナンの正体を知っている服部平次がコナンの指紋を用いて新一の疑いを晴らした事件もある。
コナンの姿では、事件の真相を語っても相手にされないので、変声機を使い、人の声を真似ることで、他人の口を借りて真相を話す事にしている。基本的に、小五郎が引率した旅先に事件が起るため、小五郎の声を使うというパターンが多い。小五郎がいない場合は園子、山村刑事の声を借りることもある。
コナンの事情を話せないので、声を借りる本人に断るわけにはいかず、麻酔銃で眠らせてから、蝶ネクタイ型変声機で真相を話す。コナンの正体を知っている人の場合は、眠らせる必要はない為、阿笠博士には口パクをさせて変声機で真相を話す[+ 9]が、有希子には推理を吹き込んで本人に真相を話させる。
上記の他に、小五郎や目暮警部にヒントを与えて自力で解かせたり、電話越しに蘭に推理を話して蘭自身に真相を話させたり、服部平次とのコンビで真相を話す[+ 10]事もある。
自分で真相を話すこともある。この場合犯人と一対一で相対する場合が多い(黒の組織幹部、怪盗キッド戦など、劇場版はほぼ毎回)。少年探偵団がいる時は、彼らにトリックの実演またはヒントとなるキーワードを言わせるなどして協力してもらう。周囲に自分の推理を話す際、素の状態(工藤新一として)で推理を披露するとそれに慣れていない大人に怪しがられるため、子供のフリをして「あれれ~?おっかしいぞぉ~?」のような口調で話すが、少年探偵団に「そんな喋り方だから子供だと思われて馬鹿にされる」などと文句を言われるため、やりにくさを感じることもある様子。
『ピアノソナタ「月光」殺人事件』では犯人の自殺を阻止できず、死なせてしまう。 この事件はコナンの心に暗い影を落とし、それを回想する時には悲しげな瞳を見せる(本人曰く「推理で犯人を追い詰めて死なせてしまっては、殺人者と変わらない」との事)。ただし、この事件より前にあった(アニメはそれ以後) 『山荘包帯男殺人事件』では蘭を殺害対象にして自殺しようとした犯人に「死にたきゃ勝手に死にやがれ!!」と啖呵を切り酷く罵倒したこともある。『ピアノソナタ「月光」殺人事件』は間接的に服部平次の探偵としてのあり方にも影響を及ぼすことになる。
漫画での決め台詞は「江戸川コナン…探偵さ…」[+ 11]。TVアニメ・劇場版での決め台詞は「真実はいつもひとつ!」[4]。
また、アニメのオープニングでは毎回ナレーションがあり、シリーズの途中からは「たった一つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人、その名は名探偵コナン!」というセンテンスが定型で用いられている。
映画の場合は「小さくなっても頭脳は同じ 迷宮なしの名探偵 真実はいつもひとつ! 」となっている。
コナンの呼ばれ方
蘭・歩美・光彦・英理・和葉・警察関係者・ジェイムズが「コナン君」、小五郎が「コナン」(原作ではほとんど呼ばない)・「ボウズ」で、元太が「コナン」、小林先生が「江戸川君」・「コナン君」、園子は「コナン君」・「メガネのガキンチョ」。
平次は何度も「工藤」と言ってしまい蘭などに指摘されると、「苦労」や「くどい」など似た言葉の間違いとしてごまかし、「ボウズ」・「コナン君」などと言い難そうに言い直す。哀は、少年探偵団のメンバーや蘭などが居るときには「江戸川君」、コナンと2人きりの時や、博士や平次などコナンの正体を知っている者と一緒の時には「工藤君」と呼ぶ。阿笠博士はコナンと2人きりの時や電話で話す時や哀や平次などと一緒のときは「新一」・「新一君」、蘭や少年探偵団と一緒にいるときには「コナン君」と呼ぶ。母親の工藤有希子 はコナンと2人きりの時は「新ちゃん」・「新一」と呼び、蘭らの前では「コナンちゃん」と呼ぶ。 ベルモットは「シルバーブレット」・「クールガイ」、ジョディは「クールキッド」・「コナン君」・「ボス」。赤井は「ボウヤ」。
キッドは通常「探偵君」稀に「名探偵」で、変装時を除き名前で呼んだことはない。新一としてコナン(自分)を呼ぶ場合は「メガネのボウズ」・「コナン君」。
工藤新一として
帝丹高校2年B組。身長は、作者の青山剛昌と同じ174cm。住所は東京都米花町2丁目21番地[5]。
苦手な食べ物はレーズン(作者の青山剛昌も、同じくレーズンが苦手)[6]で、中学時代の先輩によればレモンパイが好物[7]。口癖は「バーロ[8]」。
