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推理作家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

推理作家(すいりさっか)は、推理小説を主として著す小説家ミステリー小説家とも呼ばれる。

概要

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推理小説自体が、推理をメインにした典型的な推理小説から推理要素を少しだけ含む作品まで多岐にわたるため、誰が推理作家で誰がそうでないかは明確ではない。

日本の推理小説の草創期には探偵作家と呼ばれたが[注 1][注 2][注 3][注 4]、その頃の探偵作家は今のSF作家怪奇小説家も含む広い範囲を指していた。

日本では1987年以降、「新本格ミステリ」を中心とする推理小説ブームがあり[5][6][7]、伝統的な江戸川乱歩賞以外にも、鮎川哲也賞メフィスト賞(推理小説を含むエンターテインメント作品を募集する)など推理作家を目指す人のための新人賞が多く創設された。

覆面作家

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推理作家の中には、顔写真を公表せず、生年や性別、デビューまでの経歴などのプロフィールを公開しない(または非常に限定的なプロフィールしか公開しない)覆面作家がいる。

推理小説の分野または別の分野で活躍していた作家が、正体を隠して変名を使っていた場合もある。

また、彩胡ジュンクイーン兄弟のように、読者にその正体を当てさせることを目的にして、本来の筆名を伏せて作品を発表する場合もある。

合作

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小説は多くの場合1人で執筆するものだが、2人以上が共同で小説を著す場合がある。エラリー・クイーン岡嶋二人などが代表例である。推理小説の場合には、どちらかが主にトリックのアイデアを出すなどして分業していることもある。

また、すでに名の売れた作家が2人以上で小説を著す場合もある。全体を担当者を明確にせず共同で創作する場合と、数名が担当部分を明確にしてストーリーを書き継ぐリレー小説の形を取る場合とがある。

合作やリレー小説と異なり、単に舞台や事件の設定を共有して、複数の推理作家が個別の作品を執筆する「競作」が行われることもある。

推理作家の団体

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脚注

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注釈

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  1. ^ 江戸川乱歩横溝正史の『真珠郎』の序文に「この作者は探偵作家でありながら」と記述している[1]
  2. ^ 横溝正史は「三つの探偵トリオ」というエッセイの冒頭に「探偵作家が何に一番苦労するかといえば」と記述している[2]
  3. ^ 坂口安吾は「『蝶々殺人事件』について(推理小説論)」の冒頭に「日本の探偵作家の間に、探偵小説芸術論という一風潮があって」と記述している[3]
  4. ^ 昭和23年度探偵作家クラブ賞贈呈式のテーブルスピーチで、城昌幸は「坂口氏の作品は読み辛いし面白くないがいわゆる探偵作家でない氏をこのクラブが重んずることにファインプレイを感ずる」、渡辺啓助は「坂口氏のはこみ入っていて疲労を感ずるものゝその情勢は買はなくてはならぬし、いわゆる探偵作家以外の新しい挑戦としての意味がある」、木々高太郎は「即ち探偵小説の時は探偵作家になったとみるので、純文学が書けることが探偵小説を文学にし得るのではなく探偵小説から文学たり得るものが生れるといへるので、探偵小説から文学へ突き抜けなければいけないと思ふ」と述べている[4]
  5. ^ 『クイーン談話室』(1957年)など。

出典

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  1. ^ 横溝正史『昭和ミステリ秘宝 真珠郎』(第1版)扶桑社扶桑社文庫〉、2000年10月30日、444頁。ISBN 978-4-59-402993-7 
  2. ^ 小林信彦 編『横溝正史読本(改版)』(第1版)角川書店角川文庫〉、2008年9月25日、207頁。ISBN 978-4-04-138216-5 
  3. ^ 小林信彦・編『横溝正史読本(改版)』(第1版)角川書店〈角川文庫〉、2008年9月25日、242頁。ISBN 978-4-04-138216-5 
  4. ^ 1949年 第2回 日本推理作家協会賞 長編部門 その他「中島河太郎 選考経過を見る」”. 日本推理作家協会賞 公式サイト. 2020年6月20日閲覧。
  5. ^ 《高校生のための本格ミステリ入門(日本編)》”. 習志野市立習志野高等学校. 2024年5月5日閲覧。
  6. ^ もはや古典!?新本格ミステリ第1世代作家のデビュー作”. honto. 大日本印刷株式会社. 2024年5月5日閲覧。
  7. ^ ミステリー小説は時代の鏡”. Yumenavi. 株式会社フロムページ 夢ナビ編集部. 2024年5月5日閲覧。

関連項目

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19世紀 - 1901 - 1910年代 - 1920年代 - 1930年代 - 1940年代 - 1950年代 - 1960年代 - 1970年代 - 1980年代 - 1990年代

外部リンク

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