島田荘司推理小説賞
島田荘司推理小説賞 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 島田莊司推理小說獎 |
簡体字: | 岛田庄司推理小说奖 |
注音符号: | ㄉㄠˇ ㄊ|ㄢˊ ㄓㄨㄤ ㄙ ㄊㄨㄟ ㄌ|ˇ ㄒ|ㄠˇ ㄕㄨㄛ ㄐ|ㄤˇ |
発音: | ダオティエンヂュアンスー トゥイリーシャオシュオ ジャン |
島田荘司推理小説賞(しまだそうじすいりしょうせつしょう)は、2008年に台湾で募集が開始された推理小説を対象とする文学賞。
日本の推理作家・島田荘司の協力を得て台湾の出版社・皇冠文化出版が主催し、日本の文藝春秋、中国の当代世界出版社・青馬文化有限公司、タイの南美出版社の協賛で開始された。
2011年の第2回では、協賛する中国の出版社は訳林出版社、北京鳳凰雪漫文化有限公司となり、新たにイタリアの出版社Metropoli d'Asia S.r.l.とマレーシアの出版社Integra Majujayaも協力している。
受賞作は台湾だけでなく中国・日本・タイ・イタリアおよびマレーシア(英訳)で刊行される(第1回は台湾・中国・日本・タイ)。
第4回以降は金車教育基金会が主催団体となり、第4回は金車の商品名を冠した「噶瑪蘭・島田莊司推理小說獎」(カバラン・島田荘司推理小説賞)、第5回からは「金車・島田莊司推理小說獎」として開催されている。
概要
[編集]島田荘司の「本格」の定義[1]に合致する未発表の長編推理小説を募集している。字数は8万~15万字。応募者の国籍や居住地は問わないが、中国語での創作であることが求められる。賞金はないが、規定の印税が支払われる。最終選考まで残った応募者には楯、それ以外の1次選考通過者には賞状が贈られる。
主催する出版社が1次選考で10作品を選出し、2次選考では台湾のミステリ評論家詹宏志(zh)や景翔らが3作品を選出する。最終選考は島田荘司本人が行い、受賞作を決定する。
- 作品の刊行
- 受賞作 - 台湾(3000部以上)・中国(2万部以上((第2回は1万5千部))・日本・タイで刊行(第2回以降はイタリアおよびマレーシア(英訳)でも刊行)
- その他の最終候補作 - 台湾(3000部以上)・中国(2万部以上(第2回は1万5千部))で刊行
- 最終選考まで残らなくても、優秀作は『皇冠雜誌』に掲載される場合がある。その場合は雑誌の既定の原稿料が支払われる。
第1回(2009年)
[編集]第1回の応募は2009年2月28日必着。授賞式は2009年9月4日に行われた。
58作品[2]のうち10作品[3]が1次選考を通過した。島田荘司による受賞作・最終候補作の選評は『オール讀物』2009年11月号に掲載されている。
受賞作
- 寵物先生 - 虛擬街頭漂流記 (日本語訳:寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』文藝春秋、2010年4月、ISBN 9784163289601)
最終候補作
1次選考通過作
- Azure - 印加古墓之謎 (インカ古墓の謎)
- 江暁雯 - 謀殺紅樓夢 (紅樓夢殺人事件)
- 王山而 - 心術
- 陳嘉振 - 不實的真相 (不実の真相)
- 烏奴奴(zh)、夏佩爾(zh) - 獵頭矮靈
- 譚剣(zh) - 輪迴家族
- 黄顕庭 - 夢之沙漏 (夢の砂時計)
- 王稼駿 - 魔幻人生 ※規定違反により取消
第2回(2011年)
[編集]第2回の応募締切は2011年2月28日。授賞式は2011年9月9日に行われた。
65作品のうち9作品が1次選考を通過した。島田荘司による受賞作の選評は『オール讀物』2012年6月号および受賞作『世界を売った男』の巻末に掲載されている。
受賞作
- 陳浩基(香港) - 遺忘・刑警 (日本語訳:陳浩基(サイモン・チェン)『世界を売った男』文藝春秋、2012年6月、ISBN 9784163814506)
最終候補作[5]
1次選考通過作[5]
- 林斯諺(台湾) - 無名之女 (無名の女)