高校1年生のゴールデンウィークに、両親の住むロサンゼルスへ向かう飛行機の中で発生した殺人事件を解決したのをきっかけに、警察から一目を置かれるようになる。
その後、様々な事件を推理で解決に導いたことから、「日本警察の救世主」「平成のホームズ」と評され、「東の高校生探偵」として名を馳せるようになった。映画「時計じかけの摩天楼」で過去に警察が把握する新一の推理で逮捕された被疑者の履歴を調べると、全員が勾留されていたことが判明している。
幼馴染みの毛利蘭とは両想いなのだが、素直になれないでいる[9]。小学1年生の頃は恥ずかしがって蘭のことを苗字の「毛利」と呼び、自分のことも「工藤くん」と呼ばせようとしていた時期があったが、とある些細な謎解き事件がきっかけで、現在でも互いに下の名前で呼び合うようになったというエピソードもある。
自分を想う蘭の恋心に関しては、平次が呆れ果てるほど非常に鈍感。しかし母・有希子から「女」に関しての雑学を吹き込まれている影響から、面識の有無を問わず他人の恋沙汰には非常に敏感であり、推理で色恋沙汰が絡む際には不自由していない。またコナンになって蘭に守られる立場となってしまったことにショックを受けたり、女たらしなナンパ男が蘭を騙していると誤解した際には露骨に激怒してたりと、恋愛観に関しては古風な観念を持つ。
蘭からは、コナンが新一だとは夢にも思わず「私は新一のことがだーい好き」だと告白されてしまっている。そのため変声機を使用して初めて電話した際「必ず元の体に戻って聞かせてやるからな。オレの本当の声で、本当の気持ちを」と考え、元に戻ったら蘭に告白しようとしている。一時的に新一の姿に戻った際も、優作が有希子にプロポーズしたときと同じ場所で蘭にプロポーズしようとしたがなかなか言えず、追い打ちをかけるように事件に遭遇し、何とか事件は解決したものの、薬の時間切れ[10]によってかなわなかった[11]。『本当に聞きたいこと』では後に蘭に自分の気持ちを伝える趣旨の発言をしていたがコナンに戻ったため結局は伝えられていない。『外交官殺人事件』や『新一の正体に蘭の涙』などでは蘭に気持ちを伝えられないことを悔やみながらコナンに戻っている。この時に出した悲鳴はその悔しさとも解釈できる。
性格は常に冷静な二枚目を気取っているが、その実は負けず嫌いで嫉妬深く、煽てられると喜びを大いに表したりと実生活ではクールに成り切れず、その無鉄砲ぶりは阿笠博士や灰原哀にも警告されている。特に蘭の事となると、時に子供のような態度や無謀な行動に走ることも少なくない。彼女に命の危機が迫るに至っては、普段の冷静さから一転、周りが見えなくなりやすい。しかし、どんなときでも諦めない強い意志と熱い部分を合わせ持つ。最近はあまり見られないが、初期の話では、事件が起こると喜んでしまうという悪い癖を持っていた。また、体が小さくなってしまったのも、軽い気持ちで事件に首を突っ込んだからだと阿笠に諭された事もある。実際、自分と無関係な事件にでも興味本位で首を突っ込む、というもう1つの悪い癖の持ち主である。ただ、これも最近はあまり見られない。この点も『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』で共演した金田一一と対照的な点と言える(一は興味本位で無関係な事件に首を突っ込んだ事はない)。
コナン同様かなりの音痴であるが、音感のみに関しては蘭よりも遥かに優れており、絶対音感を持っている[12]。しかし、音楽の授業は苦手[13]。だが、ホームズが出来るということでバイオリンにだけは異常に詳しく、一応弾くことができる。
サッカー好きで、帝丹中学所属時は、1年生でいきなりサッカー部のレギュラーでミッドフィールダーに抜擢された程の技術の持ち主。その技術はJリーグにスカウトされるほどだったが、新一本人はあくまで探偵に必要な運動神経を養うためだけに行っていただけらしく、止めてしまった。蘭曰く、「続けていれば国立のヒーローになっていた」とのこと。犯人が逃げたりする際に、足元に落ちてある物をサッカーボールを蹴るようにして相手にぶつけて、相手の動きを止めることもある。好きなサッカー選手はレイ・カーティス[14]。
ネイティブの人とも普通に話せるほど英語に堪能である。しかし、蘭にさえ違和感を覚えさせるほど妙な関西弁を披露することもある(平次を眠らせた時)。作者曰く外国語は「いっぱい」話せるとのこと。なお、ポルトガル語については聞き取れていない描写が存在する[15]。その他にもありとあらゆる知識を持っており、推理をするときに役立てている。しかし、時には、大抵の人が知っていそうな単純なことを知らない場合もある。劇場版では拳銃や多くの乗り物(自動車からヘリコプター、ジャンボジェット機まで)を自在に扱っていて、本人曰く「ハワイで親父に教わった」とのこと(このセリフは劇場版初期のころは定番となっていたが、近年は見られなくなった)。
芸能界にはあまり興味がないらしく、TWO-MIXの事を「ダンスミュージック系のちゃらいヤツ」と評し、蘭とともにコンサート会場前にいた園子に怒られた事がある。しかし、ある事件をきっかけに知り合ったTWO-MIXの高山みなみからCDを貰ってからは、カラオケボックスに行くといつもその歌を歌っているという。
シャーロック・ホームズの大ファンで、「世界最高の探偵」と評している。好きな言葉は "When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth." 「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」であり、これもホームズの推理論である(『四つの署名』より)。
自分の好みの話題(特にホームズ関連)になると、一方的にその話を続けてしまう。第1話でも、せっかく遊園地に遊びに行ったにも関わらず話す内容は全てホームズのことばかりだと、蘭に呆れられてしまっていた。そのため蘭からは「推理オタク」と呼ばれることがある。
周りからの呼ばれ方は、蘭・優作が「新一」、英理が「新一君」、阿笠が「新一」「新一君」園子が「工藤君」「新一君」、哀・和葉・警察関係者が「工藤君(哀の場合は正体を知らない者がいる場合は「江戸川君」)」、有希子が「新一」「新ちゃん」、平次が「工藤」。歩美が「新一お兄さん」、光彦が「新一さん」、小五郎が「探偵ボウズ」「新一」。なお、蘭らの前でコナンとして新一(自分)を呼ぶ場合は「新一兄ちゃん」。また、怪盗キッドと昔会った事があり(直接では無いが)、その時に「頭の切れるジョーカー」と言われていた。
通り魔に扮したベルモットが手摺りから落下しそうになったのを新一が助けたことをきっかけに、ベルモットからは組織を打ち破るための「シルバーブレット」として一目置かれている。
蘭には「やっかいな事件に関っているから解決するまで帰れない」ことにしている。蘭が心配しないように蝶ネクタイ型変声機で時々新一の声で電話をかけているが、新一にすればいつもそばにいるため話すのはいつも自分の事だけで蘭が元気にしているかどうかは聞かない(分かっているため聞く必要がない)。服部平次から「それは近くで覗いているから」と言われ「心配する自分を見て笑っている」と思った蘭に泣かれ(そばにいるのに遠くにいると蘭に嘘をついているのは事実だが)、安心させるために「俺は探偵だぜ?蘭の事ぐらい声ききゃわかるさ」と言って納得させた[16]。
正体を知らなかったとはいえ、思いを寄せる蘭から自分を好きだと言われる。コナンの姿で一緒に寝たり(今は小五郎と同じ部屋で寝ている)、風呂に入っている。本人いわく「正体がばれたら殺される」と恐れている。
基本的には標準語を話すが、親しい者との日常会話にはしばしば江戸っ子特有の表現(前述の「バーロ」や、語尾に「よ」を多用する傾向がある(「~って言ってたからな」 → 「~って言ってたからよ」など)が混ざることがある。
名前の由来は、『探偵物語』の主人公である工藤俊作の工藤。「新一」の由来は、明確にされていない。ファンの間では、「エドガー・アラン・ポー」の「アラ」が「新」で「ポー」の「ー」が一であわせて新一だともいわれている。
思考・推理法
主にシャーロック・ホームズを念頭に置いた、アブダクション目的の細やかな証拠品の収集・回収と、そこから導かれる事件概要の追及が中心である。特に証拠品に関する雑多で詳細な知識から引き出された説明や指摘はしばしば見られ、その子供の容貌と相まって周囲の大人(特に初対面者)を驚かせることが非常に多い。一方で犯罪者・関係者の心理推測もよく行われるが、それはあくまで事件内容の推理の補助や関係者のセリフについての推測・疑問に関してに限定され、広範囲な関係者の人物像や生育環境にまで踏み込んだプロファイリング的な活動は行わないことが多い。