- 連環(中国) - 結界之徑 (結界の徑)
- 江成(中国) - 再見,雪國 (バイバイ、雪国)
- 王稼駿(中国) - 簒改
- 雷鈞(中国) - 妙計
- 文善(カナダ) - 客西馬尼
第3回(2013年)
[編集]第3回の応募締切は2013年2月28日。授賞式は2013年9月6日に行われた。
33作品のうち8作品が1次選考を通過した。
受賞作
- 胡傑(台湾) - 我是漫畫大王(日本語訳:胡傑『ぼくは漫画大王』文藝春秋、2016年5月、ISBN 9784163904634)
- 文善(カナダ) - 逆向誘拐
最終候補作
1次選考通過作
第4回(2015年)
[編集]第4回の応募締切は2014年12月31日。授賞式は2015年9月19日に行われた。
41作品のうち7作品が1次選考を通過した。
受賞作
- 雷鈞(中国) - 黃
最終候補作
1次選考通過作
- 顧日凡(香港) - 槴子花殺人事件
- 耿偵詞(台湾) - 詹典神探探案系列―「大亞集團命案」
- 游善鈞(台湾) - 神的載體 (神の乗り物[6])
- 王稼駿(中国) - 阿爾法的迷宮 (アルファの迷宮[6])
第5回(2017年)
[編集]第5回の応募締切は2016年12月31日。授賞式は2017年9月23日に行われた。
43作品のうち7作品が1次選考を通過した。
受賞作
最終候補作
1次選考通過作
- 有馬二(香港) - 溯迴之魔女
- 游善鈞(台湾) - The Fake Full Moon
- 王稼駿(中国) - 再見,安息島
- 馬洪湉(中国) - 物候期
関連書籍・雑誌
[編集]- オール讀物 2009年11月号(文藝春秋、2009年10月)
- 島田荘司「いま、アジアのミステリーに何が起きているのか」(受賞作・最終候補作の選評含む)
- ミステリーズ! vol.37 OCTOBER 2009(東京創元社、2009年10月)
- 第1回島田荘司推理小説賞レポート
- 本格ミステリー・ワールド2010(南雲堂、2009年12月)
脚注
[編集]- ^ 島田先生の本格ミステリーの定義について - 投稿者に求められる「本格」の定義(日本語)
- ^ 当初、公式サイトでは61作品とされていた。
- ^ 当初は11作品が1次選考通過とされたが、そのうち、王稼駿『魔幻人生』は雑誌に発表されたことのある作品だったため、公募の規定に合わず、取り消しとなった。
- ^ a b 各々単行本に表記された日本語題に従った。
- ^ a b 皇冠文化|第二屆【島田莊司推理小說獎】決選入圍名單揭曉!参照
- ^ a b c s_s_kingdomのツイート、2017年9月29日閲覧。
- ^ a b c s_s_Kingdomのツイート、2017年9月29日閲覧。
関連項目
[編集]- 台湾推理作家協会賞 - 台湾の短編推理小説の新人賞
- 皇冠大衆小説賞 - 皇冠文化グループが主催していた文学賞。島田荘司推理小説賞が始まるため一時休止となった。
- 島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞 - 島田荘司が選考する日本の長編推理小説の新人賞
- 島田荘司選 アジア本格リーグ
外部リンク
[編集]- 第一屆島田莊司推理小說獎 - 公式サイト(中国語)
- 第一回島田荘司推理小説賞 - 公式日本語訳
- 華文の本格ミステリー創作に期待するもの - 島田荘司本人によるメッセージ(日本語)
- 寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』|特設サイト|文藝春秋 - 第1回受賞作の特設サイト(日本語)。受賞者と島田荘司の対談などが掲載されている。
- 第2屆【島田莊司推理小說獎】 - 第2回公式サイト(中国語、日本語、英語、タイ語)
- 第3屆【島田莊司推理小說獎】 - 第3回公式サイト(中国語、日本語、英語)
- 金車島田莊司推理小說獎 - 第4回以降の公式ブログ(中国語)
- 金車・島田荘司推理小説賞 - 賞に関する情報、レポートなど(日本語)