服装
コナンとなった初期の頃は、服装があまり変わる事がなくコナンスタイルで一貫していた[17]が、時が経つに連れて様々なバリエーションの服装をするようになった。
補足
- 誕生日は5月4日だが、自分の誕生日を忘れていることが多く、毎年蘭に思い出させられている様子[18]。
- 血液型は不明だが、蘭と同じである。前述のように、彼女からの輸血で一命を取りとめたエピソードもある。
- 江戸川コナンとしてのパスポートを持っていない(正確には江戸川コナンの名前が存在するはずがないために作る事が出来ない)。故に事件の舞台は日本国内に限定されている。長い連載の中で唯一の例外は工藤新一として事件を解いたNY編のみである。劇場版では名探偵コナン ベイカー街の亡霊でバーチャルゲーム内のロンドンが舞台になっている。アニメではルパン三世VS名探偵コナンでヴェスパニア王国という架空の国家が舞台になった[19] 。そのため戸籍も存在しない。
- 読売テレビ本社前には、江戸川コナンのブロンズ像が建てられている。
- アニメ初期のクレジットは単に「コナン」と表記されていた(現在は「江戸川コナン」表記)。
- 本当の姿である工藤新一としての登場は少なく、新一の声を担当している山口も出番が少ないことを嘆いている。
- 新一の海外版での名前はJimmy Kudo。コナンはそのままConan Edogawaである。またアニメでは、コナンと新一の声はもちろんそれぞれ別の担当声優がいるが、コナンが頭の中で考えている時の台詞だけは新一役の声優が声を当てており、コナン=新一であることをより強調する演出が見られる。
パロディ
- かいけつゾロリ - コニャン(「コナン」+猫の鳴き声の「ニャン」)
- クレヨンしんちゃん - コシン(しんのすけが変装、ロゴと音楽もパロディ化されている。なお、クレヨンしんちゃんに登場するおケイの声優はコナンと声優が同じで、おケイ自身がコシンのナレーションをした)
- ケータイ刑事 銭形シリーズ - 多摩川ドイル(脚本の渡邉睦月が生んだシリーズ名物キャラで、チビッ子検事。いつまでも10歳という設定なので、演じる子役が3人交代している)
- ポケットモンスター - ヒロシ(サトシのライバルの1人でコナンと声優が同じ、番外編では優れた推理力を発揮した)
- 焼きたて!!ジャぱん - 利根川コナン
- 喰いタン - 金田 一(パロディというより、単に須賀健太がコナンのコスプレをしているだけ)
- ハヤテのごとく! - 連載が同じ為か、コナンの銅像が度々出てくる。第108話にコナン自身も登場する。
- うちゅう人 田中太郎 - 名探偵ドイル(名前の「コナン」に対し、苗字の「ドイル」を捩った。なお、髪型は金田一少年の事件簿の金田一一、服装は秘密警察ホームズの西鍵健一をモチーフとしている)
- フルメタル・パニック!(原作小説) - 未来少年探偵コニャン(「未来少年コナン」+「名探偵コナン」+猫の鳴き声の「ニャン」)
- 銀魂 - 第30話で主人公・坂田銀時の回想にコナンそっくりの少年が出てくる。また小五郎そっくりの人物も数秒ながら登場する。
- H2 - 名探偵コンナン(居間のテレビで国見比呂の母が見ていた。)
- おねがい!マスカット - 名探偵KONAN(KONANが行った。読み方が同じ「こなん」であることから出来たものである。)
- 浦安鉄筋家族・ 元祖!浦安鉄筋家族 - 江戸五郎
- おもいッきりDON!第1部「おもいッきりPON!」 - 名パン偵コナン(苗字の読みが「こなん」である虎南有香がパンを紹介するコーナー。)
注釈
- ^ 劇場版『迷宮の十字路』内では白乾児と、風邪と同じ作用を起こす阿笠博士の発明した薬によって元に戻った。
- ^ ノアズ・アークはコナンの記憶情報を読み取ったことから。その後、物語のラストで消滅。
- ^ アイリッシュは高木刑事がうっかり漏らした一言を切っ掛けに察知したが、誰にもこの事実を知らせない内に死亡している。
- ^ しかし、高校生が小学生に化けるのは普通有り得ないため、その考えを没にしている。
- ^ ルパン一味がコナンの正体を知った経緯は不明。尚、コナンはルパンの名を知るまではルパンのことを「泥棒のおじさん」、次元のことを「パパ」(捜査上、親子を装った)、不二子のことを「バイクのお姉さん」と呼称している。
- ^ 「イヤリング型携帯電話」に関しては、あるバスジャック事件で犯人に奪われたが、その後アニメでは何度も使用しているため、関係無いと思われる
- ^ 当時コナン=新一と疑っていた蘭は、コナンも新一と同様自分と同じ血液型ではないかと考えたためである。
- ^ 実際、小さい頃の新一の声は今のコナンと同じ声である。
- ^ 『ルパン三世VS名探偵コナン』では小五郎に変装したルパンに口パクさせて変声機で真相を話したが、この時のルパンの口は動いておらず、しかもその都度ルパンが勝手な行動をとったりしてるため、コナンは半ば呆れていた。
- ^ この場合も小五郎を眠らせることが多い
- ^ 1度だけ、灰原哀の姉である宮野明美が事切れる寸前に「江戸川、いや・・・工藤新一・・・探偵さ・・・」と言っている
脚注
- ^ 『ベイカー街の亡霊』
- ^ 『漆黒の追跡者』
- ^ 劇場版『ベイカー街の亡霊』より
- ^ 放送開始前のアイキャッチで使用。以前は「犯人はお前だ!」だったが、視聴者を指差しながらの台詞だったためか変更された。
- ^ ホームズが住んでいたとされるベーカー街221Bに由来(『コナンドリル』(ISBN 9784091794024)より)。
- ^ この設定は『名探偵コナン 特別編』の作者の一人で青山剛昌のアシスタントでもある山岸栄一が考案したものである。初出は特別編2巻のおまけマンガから。
- ^ ただし本人の言及はなく、蘭に妬いた先輩の出任せの可能性が高い。
- ^ 「バカヤロー」の意味。アニメ版での高山みなみの口調が特徴的に聞こえることからか、インターネットスラングとして「バーロー」と表記されることが多いが、原作中では「バーロ」の表記の方が主流。本来は作者が「馬鹿野郎」というストレートな罵倒語を作中で用いる事を避けたための表記であり、青山作品に登場する他のキャラクター(小五郎など)も使用する言葉である。また、類似の言葉として、「この野郎」を意味する「ニャロ」というバリエーションもある。
- ^ 彼が蘭を好きだと思い始めた時期については、中学生の頃に言ったとされる「小さい頃から気になっている奴がいる」との言及や劇場版『水平線上の陰謀』でのエピソードからも小学校低学年、あるいはその前から好きだったのではないかと推測されるが、蘭が新一への想いに気づいたのは高校1年生で遭遇した事件によるもののため、新一の立場として見れば10年以上と相当な年月をかけた片想いだった可能性が高い。
- ^ 描写から計算すると約1日半。灰原哀曰く「予定より24分オーバー」とのこと。なお、そのオーバーした時間分はほとんど事件の推理と真相披露に使っている。
- ^ 20年前にも、優作がここで事件を解決した後有希子にプロポーズをしており、他殺に見せかけて自殺した加害者というのは新一が解いた事件の犯人の父親であり、皮肉にも親子二代で事件をといたことになったが肝心のプロポーズは同じにはならなかった。
- ^ 日本音響研究所の所長・鈴木松美(実在の人物)曰く、「この音痴は声が上手く出せない音痴であって、音はしっかり聞くことができる音痴である」とのこと(『コナンドリル』より)。絶対音感があることについては、劇場版『戦慄の楽譜』でほぼ明らかになったが、それ以前にも『ピアノソナタ「月光」殺人事件』において、ピアノの音階をアルファベットに置き換えた暗号を耳だけで聞いて内容を理解している描写がある。
- ^ 中学時代は、リコーダーを吹けば教師(松本小百合)にタクトでピシパシ叩かれ、歌を歌えば音程を外してばかりで、新一にとっては最悪だった様子。
- ^ 後にレイが起こした殺人事件をコナン自らが暴くことになる。その時のレイはヘロインの影響で体はボロボロでコナンがけったボールも捕れなかった。
- ^ 他の人物と話している描写がなかったブラジル人と父親の優作の会話で、ポルトガル語が使われたのはエピローグの1コマのため、実際は不明。
- ^ 『外交官殺人事件』より。嘘の言葉ではあるが好きな人(蘭)の事だから分かるとも解釈できる。この言葉は心に残る言葉として人気がある。
- ^ 作者曰く、「服装を考えるのが面倒臭いから」とのこと
- ^ 劇場版『時計じかけの摩天楼』より。
- ^ この際は王室専用機に密航してヴェスパニアに渡り、帰りはルパンの手まわしで潜水艦で帰国した。